ホームレス殺しの”少年A” 実名と顔写真を晒され...少年法VSネット私刑の結末は!?:アノニマス

公開: 更新: テレ東プラス

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1ヵ月ほど前に三鷹市で起きたホームレスの男性が殺された事件で、加害者"少年A"の実名と顔写真がネットで晒された。少年が名門進学校の生徒だということも拡散の要因に。少年に対する罵詈雑言は義賊気取りの酷い中傷がほとんどで、事実とは異なるものも多かった。

「あいつら社会の底辺のクズなんだから。それを殺したからって何だって言うの!?」
罪の意識すらない少年と......

「あんなクズ晒して、何が悪いんですか」
同じく罪を感じていない晒し書き込みの犯人。

そして忘れてはいけないことがある。犯人は捕まっても、一度ネットに書かれた事=デジタルタトゥーは一生消えない――。

香取慎吾主演、SNSでの誹謗中傷をテーマにしたクライムサスペンス「アノニマス~警視庁"指殺人"対策室」(毎週月曜10時放送)。少年法で守られる悔いなき少年殺人犯と、実名や写真を晒すネットの怒りを取り上げた第3話。SNSでは、「命について考えさせられた。ホームレスも裕福な暮らしをしている人も、みんな1人の人間」「愛情と甘やかし。厳しさと心理的虐待。信じることと盲目になること。本当に難しい。親だって失敗するし、怖い。一番大切なことを伝えられているか、ずっと考え続けている」など、自分の問題として深く考える書き込みが多数。また、被害者の人生を語る万丞に「罪を自覚すらできない哀れな犯人に、それでも語る姿がとても胸に響きました」と感動の声が。

ここで第3話を振り返る。

第3話「17歳の殺人者」

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《事件概要》
【被害者】殺人犯の "少年A"こと片山蓮(青木柚
【相談者】蓮の父親 総合病院院長・片山遼太郎(戸田昌宏
殺人を犯した高校生の・蓮の個人情報がネットで晒された。父・遼太郎は、ネットに書かれた事は消せないが、何としても最初に情報を晒した犯人を捕まえてほしいと依頼する。

                   ◆

インターネット犯罪を扱う警視庁生活安全課「指殺人対策室」=通称・指対(ゆびたい)。メンバーは、事なかれ主義の室長の越谷真二郎(勝村政信)、新人刑事の碓氷咲良(関水渚)、デジタル担当の四宮純一(清水尋也)、情報収集のプロ菅沼凛々子(MEGUMI)、そして捜査一課から左遷されてきた万丞渉(香取慎吾)。

「息子がやったことは確かに許されないことです。しかし、未成年には守られる権利があるでしょ」

「三鷹市ホームレス殺し事件」の犯人"少年A"こと片山蓮の父・遼太郎の依頼により、指対メンバーは捜査を開始。晒された個人情報が詳細なため、書き込みの犯人は蓮に近い人物と見られた。しかし、両親によると、蓮に友達はなく、休みの日も誰にも会わず部屋にこもっていたという。

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最初の晒し書き込みは、蓮が通う高校のパソコンから発信されていた。学校での交友関係について担任の神保彰(川島潤哉)に尋ねると、蓮はクラスでも孤立していたという。

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また、同じ美術部の赤松悠真、蓮とケンカしていた隣のクラスの笹山遥斗、蓮に告白してフラれた新発田綾奈の話によると、蓮は自分の成績を鼻にかけており、「このテストで95点以上取れなかったヤツは猿でしょ」などクラスメイトを見下すような発言が多かった。

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万丞と碓氷は、蓮と面会。しかし、蓮はまったく反省も後悔もしていなかった。

「たかがホームレス一人殺しただけで」

罪の意識すらない蓮に、碓氷は言葉を失う。

「そんなヤツ、少年院から出て来てもまた絶対やるよ。そもそも少年法ってどうかと思うんだよね」

娘を持つ母親である凛々子は、もし自分の子が犠牲になったら......との思いから、蓮に厳しい意見を。殺人犯であっても未成年である以上、法律で守らねばならないと考える碓氷は、凛々子と対立する。しかし、碓氷も蓮に会って疑問が生じていた。

「今、私たちがやってることって、本当に正しいんでしょうか?」

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迷う碓氷。万丞に、蓮をどう思ったかと問いかけられた碓氷は「哀れに思いました」と答える。"人を傷付けてはいけない"そんな当たり前のことを、蓮は誰にも教わらなかった。彼は、孤独だった。そんな孤独が、この事件の遠因だったのかもしれない。

最初の晒し書き込みと似たような投稿が、学校から2駅離れたネットカフェで書き込まれていたことが分かる。書き込んだのは悠真だった。「なんか、バズったら楽しくなっちゃって......」

報告を受けた遼太郎は、悠真への同情を少しも見せず言い放つ。

「そいつも晒されればいいのに」

特定と晒し行為に対して反省のない少年たち。そんな後味の悪さを残しながらも、蓮の事件は収束に向かうかと思われた。

だがその矢先......

