このご時世にコンプライアンスぎりぎりを攻めまくる!? 芸人たちによる本気の悪ふざけお笑い番組「ゴッドタン」(毎週土曜深夜1時45分放送)が、番組初の生配信「ゴッドタン 腐り芸人オンラインセラピー~絶対にピー音が入らないオンラインライブ~」を2月11日(祝・木)20時より実施。
「腐り芸人セラピー」とは、板倉俊之(インパルス)、岩井勇気(ハライチ)、徳井健太(平成ノブシコブシ)の「腐り芸人三銃士」が、腐り予備軍の芸人の悩みにアドバイスする人気企画。これまで金田哲(はんにゃ)、流れ星、タイムマシーン3号、ザ・ギース、鬼越トマホーク、ニューヨークらが相談に訪れ、腐り三銃士の鋭すぎる指摘により傷つきながらも救われてきた。
オンラインライブには、番組MCのおぎやはぎ(小木博明、矢作兼)、劇団ひとり、「腐り芸人三銃士」の3人、松丸友紀(テレビ東京アナウンサー)が出演。板倉、岩井、徳井がここ1年で悔しかったこと発表する「腐り三銃士『悔しいな』選手権」、今アナウンサー界で一番腐っているとウワサ(!?)の松丸アナウンサーによる「腐り女性アナウンサーセラピー」など、生配信ならではの企画を"ピー音"なしでお届け。
いつもの収録ではカットされるキワドイ発言も全て生配信! 一体どんなオンラインライブになるのか!? おぎやはぎ、劇団ひとりの3名に話を聞いた。
実名も飛び出す危険なライブ! 3人は置きに行く!?
――番組初の生配信ライブ、タイトルにも"絶対にピー音が入らない"とありますが、どんなライブになりそうですか?
矢作兼「ヤバいですよ」
小木博明「"腐り三銃士"と一緒の画角に入りたくないよね。俺たちもそう思ってるみたいになっちゃうから」
劇団ひとり「そんな小木さんも怖いけどね」
小木「確かに、言っちゃう時あんのよ(笑)」
ひとり「本番前は、"絶対言わないでおこう"と思うけど、誰かが言い始めると、やっぱり"これ言いたい"ってなったりね」
矢作「口がスベっちゃうんだよね」
ひとり「"実名を出した方がアツい"みたいになっちゃってね」
小木「実名が出てきそうですね」
ひとり「それは本当に気をつけないと。悪いけど、俺は完全に置きに行くつもりだから(笑)」
矢作「実名とかは"腐り芸人三銃士"に任せておいた方がいいよ。俺たちは腐ってないし、そんなこと言う必要はないんだから」
ひとり「案外、松丸さんも怖いんだよなぁ。結構溜まってるからね」
小木「松丸も言うよ」
ひとり「我々の置きに行きっぷりを、ぜひ楽しみにしてください(笑)」
――楽しみにしております(笑)。これまでの「腐り芸人」企画の反響や、印象的に残ってことは?
ひとり「流れ星(2020年11月7日、14日放送)の回は、ドキュメンタリーでしたね。いろんな人から、"見たよ"って言われました」
小木「あそこまで、仲悪いって俺も知らなかったな」
ひとり「ちゅうえいってギャグのイメージが強いから、腐るのがあんなに面白いって知らなかった」
小木「普段は明るく、人を傷つけない笑いをやってるからね」
――あの企画でお互いに腐りを吐き出して以降、関係がよくなりそうにも見えましたね。
小木「いい方向にいくといいですけどね」
矢作「売れると仲良くなっていくもんなんですよね。あれから仕事が増えてたらいいけど、増えてないと、本当に仲悪くなっちゃうね」
岩井は"腐り風"になりつつある!?
――腐り三銃士については、それぞれの腐りっぷり、どう分析されますか?
