百貨店が挑む・・・新時代の”接客”とは リモートショッピングから介護まで!? 「髙島屋」「三越伊勢丹」生き残り新戦略:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)。3月16日(火)の放送では、新型コロナウイルスの影響で大打撃を受けた「百貨店」に密着。各地で店舗の閉鎖が相次ぐなど苦境にあえぐ中、老舗百貨店が生き残りをかけて取り組む新たな戦略に迫る。

ネット通販には真似できない「三越伊勢丹」の"新しい接客"

コロナ禍で大打撃を受けた小売業界。特に店舗での接客を武器にしてきた百貨店が受けた影響は甚大で、2020年の売上高は45年ぶりの低水準にまで落ち込んだ。厳しい状況の中、老舗百貨店では店ならではの強みを活かした新しい挑戦を始めていた。

創業350年を迎える老舗百貨店「三越伊勢丹」にもコロナの逆風が直撃。しかし、グループの旗艦店「伊勢丹 新宿店」には、活気ある売り場が存在していた。販売員が接客しているのは、パソコンの画面越しのお客。オンラインで接客する「リモートショッピング」に商機を見出そうとしていたのだ。

gaia_20210316_01
家にいながら商品を選んだり、販売員と会話したりしながら買い物ができる「リモートショッピング」は、店頭にある商品だけでなく、三越と伊勢丹の4店舗、42の売り場で対応。おすすめのワインに合わせたグラスの提案など、売り場を超えた要望にも応えている。登録者は約1万人。百貨店の原点である「接客」の新しい形を目指す。

オンラインでの接客を取り入れようとする意外な売り場も。呉服売り場を担当する齋藤健司さんは、コロナの影響で高齢のお客が来店できないことに危機を感じていた。慣れないパソコンに悪戦苦闘しながら準備を進める中、お客から初めて問い合わせが入る。呉服一筋30年のベテラン・斉藤さんの商品知識は、リモートでも活かされるのか。

gaia_20210316_02

髙島屋が「介護ビジネス」に参入!? 社員が磨く新ビジネスの理想の現実

創業190年、全国に15店舗を展開する老舗百貨店「髙島屋」でも新たな取り組みが始まっている。社員から新事業・業態を募集する「フューチャープランニング」は、いわば社内起業の仕組み。新事業で客との新たな接点を生み出すことを目指す。これまで95件の応募があり、去年5つの事業を実際にスタートさせた。

gaia_20210316_03
その中の1つが、「高崎髙島屋」中里康宏さんが提案した新事業。中里さんは、全国の町工場が作るオリジナルブランドの商品を目利きして販売。「自ら仕入れ、自ら売る現場力」という百貨店バイヤーの原点とも言える点が採用の決め手となった。厳しい地方百貨店にありながら中里さんの店は開店以来、毎月売り上げ目標を達成。売り場は半年で当初の4倍の規模に拡大。さらに責任者として数年先まで見据えた戦略を練る中里さんは、すでに経営者としての一面も見せる。

gaia_20210316_04
一方、ベテラン社員も新事業に挑む。「日本橋髙島屋」の征矢需さんは、髙島屋全店における紳士靴の品揃えを決めるセントラルバイヤーまで務めたスペシャリスト。そんな征矢さんが売るのは、商品ではなく「靴磨きサービス」。百貨店の原点である対面接客で客との接点を生みだし、他の売り場での買い回りにも繋げたいと考えた。ところが、徐々に常連客は増えてきたものの、依然続く新型コロナの影響で苦戦。せっかく立ち上げた事業も、赤字続きなら撤退を余儀なくされる。征矢さんは巻き返しに動き出すが...。

gaia_20210316_05
百貨店の枠を超えた驚きの新事業も。経営戦略部の福田有里子さんは、髙島屋の利用客の半数が60歳以上であることに着目し、介護ビジネスを発案する。「元気になって、また髙島屋で買い物を楽しんでもらいたい」という狙いだというが、百貨店が仕掛ける介護とは一体どんなものなのか。

gaia_20210316_06
百貨店が提案する新ビジネスを追った「ガイアの夜明け」は今晩10時から放送。どうぞお見逃しなく!

過去の放送が見たい方は、ビジネスオンデマンドへ!

PICK UP