事故物件住みます芸人・松原タニシ 顔が真っ黒の心霊写真に「5年後、すべてを無くす」の予言...今年ついに現実に!?:東京怪奇酒

公開: 更新: テレ東プラス

漫画家・清野とおるの同名コミックを原作に、杉野遥亮が主演しているドラマ25「東京怪奇酒」(毎週金曜深夜0時52分放送)。全員が本人役で登場し、ホラーが大の苦手だという杉野が、"怪談オールスターズ"として登場するゲストから心霊話を聞いて夜な夜な怪奇酒を堪能するという、ちょっとコミカルなホラー作品です。

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3月5日(金)放送の第3話には、怪奇マスターとして"事故物件住みます芸人"の松原タニシさんが出演。体験談をまとめた著書「事故物件怪談 恐い間取り」がベストセラーとなり、2020年には中田秀夫監督、亀梨和也主演で映画化も。現在も事故物件に住み続ける松原さんに、自らの身に起こった最近の怖い出来事や、ドラマ出演の感想などをうかがいました。

「5年後、すべてを無くす」との預言が現実に!?

――松原さんは事故物件に住み続ける"事故物件住みます芸人"ですが、住む家を選ぶポイントはありますか?

「以前は亡くなられ方のパターンをコンプリートしようとしていたんです。殺人、自殺、事故死、孤独死......。ですが、だんだんパターンがなくなってきましたし、何も起きない事故物件も多いので、幽霊が出るとか確実に変なことが起こる物件を探すようになりました」

kaikizake_20210304_02.jpg事故物件1軒目にて

――実際に心霊スポットへ足を運んだり、事故物件に住んだりする中で、まだ著書などに書かれていない最近の不思議な経験を教えてください。

「4年前、撮った写真が自分の顔だけ真っ黒で、それを見たお坊さんに『5年後、すべてを無くします』と言われたんです。『東京怪奇酒』の原作にも載っているように、事故物件に住むと運気が上がるらしいんです。で、あるときストンと落とされる。落差がすごく、いいことも悪いことも大きくなるそうなんです。

僕も事故物件に住み始めてから仕事も増えてきて、昨年は著書『事故物件怪談 恐い間取り』が映画化され、このドラマのお話もいただいて、ありがたいなと思っていて。けど、年をまたいで2021年になった瞬間に、昨年1年間のLINEのデータが全部消えたんですよ。ちょうど今年がその5年後。すべてをなくす予兆なんかな、と。あと、痔もひどくて、いよいよか......という気がしています」

kaikizake_20210304_03.jpg顔が真っ黒の写真

――痔は一刻も早く病院へ行って診ていただければと思いますが(笑)。そういう場所へ向かう際、例えばお払いなど何かしていることはありますか?

「自らネタを探しに行ってるので、その辺はなんとも言えないといいますか。何か起きて欲しいと思って、自らを使って人体実験をやっているので気にしてないんです」

――以前、一緒に行った廃神社で、そこに祀られていた教祖さまに取り憑かれて、その教祖さまのことを詳しく説明し始めた後輩のことを話していらっしゃいましたが、その方はその後どうなったんですか?

「普段は普通です。けど、あの廃神社の話をすると、『やっぱり○○さんはすごいですよ! なんでこのすごさがわからないんですか』ってめちゃくちゃ褒め出すんで、まだ憑いてますね(笑)。廃神社に行ったあと、そいつと別の神社に行ったんです。そうしたら、急に階段を走り出していろんなお塚にお辞儀し出して。最終的にたどり着いてお辞儀していたのが、奈良の廃神社と同じ名前の人が祀られているお塚やったんです。オカルトにまったく興味のない人間ということもあって、"あぁ、これは本物やな"と思いましたね」

事故物件に住み続ける意味

kaikizake_20210304_04.jpg事故物件6軒目にて

――松原さん自身、怖いことはお好きなんですか?