小木「徳井くんは、結構ポジティブだし、腐ってはいないんだけど、新たな一面を見せていて、この企画で変わりましたよね」
――毎回、熱血アドバイスをされますよね。
小木「そうそう。そういうところが好きなんですよ」
ひとり「徳井は、"自分のことはさて置き感"がすごいですよね(笑)。そこまでわかってんだったらプレイヤーとしての自分に還元できそうだけど、"名選手、名監督にあらず"を体現しているというか」
小木「それで仕事が増えてるもんね」
ひとり「いつも適切なアドバイスをしているから、若手のネタ見せとかでも、徳井くんがいたら、ずいぶん芸人にとってプラスになるんじゃないかな?」
矢作「でも、俺たちもそうだったけど、若手からすると"お前売れてねえだろ"って思わない?(笑)。うちらはいいこと言ってるって思えるけど、若手からしたら"売れてないお前の言うこと聞けねえよ"って」
ひとり「毎回、発言の前に『俺はさて置き』って言わなきゃいけないね」
矢作「それ言ってくれたらいいね(笑)」
――徳井さんご自身も、「2人(板倉、岩井)は、まだ『お笑い界のスターになりたい』という灯が残っているけど、自分にはない。腐ってるんじゃなく諦めた」とおっしゃっていましたね。
矢作「でもスターになりたくて、もがいている方が面白いんだけどね。スターになるためには、やりたくないこともしなきゃいけないっていうね。腐り芸人は、そのジレンマと戦ってるんだよね」
――岩井さんはこの企画でキャラが際立ち、より一層注目されるようになりましたよね。
ひとり「そういう意味では、岩井が一番難しいポジションですよね。"岩井はすごい"っていうのが、結構一般的に浸透して来ているから。実際人気もあるし、そうなると腐る要素がなくなっちゃって、ここから腐り芸人としては大変なところでしょうね」
矢作「腐ってトガっているからこそ、自分の中で"普通のことをしちゃいけない"ってなるんだよね。確かに難しい」
ひとり「でもあいつは、割り切ってゴールデンではすごいしっかりやるからね。VTRを見ている時、誰よりもリアクションするんだから(笑)」
小木「誰よりも拍手して笑ってんの(笑)。ちゃんと"お笑い風"をやってるよね」
ひとり「岩井がちゃんと売れて評価された時に、売れてない芸人に対して毒を吐くというのが、(視聴者からは)ちょっとキツく見えちゃうんだよね」
矢作「そう、売れてないから毒吐けるんだよね。人気者だと言えなくなっちゃう」
ひとり「本当にその時が来たら、"腐り芸人"から岩井を外します。『お前はもう一流芸能人だ』って告げて、誇らしく旅立って欲しい」
矢作「自分が一番嫌いな"お笑い風"から、さらに"腐り風"になっちゃうからね」
小木「すでに"腐り風"になりつつあるんじゃない?」
矢作「充実してそう」
ひとり「この前、ハライチのラジオを聞いてたら、引っ越ししたって言ってたよ」
矢作「そうだ。『矢作さんの家の近くなんです。遊んでくださいよ』って言ってきたわ」
小木「腐ってないね(笑)」
――となると、真の意味で腐っているのは、板倉さんでしょうか?
矢作「確かに本物は板倉かもな」
小木「板倉の場合、うちらも長い間、腐っていくまでの過程を見て来たからね」
ひとり「しかも、天才と称されていた時期もあったから」
矢作「早くから本を書いたり、才能がまずあるでしょ。才能があるからこそ、腐るんだから。"あいつより俺の方ががんばっているし、能力も高いのに、なんでつまんねえ奴ばっかり売れて"って。徳井の場合は才能がないから、"なんで俺が"って思わない(笑)。そこがいいんだよね」
小木「絶妙なバランスだよね」
矢作「才能のある奴が、本当の腐り芸人なんだよな」
小木「岩井もそう。才能があって、言えることなんだよ。オードリーだって、春日(俊彰)が売れた頃、若林(正恭)は腐ってたと思うよ」
――岩井さんが"腐り風"になりつつあるとのことですが、新たな腐り芸人候補はいらっしゃいますか?
ひとり「はんにゃの金田は面白かったなあ。腐り芸人として、金田はいいんじゃないかな?」
小木「面白かった。かもめんたるのう大(岩崎う大)だったら、岩井のポジションいけると思うんだけど、最近だと大先生になっちゃったからなぁ」
矢作「性格が前向きで穏やかだからね。人力舎だと誰だろ......」
小木「ゆってぃ?」
矢作「性格がハッピーだから腐ってないだろ(笑)。才能のあるネガティブな人じゃないと」
ひとり「長井秀和さんじゃないかな」
おぎやはぎ「あーっ!」
ひとり「腐ってると思うよ。本当に天才なんだから」
矢作「レベルが違う腐り方だね。何言うか知りたい」
ひとり「ライブシーンで本当すごかったんですよ。舞台袖に芸人みんな集まって、『天才だ!天才だ!』って。長井さんから『売れるためにどうしよう』みたいな相談を受けたのを覚えてる。そこから『間違いない!』っていうフレーズで売れるっていう戦略が、見事にハマったからね」
小木「一気に売れて、ゴールデンとかもやってたもんなあ」
ひとり「長井さんの"腐り芸人"は見てみたいね」
おぎやはぎ、劇団ひとりの腐り経験は!?
――おぎやはぎさんはお2人とも性格的に腐りと無縁そうですし、劇団ひとりさんも若い頃から売れていらっしゃいますが、みなさんにも腐り経験はあったのですか?
