1時間座り続けると余命が22分縮まる! “座りすぎ”のリスク

公開: 更新: テレ東プラス

あなたは、1日どのくらい座っていますか? テレワークや、外出自粛などで家にいる時間が多くなり、以前より座っている時間も増えた方もいるのでは? 実は、日本は世界の中で座っている時間が最も長い国。座りすぎは、身体にも心にも悪影響を及ぼすリスクがあるのです。この記事は、ぜひ立って読んでください!

さまざまな専門家がレギュラー出演中の生活情報番組「なないろ日和!」(毎週月~木 午前9時26分~放送中)。"座りすぎ問題"研究の第一人者である早稲田大学スポーツ科学学術院教授・岡 浩一朗さんに、座りすぎのリスクについて話をうかがいました。

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1日どのくらい座ってる?

2020年11月、WHO(世界保健機関)が10年ぶりに更新した新たなガイドライン「身体活動と座位行動のためのガイドライン」には、「座位行動は最小限にとどめて、低強度でも問題ないので身体活動を取り入れることを推奨」と記載されています。

私たちは1日どのくらい座っているのでしょうか? 起きている時間の中で、家事や運動など「身体活動」は1/3程度、残りの2/3は座って行う食事、スマホや本を見るなどの「座位行動」。想像以上に座っているのです。

デスクワークだけど、終業後や週末に身体を動かしているから大丈夫! ......と思った人ほど要注意! 1日の座り時間が長ければ、週末の運動だけでは帳消しになりません。

座りすぎの基準は?

世界20ヵ国で「1日に座っている時間」を調査したところ、日本はサウジアラビアと並び、「1日7時間」と最も長く座っている国に。また、岡教授らによるさらに精密な調査では、日本人は「平均8時間」座っているという結果が出ています。

「1日に座っている時間が8時間以上だと死亡リスクが高くなるという研究結果もあり、カナダでは『1日8時間以上座らないように』とガイドラインが出されています」(岡 浩一朗、以下同)

デスクワーク従事者が多い、家電の発達による便利な生活などの要因から"座りすぎ"の日本人。どんなリスクがあるのでしょうか?

nanairo_20210228_02.jpg画像素材:PIXTA

座りすぎによるリスク

座り過ぎによる死亡リスクについては、「1時間座り続けると余命が22分縮まるという研究データも発表されています」と岡教授。

「1日の座っている時間が4時間未満の人に比べ、4~8時間、8~11時間、11時間以上と長くなるに従って、WHOが推奨する身体活動量を満たしていても、死亡のリスクが11%ずつ高まるという研究結果もあります」

なぜ、座りすぎが身体に悪影響を与えるのでしょうか?

「身体の筋肉の70%は下肢に集中しています。座ることで下肢の筋肉が動かない、すなわち最も大きい太腿の筋肉、第2の心臓と言われ血液を心臓に戻すふくらはぎの筋肉、この2つの大きな筋肉の働きが悪くなってしまうため、血流や代謝機能が低下。その結果、高血圧や、血糖値が高くなることから糖尿病などの生活習慣病、肥満、骨粗鬆症などのリスクが高まります。さらに、座りすぎが子どもの認知の発達や、老年層の認知症に影響を及ぼすため、学力や認知機能の低下、メンタルヘルスにも悪影響を与える要因となります」

座りすぎによるリスクが分かったところで、次回は座りすぎの解決法をうかがいます。

取材協力:岡 浩一朗さん 早稲田大学スポーツ科学学術院 教授。"座りすぎ"による健康被害や対策を10年以上研究している第一人者。著書に『長生きしたければ座りすぎをやめなさい』『「座りすぎ」が寿命を縮める』。
オフィシャルHP

岡浩一朗教授も出演する「なないろ日和!」は、今後もあらゆる専門家が出演し、生活に役立つ情報をお届けしていきます。毎週月~木曜9時26分からのOAも要チェックです!

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