下町”谷根千”でベトナムYOUが和定食屋を経営!? 地元で超愛される理由:YOUは何しに日本へ?

公開: 更新: テレ東プラス

日本を訪れる外国人たちを、全国の空港で勝手に出迎えアポなしインタビュー! そのまま密着取材を行う「YOUは何しに日本へ?」(毎週月曜夜6時25分~)。今回のテーマは「ど根性YOUのネバーギブアップSP」。ファイトあふれる個性派が続々登場する95分で、はたしてどんな面白YOUに出会えるのか?

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空港を飛び出し、日本全国の市町村で面白そうなYOUを捜索する「出張YOU」。今回は、関東大震災や戦禍を逃れ、昭和の面影が残る東京の下町、「谷中・根津・千駄木(谷根千)」を大捜索!

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そんな千駄木の商店街で声をかけたのは、「さくら食堂」前の歩道を掃除していたベトナム出身のダンさん(31歳)。そこへ同郷の店主・ズンさん(30歳・画像上)も登場し、2020年2月から営む和定食屋の店内へ案内してくれた。

まず目に入ったのは、手書きボードに書かれた美味しそうなメニュー。なかでもオススメは、この時期1日30~40食出るという「ぶり照り焼き定食」だそう。2人の働きっぷりに密着したいと申し出ると、快諾してもらえたので密着決定!

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店内で待機していると徐々にお客さんが入り始め、さっそく「ぶり照り」のオーダーが。ダンさんは良い食材を仕入れるため、週に3回足立市場へ通う。オーダーを受けて手に取ったのは、今朝ダンさんが市場で仕入れたばかりの「刺身でもいける」超新鮮なブリだ。見事な包丁さばきを披露し、切り身に。

一方、ズンさんは、ブリに自家製タレをつけて焼きつつ、自家製のぬか漬けを手際よく準備。塩加減を確かめるため、ぬかを食べるほど味にこだわっている。

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完成~♡ 他にも豚ロース生姜焼き定食、ギガオムライス定食など、ボリュームもたっぷりの約40品はどれも美味しそう!

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ご近所ファンも多いなか、ネギトロ定食を注文したこのお母さんも常連さんの1人。YOUたちとは言いたいことを言い合う仲だそう。

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ランチのピーク時は2人では手が足りないほど多忙だが、「お客さんが入ってくれるのが嬉しい」と笑顔で感謝するズンさん。ひと段落後も、休まず始めたのは店の前の掃除。しかも「周りのお店もキレイになってほしいから」と願い、違うお店の前までせっせと掃除する。

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そんな2人が定食屋を始めたのは、アルバイトがきっかけだった。

電子工学を学ぶために来日したズンさんは、大学生活の費用を稼ぐためアルバイトを探していた。たまたま巣鴨(東京都)で募集を見つけたのが、地元に愛される大行列の絶えない食堂。初めは豚汁が何かもわからないド素人だったが、食堂の皆さんが和食を基礎から教えてくれた。

一方、ダンさんは、母国の兵役を終えて来日後、近所の食堂でアルバイトを始めて、そこでズンさんと出会った。つらくて辞めたくなったが、優しい先輩・ズンさんと友情を育み、一緒に定食屋をやろうと夢を持つように。

こうして2人は7年間の修行を経て、2020年に念願の「さくら食堂」をオープンさせたのだった。

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そして夜も大繁盛のさくら食堂。落ち着いたころ、ロース生姜焼き定食を注文したお客さんを見ると...、なんとランチにも来ていたお母さん! 毎日2度来店されるそうで、我が家のように店のシートでくつろぐ写真も見せてくれた。なんてアットホーム!

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食事を終え、お母さんが店を出て5分後、店内に入ってきたのは...、またまたお母さん!? 本日3度目の来店の理由は、なんと家のカギを落としたらしい。YOUたちと一緒に、慌てて撮影スタッフも捜索を始めたのだが...。カギはお母さんのリュックから秒で発見され...(笑)。

ズンさんが、そんなお母さんにかけた言葉は、「ゆっくり座ってってよ」。そして、無料でドリンクをサービス! もう、お腹いっぱい胸いっぱいの人情食堂ではないか! そして「明日もごはん食べに来る、じゃあね~」と、元気にあいさつするお母さんを笑顔で見送った。

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閉店後、店主ズンさんのご自宅へうかがうと、同郷の妻・トゥーさんが出迎えてくれた。そして奥さんの出産のフォローをした従姉妹のハナさんも、ズンさんのかわいい赤ちゃんを抱いて登場。ズンさんは、じつは新米パパでもあったのだ!

遅い時間にもかかわらず、これからズンさんの夕食タイムということで、奥さん手作りのベトナム料理が用意されている。「温かい料理を作ってあげたいので」という想いから、帰宅時間に合わせて料理を作り始めるのが日課。

2人の出会いは、やっぱり前の食堂だ。夫がお店を出すと決意したときも、「前の食堂でもがんばっていた一生懸命な人だから、応援しようって」とついてきた。

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また別の日、この日はナンプラーを使ったベトナム角煮を調理するズンさん。あれ、和食じゃないの? じつはこのお弁当、ホテルで2週間自主隔離(新型コロナウイルス対策)しているベトナムからの技能実習生たちに、1日2回配達(1食500円)しているんだって。

店の利益は少ないけれど、「みんなが美味しい料理を食べられるように」、と温かい想いで弁当を詰める2人。

YOUの夢は、「お店1つじゃなくて、もっともっとお店出したい」(ダンさん)、「日本の定食を広めたいからベトナムで出店したい」(ズンさん)と、大きい。

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しかし数日後、緊急事態が発生!

スタッフがさくら食堂を訪れると、厨房にはダンさん1人。「ズンさんは?」と聞くと、なんと過労で入院してしまったというのだ。開店以来休みをほとんど取れずハードワークを続けたズンさんは、胃を悪くしてしまったらしい。

店を頼まれたダンさんが、「だからズンさんの分までがんばる」と、1人奮闘する姿を確認したところで密着は終了。ズンさん、早く治して、絶対に2人で夢を叶えてね!

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