夫を殺害し冷凍庫に...サイコな役に挑む本仮屋ユイカ「面白いことをやるかも」と期待される存在に:私の夫は冷凍庫に眠っている

公開: 更新: テレ東プラス

夫の暴力に耐えかねてきた妻は、ある夜、夫を殺害。物置小屋の冷凍庫に死体を隠したはずなのに、翌朝「おはよー」と夫が帰って来た......。

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サタドラ「私の夫は冷凍庫に眠っている」(毎週土曜夜11時25分放送/テレビ東京)が、4月10日(土)スタート。テレ東、土曜夜11時台の新設ドラマ枠「サタドラ」第1弾として、人気小説サイト「エブリスタ」で話題となった八月美咲原作の同名ラブサスペンスをドラマ化。夫を殺す妻・夏奈役を本仮屋ユイカ、殺された夫・亮役を白洲迅が演じる、衝撃の本格ホラーサスペンスとなっている。

今回は、主演の本仮屋ユイカさんにインタビュー。女優として10代から第一線で活躍し続けながら、ラジオのパーソナリティや話題の写真集、さらにはYouTube配信など、とどまることなく新しいことにチャレンジし続ける本仮屋さんの新たな一面に迫ります!

サイコな役もリアリティを持つように

――今回演じる如月夏奈は、夫を殺め、冷凍庫の中に隠し、さらに......!? という闇のある役どころ。どのような役作りを?

「これまでは光を担うような役柄が多かったので、今回はそれとは反対のことを探り、発信し、演技していくという日々で。夏奈はサイコな感じの役ですが、リアリティを持つように衝動や本能に結びつくことを心掛けました。そのために、私自身に根付いているものを見つめ、気づきをノートに書き続けました。

張り詰めたシーンが多く、緊張感が続く撮影でしたが、控え室では白洲さんと『今のはいい演技だった!』と自画自賛しあって(笑)。芝居や関係性を深められるようにと、少し長めに共有する時間をとってくれました。そのおかげで、"この大変なシーンが終わったら幸せな時間が待っている"と励みになりました」

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――冷凍庫に眠ることとなる夫・佐藤亮役の白洲さんとは初共演ですが、印象は?

「一緒にいる時間が増えるほど、『お芝居が好きなんだな』と感じました。そういう方とお芝居できたのは幸せ。こっちがどんなものを投げても、"絶対とってやる"という気迫を感じるし、何か投げてくれる時も安心感がありました」

「面白いことをやるかも」期待される存在に

――本仮屋さんは、昨年4月にYouTube公式チャンネル「ユイカのラジオ」を始め、今でも定期的に更新を続けていらっしゃいます。ここでは"女優・本仮屋ユイカ"とは違った姿が魅力ですが、始めたいきさつは?

「コロナの影響が一番ですね。当時は『いつ私たち働けるんだろう? 食べていけるの? 生きていけるの?』という不安の中で、私たちの仕事は人がいないと何も進まないと気づかされました。密にならない限り何も進まない。そんな中で、お芝居をしている以外の時間、何をしていけばいいのかと考えたら、ただただしゃべりたいと思ったんです(笑)。妹にも『そんなに一人で話せる人はいないから、やったらいいんじゃない』と後押しされて。また、不安な中でも、私のYouTubeを見た方が『こんなのんきな奴がいるのなら、俺の人生はまだ大丈夫だな』と、そう思ってもらえたらいいなという気持ちもありました。

内容は、タイトルもテーマも全部私が決めています。ラジオは聞き流しながら何かできるし、テレビ以上に距離が近く好きな媒体なので『ユイカのラジオ』というタイトルにして、テーマは『30代でやりたい100のコト』に挑戦していくというものにしました」

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――コロナ禍でYouTubeを始めたものの本業が元に戻ると辞める方も多い中、今でも続けていらっしゃるということは、本仮屋さんにとってYouTubeでの経験は得るものが大きいということですか?

「そうなんです。お芝居とはまた違う軸として、YouTubeは自分にとって大事なものになっています。

女優として、作品を通して自分が成長することが多くあります。でもそれは、"ユイカ"だけど"ユイカ"じゃないものが残っている。一方で、YouTubeは完全な"ユイカ"が残ります。"この時の私はこういうことを思っていたな"と自分の成長の記録として残せる。今は"自分のために残す"と思って続けています。YouTubeを見てくれている人、私が女優だと知らないかもしれない(笑)。でも、それでもいいと思っています」

――女優業とYouTubeでの経験、それぞれの活動に影響を与えることはありますか?