「好きじゃない、ってことはないんだろうなと思います。『ドラゴンボール』の孫悟空が、勝てそうにない相手を目の前にして『ワクワクする』のと同じ感じで、僕にとって(心霊は)乗り越えられそうなものだから楽しめるのかもしれないですね。

例えば、殺意のある人間とか野生動物のように確実に命の危険があるものを前にすると、怖くて逃げ出すと思うんですよ。けど、幽霊って恐怖ではあるけれど、乗り越えられそう。呪われることがあるかもしれないですが、"そもそも呪われるってなんやねん"と(実態を)確かめるところまではいきたいなと思う。殺人鬼やイノシシ、クマを目の前にしてそんなことは言ってられないし、逃げるしかないですけど、僕にとって幽霊はちょうどいい怖さだと思います」

――ドラマでは、主人公・杉野さんは怖い話は苦手ながらも、怪奇マスターの話を聞いて好奇心から心霊スポットへ出向いてお酒を飲むという行為を繰り返します。怖いもの見たさという心理を、松原さんはどう考えていますか?

「この間、『リング』の著者・鈴木光司さんとお話しさせてもらったんです。鈴木さんは船を持っていて、むちゃくちゃ遠いところまで行くんですって。何回も死にかけてるらしいんですが、そういうギリギリの体験をすることで人間として危機察知能力が培われているというようなお話をされていたんです。

それを聞いて、僕が怖いものを探ったり聞いたりしてるのって、自分の死なない範囲を広めているというか、生きるための行動としてやってるんかな、と。怖い話を聞くことは安全圏からの行為ではあるけれど、冒険や探検と同じように、"生存確率を伸ばすための快楽"として人間にプログラミングされているものなのかな、というようなことを考えました」

kaikizake_20210304_05.jpg事故物件7軒目にて

――心霊体験をしたり、事故物件に住んだりすることも、松原さんにとっては生きるためにやっていることだと。

「そうですね。事故物件に住むようになって、"死ぬことって身近なことなんやな"と感じるようになったんです。それに"死"は、みんなが興味を持っているテーマ。芸人には家電芸人とかキャンプ芸人とか得意なものを仕事にしている人がいますが、"ほかの芸人とかぶらないものってなんだろう"と探して行き着いたものが"事故物件"だったんです。死にまつわることには誰しも興味があって、掘ったらどんどんいろんなことが出てくるジャンルなのに、誰もやってない。なんてすごくいいものを見つけたやと思ったんですよね。だから、自分からもっと死に近づいて、さらにいろんなことを発信していこうと。うわべだけじゃなくて、特化したことをやっていく芸人を目指したいと思うようになりました」

――怖い話を求められることも多いでしょうが、話す際に気をつけていることはありますか。

「嘘をつかないということですね。怖がらせることをメインにしているなら、嘘をついてもいいし、過剰な演出をしてもいい。けど、僕は事実にしか興味はないので、わざわざ怖がらせるための演出はしないですね。あとは、楽しく話す。怖いものや死にまつわることであっても楽しいほうが絶対に楽しい......変な日本語ですけど(笑)、僕の怖い体験を楽しんでもらえるように提供できたら成功なのかな」

事故物件に住みはじめてからは夢遊病も

kaikizake_20210304_06.jpg事故物件8軒目にて

――今回、ドラマ第3話に怪談マスターとして出演されますが、現場の感想を聞かせてください。

「全員が本人役ということで、自分を演じる難しさを感じましたね。ドラマ的な自分なのか、視聴者的な自分なのか。『自分を演じて』と言われても、自分は誰なのか、どう見られている自分が正解なのかわからなくなって。けど、杉野さんのボロボロの台本を見て、頭にセリフを叩き込んで(現場では)流れでやるのが正解のかなと感じたので、自分がしっくりくる感じでやってみました。

そもそも、自分のことってよくわからないですよね。僕は最近、夢遊病みたいになっていて、寝ている間に行動を起こしていることがよくあるんですよ。もしかしたら何者かに(体を)乗っ取られてる可能性もあるなって思うと、本当の自分がよくわからなくなってしまって」

――夢遊病みたいな行動を起こしてしまうのは、いつからなんですか?

