「高円寺阿波おどり」に青春を捧げるサイパンYOU! 踊る大物の姿も? コロナ禍でYOUは今...:YOUは何しに日本へ?

公開: 更新: テレ東プラス

日本を訪れる外国人たちを、空港で勝手に出迎えアポなしインタビュー! そのまま密着取材を行う「YOUは何しに日本へ?」(毎週月曜夜6時25分~)。今回のテーマは「YOUのハートを狙い撃ち!ドキドキドッキュン胸ズッキュンSP」。心臓バックバクの緊張とサプライズ満載の95分で、はたしてどんな面白YOUに出会えるのか?

you_20210322_01.jpg(2019年9月23日放送分)

成田国際空港で声をかけたのは、サイパンから「阿波おどり」を踊りにきた10代の少年少女たち。8月下旬に高円寺(東京都杉並区)で開催される夏祭り「東京高円寺阿波おどり」(来場者数は本場・徳島県に次ぐ規模で約100万人)に参加するんだって。

メンバーは左から、ビアニさん(13歳・参加2回目)、タイビアンさん(17歳・阿波おどり歴12年・参加2回目)、モモさん(11歳・参加2回目)、おはやし担当のオーディさん(18歳・歴4年・初来日)たちで、日本とサイパンの友好のために結成された「東京天水連(サイパン支部)」に所属しているんだって。実際に踊る姿を見てみたいとお願いすると、「オフコース!」と歓迎してくれたので密着決定!

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2日後、向かったのは東京天水連の方々と合同練習が行われる公民館。これから本番までの1ヵ月間、週に2~3回の練習をやる場所だ。1日遅れで日本入りした、サイパン支部リーダーの陽気なシーナさん(25歳・歴12年)も合流し、ますます盛り上がってきた~。

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連長さん方にていねいにご挨拶を済ませたら、さっそく「ヤットサー!」と声を出しながら、「流し踊り」が始まった。腰を落として手と足を同時に出し、つま先から地面に付けるのが阿波おどりの基本だ。まずは小手調べにおよそ30分踊り続けたところ、副連長の市東さんは「日本の子より体力・身体能力が高い」と褒めてくれた。

「鳴り物」は太鼓・鉦(かね)・笛・三味線など、連によって使う楽器はさまざまだが、シーナさんはスネアドラムを、オーディさんは大太鼓を使用。東京天水連は、打楽器のみの爆音が特徴の"ハードロック系おはやし"なんだって、カッコいい~!

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しかしここで、大太鼓を打つオーディさんが "音の軽さ"を指摘されてしまった。東京天水連の演奏スタイルは"一打入魂"。小手先ではなく、腰や体重をのせて、どーんと力強く打つよう指導が入った。猛特訓で手のマメもつぶれたが、シーナさんに手当てしてもらい、ふんばりを見せる。

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なにしろ本番は3時間という長丁場のため、気力や体力を鍛えるために練習も長時間に及ぶ。「サイパンの練習より全然ハード。いつ終わるの...って感じだった」と、歴12年のタイビアンさんでも特訓がこたえた様子だ。

そもそも彼女が5歳で阿波おどりを始めたのは、最初は練習後のお菓子が目当てだった。故郷の町は裕福とはいえない地域で、目標を見失って真っ当な人生を歩めない人も。でも、自身はこうして阿波おどりと出会い、日本で踊りたいという目標が持ててラッキーだったと目を輝かせる。「阿波おどりは目標を持つことの素晴らしさも教えてくれた」、と。

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そしてついに本番当日、天水連本部前に凛々しい法被姿で集結。御神酒で景気付け(シーナさん)をした。63回目の今回は、来場者数約101万人! 出演者1万人(112連)が1日3時間(2日間)、総距離3.2㎞を練り歩くハードな祭りだけに、おはやし担当のジェシーさん(19歳・初来日・写真上)も緊張を隠せない。

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いよいよ阿波おどりがスタートするが、いつもは元気なタイビアンさんも緊張のあまり声が出ない。でも東京天水連は7歳~70歳までが集まる高円寺屈指の人気チーム。沿道の観客たちから温かい声援と勇気をもらって、しだいにスイッチが入り始めるのだった。

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おはやしボーイズも天水連の真骨頂・魂の連打をガンガンに見せつけ、観客たちから「カッコいい!」の声援が!「ここの阿波おどりはスゴい、信じられない規模だ! 観客の多さ・熱気、この感動は言葉にできないよ!」と、本番を終えたボーイズが興奮気味に感想を聞かせてくれた。

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この高円寺阿波おどりは、昭和32年に町おこしとしてスタート、当時は白塗り化粧で「高円寺ばか踊り」とも呼ばれた。そして昭和37年には、本場・徳島県人の手ほどきを受け、大々的なイベントへと進化。いまや60年以上の歴史を誇る東京の文化に成長した。

YOUはほかにも、フランスやオーストラリアなどから約60名が参加。その中に具志堅用高さん(本物)の姿もキャッチ!

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午後7時、まだまだ踊り続けるYOUたち。「こんなハッピーな空間は世界中どこにもないと思うわ!私たちとにぎやかな観客、この一体感が大好き!」と、タイビアンさんは幸せそうだ。ラストはおはやしボーイズたちの怒涛の連打で午後8時を迎え、祭り&密着が終了~。

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あれから1年半、サイパンでYOUたちは元気にしているのだろうか?
リモートでサイパンとつながってみると、ちょっとずつ成長した女子チーム・シーナさん、タイビアンさん、ビアニさん、モモさんが元気いっぱいの笑顔を見せてくれた。

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おはやしボーイズは...ふたりとも髪が伸びて雰囲気が変わった! 実は将来やりたいことを見つけたので、今は大太鼓をやっていないそう。ふたりとも働きながら、それぞれの夢に向かって大忙しの日々だ。

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YOUが所属するサイパン支部は、現在5~26歳の34名で活動中。女子チームも週2で練習を続けているそうで、コロナ禍(サイパンの累計感染者数は2021年3月18日時点で155人)で観光客はいないが、楽しくやっていると報告してくれた。

しかもシーナさんによれば、サイパン日本領事館で今年(2月24日)開かれた天皇誕生日の祝賀会にも招待され、阿波おどりを披露したんだって! スゴい!

そしてタイビアンさんは今年の8月から地元の大学に通い、経営も学ぶそう。日本への留学も検討中だそうで、「また日本に踊りに行きます! ヤットサー!」と楽しみなメッセージをくれたところで、リモート密着も終了。みなさん、また日本でお待ちしてます!

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