「YouTubeを始めたことでしゃべるのが楽になりました。テレビカメラの前だと『ちゃんと番組宣伝しなくちゃ』と気負った部分がありましたが、YouTubeは『さっきまでパジャマだったけど、とりあえず着替えてやりました』の世界観なので、楽に話すようになれたのは良い反面。悪いところはテレビカメラの前でもYouTubeのテンションでしゃべることになったことかな(笑)。

YouTubeは『こうでなければいけない』という規制がない場所だからこそ、何をしたらいいのか、どうふるまったらいいのかが難しい。自分自身で考えてOKを出していくという経験によって、本業の自分の表現の場に戻った時も、縛られずいろんなことができるようになりました」

――女優業へもいい影響を与えていらっしゃるんですね。YouTubeのタイトルになぞらえて「30代で"女優として"やりたいコト」はなんですか?

「今までは職業の性質上、オファーを受けたことに対して確実に応えるということが大事だと思っていました。自分を客観的に見ても『この子に頼んでおけば、大きな失敗はないだろう』と思って頂けている存在だと思っています。

でも、新しいことをしたいと思った時に『あの子なら受けてくれるんじゃないか』というハードルの低さと共に『あの子なら面白いことをやるかもね』と期待してもらえるような、ワクワクするような存在でいたいなと思っています」

――今回のドラマはテレビ東京の新ドラマ枠「サタドラ」の記念すべき第1弾。他にも、J-WAVE30周年を記念した舞台「みみばしる」や、東京MXの新設ドラマ枠の「片恋グルメ日記」での主演など、新しい挑戦の第1弾を担っていらっしゃいます。請負人としての挑戦はありますか?

「私の担当は演じることですが、テレビ、映画、ドラマは総合芸術だと思っています。その中で、スタッフの皆さんとディスカッションをして意思疎通をはかることが大切ですので、今回はいつも以上に自分のアイデアを出しました。

スケジュールがタイトで撮影できなくなったシーンも多いのですが、プロデューサーと監督にご相談して、『自分の中でこのシーンは必要だと思います』と私の意思で復活させてもらったシーンもあります。撮影が終わった後、スタッフの皆さんが『作品のスパイスになった。効くシーンになった』とおっしゃってくれたのがうれしかったですね」

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――そのこだわりのシーンがどこなのかも楽しみにドラマ拝見します。最後に視聴者の皆様にメッセージをお願いします。

「ラストシーンは絶対に見ていただきたいです! 白洲さんと色んなことを乗り越えてきたから、あの空気感であの芝居ができました。二人の信頼関係があってこそ、手応えを感じるシーンになりました。夏奈はある扮装をしていますが、私はそこに"夏奈にとって何が正解だったのか"を感じたので、皆さん最後まで見て何かを感じていただきたいです。

そして、冷凍庫に眠る白洲さんの凍った姿もオススメです。"こんなにキレイに凍るんだ"と期待を裏切らない仕上がりになっているので、ドキッとしながら注目してください」

【プロフィール】
本仮屋ユイカ(もとかりや・ゆいか)
1987年9月8日生まれ。東京都出身。A型。10歳から芸能活動を始め、「3年B組金八先生」第6シリーズ(TBS系)、連続テレビ小説「ファイト」(NHK)主演など女優としてドラマ、映画、舞台で活躍するとともに、情報バラエティ「王様のブランチ」(TBS系)メインキャスターも担当。近年は、ドラマ「マイラブ・マイベイカー」(ひかりTV・dTVチャンネル)、「片恋グルメ日記」(TOKYO MX)などで主演。ラジオ「三菱地所レジデンス Sparkle Life」(TOKYO FM)、「地方創生プログラム ONE-J」(TBSラジオ)のパーソナリティも務める。

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サタドラ「私の夫は冷凍庫に眠っている」4月10日(土)夜11時25分放送の第1話は?

第1話
輸入家具や雑貨を取り扱うネットショップで生計を立てながら、郊外の一軒家でひっそりと暮らしていた如月夏奈(本仮屋ユイカ)は、数カ月前に偶然知り合い婚約した佐藤亮(白洲迅)と一緒に暮らすことに。だが幸せな時間も束の間、亮が豹変し、暴力を振るうようになってしまう。情事のあと、ほろ酔い状態の亮を絞殺する。その死体を物置の古い冷凍庫に隠し、自由な生活が始まるはずだったのだが――。

(取材・文/船桂子)

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