「事故物件に住み始めてからですね。徐々にひどくなっている気がします。朝起きたら昨日買ったお菓子がなくなってるっていうのはよくあります。定点カメラで夜中の様子を撮影したら、勝手に起き上がってチョコをむさぼってスッと寝てる自分の姿が映ってました」

kaikizake_20210304_07.jpg松原さん出演「東京怪奇酒」第3話より

――痔に続いて、夢遊病も心配ですね......。杉野さんの台本がボロボロだったとのことですが、彼の印象はいかがでしたか?

「すごく真面目で誠実な好青年というイメージでしたが、現場で全然、目が合わなくて。最初の挨拶をした時も、絶対に目を合わせようとしないんです。お芝居に入ると普通に目を合わせてもくれるんですが、カットがかかった瞬間、目をそらして鼻歌とか歌い出したり、絵を描いたりして、すぐ自分の世界に入るんです。だから、"あぁ、役者さんってコミュニケーション能力がすごく高い方とオフではすごくシャイな方の2種類がいて、杉野さんは後者なのかな"と思っていたんですが、あとからスタッフさんに聞いたところ『杉野さん、ガチでタニシさんのこと、怖がってます』と(笑)」

――杉野さんは怖い話が苦手なんですね。では、撮影の空き時間に「怖い話を聞かせてください」と言われるようなことは?

「まったくなかった。なんなら、『本当にやめてください』って感じでしたね。僕から目をそらすのは、杉野さんなりの防御だったんだと思います。そのエピソードを知って、可愛らしい方なんだなと思いました」

――原作者の清野さんとは、もともと面識があったんですよね。

「以前、対談させていただいたこともあるんですが、共感できる部分がたくさんある方で。変なものに対する興味がすごく純粋で、違和感や不自然を放置しない。そういう歪なものに対して愛情を持って執着するところがすごく信頼できる方だなという印象でした。僕と清野さんは、"正直同盟"というものを組んでまして。『タニシさん、僕たちで欺瞞に満ちた世の中の嘘を暴いていきましょう』と。ドラマかつドキュメンタリーでもあるこの作品も、清野さんとしてすごく面白いと感じて描きあげたんでしょう。だから、今回のオファーはすごくうれしかったですね」

【プロフィール】
松原タニシ(まつばら・たにし)
1982年4月28日生まれ。兵庫県神戸市出身。B型。ピン芸人。2012年、テレビ番組「北野誠のおまえら行くな。」の事故物件に住む企画をきかっけに、その後も自殺や孤独死が起こったワケあり物件に 住み続け「事故物件住みます芸人」として活動。2018年、著書「事故物件怪談 恐い間取り」(二見書房)がベストセラーとなり、2020年、中田秀夫監督、亀梨和也主演で映画化。ほか、「異界探訪記 恐い旅」「事故物件怪談 恐い間取り2」(二見書房)などの著書、日テレプラス「松原タニシのいきなりホラー旅」、ラジオ関西「松原タニシの生きる」、CBCラジオ「北野誠のズバリ」、YouTube・ニコ生で配信の「おちゅーんLIVE!」「大島てる×松原タニシの事故物件ラボ」など で活躍中。
Twitter:@tanishisuki

(取材・文/高本亜紀)

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3月5日(金)深夜0時52分放送、ドラマ25「東京怪奇酒」第3話は?

第3話
「事故物件住みます芸人」の松原タニシに勧められて杉野が向かったのは、孤独死した男性の住むアパート。マジメな人だったが、遺品整理にきた娘にHな本のコレクションが見られてしまったという。そのためか成仏できず、未だにその場所にいるという。杉野が怪奇酒をはじめても、お父さんの霊は出てこない。しかし杉野がHな本を見せると、「カーン」という金属音が...。Hな本をめくるとさらに激しい金属音が! お父さんの霊が現れたのだった。

チャンス大城、松原タニシらによる"怪談オールスターズ"によるオンラインイベント決定。詳しくは番組HPにて。

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