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事件の情報共有サイト「裏K察」に、蓮の父親である遼太郎の名前や病院名などを晒す、新たな書き込みが。例のネットカフェからの投稿だったが、悠真にはアリバイがあった。

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遼太郎が経営する病院には非難の電話が殺到し、怒った遼太郎が指対室に怒鳴り込んでくる。感情を露わにする夫の横で、妻・百合絵(紺野まひる)はうつむくだけだった。

百合絵は、遼太郎がいないところで、蓮のホームレスを見下すような言動は遼太郎の影響だと打ち明ける。遼太郎は、人生の勝ち組、負け組という考え方にこわだり、蓮も価値観を刷り込まれていたのだという。

他人事のような百合絵の態度に、凛々子の怒りがこみ上げる。

「親にそんな風に言われて、子供どうしたらいいんですか」

蓮は、病院の後継ぎとなるべく遼太郎に厳しくされてきた。蓮は校内で成績2位の優等生だったが、遼太郎は1位でなければ許さず、ことあるごとに蓮を殴った。

「努力できないヤツは負けるんだよ! 負けて負けてホームレスになるんだよ!」

事件の日も、蓮は遼太郎から激しい暴力を受けていた。家を出て公園でタバコを吸っていたところをホームレスに注意され、口論となり殺してしまったのだ。

新たな晒しが書き込まれた時間帯、ネットカフェの映像には帽子を被った同じ男が映っていた。凛々子の情報網により、男の帽子は人気バンドRMO(アールエムオー)のライブ限定グッズだと判明する。

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犯人は、RMOのライブに行ったと話していた遥斗の可能性が高まる。万丞は、所轄と協力してネットカフェ近辺の防犯カメラをすべて当たり、帽子の男を特定するべきだと主張。しかし、四宮は、自分たちの仕事は足ではなくデジタル技術を駆使しての捜査だと異論を唱える。

「犯人の手がかりが目の前に転がってるのに、何もしないで待つのが俺たち指対の仕事ですか!? 被害者のために犯人捕まえるのが、俺たち刑事の仕事だろ!?」

万丞の熱い訴えに、指対メンバーが応える。街を駆けまわり、430以上ある防犯カメラの映像を一つひとつ確認していくが、帽子の男はなかなか見つからない。そんな中、碓氷との電話で万丞は、あることに気付く。

「すぐに捜査範囲を変えるぞ。カメラの数は、15だ」

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捜査は急展開。ある人物に行き当たる。身勝手で歪んだ正義感を持った犯人とは!?

すべてが解明された後、罪の意識を理解できない少年に、万丞は厳しく、そして切々と語
りかける。その熱い言葉とは?

そして、もうひとつの事件に関しても動きが。万丞の元相棒・倉木セナ(シム・ウンギョン)は、重大な事件に巻き込まれ銃弾に倒れた。万丞に「アノニマス」の言葉とルアーを託して......。

「良いルアーですね」 謎の男(田中要次)が万丞に声をかけ、近付いてくる。男が手渡した一枚の紙には、あるメールアドレスが書かれていた――。

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次回2月15日(月)夜10時放送の「アノニマス~警視庁"指殺人"対策室」第4話は、不倫スキャンダルで炎上した元アイドルがマッチングアプリの闇に直面!

第4話
元アイドルの真壁澪(田中美里)が、夫の清二(小松和重)と共に「指殺人対策室」にやってくる。既婚男性とのW不倫を報じられてしまった澪。世間から反感を買い批判が殺到、同時に誹謗中傷を伴う芸能人叩きの標的となってしまう。不倫相手は何とマッチングアプリで出会った男だった。『裏K察』という闇サイトでは次々と情報が晒され、さらには、かつて澪へのストーカー行為で逮捕された男が出所して澪をつけ回し出す...。

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