小木「うちらは性格的に腐るとかないですね。劇団ひとりはあると思うけど。コンビ解散した時とかどうだった?」
ひとり「ピンになった時は、また新人に戻って、一緒にやってた芸人たちと別のライブに出始めなきゃいけなくなったからね。いわゆる1本ネタっていうのに同期が出ているとしたら、僕は登竜門コーナーみたいのに出るわけですよ。腐りましたね」
小木「コンビで1回売れたからね」
矢作「俺らも同じくらいの芸歴で、面白いと思わないコンビが売れているのを見て、"大きい事務所じゃないから、俺たち人力舎だからな"みたいなのはあったけどね」
小木「売れていく奴はどうせすぐ落ちるだろうとも思ってたよ。若い女の子にだけ人気があって、それだけで事務所からプッシュされたりしてるから」
矢作「そんな時期を5年とか過ごしたら、やっぱり腐るでしょうね」
――ひとりさんは、MCを務めていた「学べる!!ニュースショー!」(テレビ朝日系)が、後に池上彰さんとMC交代となった時は腐りませんでしたか?
ひとり「腐りましたね。初のゴールデンでのメインMCでしたからね。それがパネラーに追いやられて、池上さんに質問して『いい質問ですね』って言われて『褒められたぜ』って喜んでるんだよ。情けないよ」
一同爆笑!
矢作「番組が始まる時、記者発表でピンちゃん(劇団ひとり)が『こういう時、芸人なんで肩肘を張らずにがんばっていきたいって言えばいいんですが、肩肘を張ってがんばっていきたいと思います』って言ったの覚えてるよ」
ひとり「はぁ......そのボケさえ惨め。でも、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の"40歳過ぎてバイトやめられない芸人"に出ていた人たちの腐りと比べたら、僕らの腐りなんて"お前、テレビ出てんじゃねえかよ。お金もらってんだろう"ってなりますよ」
矢作「本当そう」
3人にとっての「ゴッドタン」とは!?
――2005年にスタートした「ゴッドタン」も放送700回!(2月20日(土)深夜1時45分に記念企画を放送) 「腐りカルタ」の回(2020年5月30日放送)では、ひとりさんが「いつ引退すんのかなあって思った時に、俺、『ゴッドタン』終わったら辞めようかなって思ってる」と発言されていたことも話題となりましたが、みなさんの番組に対する思いは?
ひとり「僕なんか、クイズとか情報番組ばっかりだから、こういうゴリゴリのお笑い番組って『ゴッドタン』しかないんですよ。『ゴッドタン』が終わったら、たまに特番呼ばれることはあっても、芸人としての仕事がほぼほぼなくなっちゃうと思うんですね。これが終わったら辞めたくなっちゃうんじゃないかなという気はしています。実際、生活とかあるから、多分辞めないんですけど」
矢作「僕も同じですよ。これ以外にお笑い番組ってないですね」
小木「"職業:お笑い芸人"って言えなくなっちゃう」
矢作「それに、"大爆笑したなあ"っていう現場がなかなかなくなっちゃう。自分からすごいふざけていい番組なんてないから」
小木「『ゴッドタン』があることで、他の番組に"芸人"として出られることが成立しているんだよね」
矢作「芸人でいるには、漫才をがんばるしかないんだけど、おじさんだからね(笑)」
小木「若手にはついていけない」
ひとり「なくなったら虚しくなっちゃうよね」
矢作「虚しいよ」
小木「まわりからの目も変わってきそうなほど大きな存在ですよ」
矢作「そういう仕事が何個もある人はいないんだろうから、一個あるだけで幸せなんだろうね」
――他の芸人さんにとっても「ゴッドタン」がなくなったら寂しいでしょうね。
小木「確かに、いつの間にか登竜門的なところがありますからね」
ひとり「最悪、この3人がいなくなっても、番組が残っていったら、うれしいな思いますけどね」
矢作「えっ、俺ら誰もいなくなっちゃうの?(笑)」
ひとり「視聴者が昔の『ゴッドタン』を知らなくても、続いていたらよくない?」
小木「それをうちらが見てるのもいいね」
ひとり「30年後、40年後に"これが初期メンバーの○○"みたいなのをやってたらステキじゃないかな」
矢作「『笑点』(日本テレビ系)はそうだね」
ひとり「確かにそうだ!」
小木「理想は、深夜の『笑点』だね。メンバーがどんどん変わっていっても、『ゴッドタン』が続けばいいね」
「ゴッドタン 腐り芸人オンラインセラピー~絶対にピー音が入らないオンラインライブ~」は、2月11日(祝・木)20時より生配信。アーカイブ期間は2月14日(日)23時59分まで。視聴券2,200円(税込)販売中。腐り三銃士のイラスト入りTシャツなどオフィシャルグッズも発売! 詳細&視聴券ご購入はこちら!
翌日2月12日(金)夜10時からは、「じっくり聞いタロウ!配信ライブ~テレビでは話せない裏じっくりラジオ」を生配信。番組MCの名倉潤(ネプチューン)、河本準一(次長課長)、週替わり女性MCの熊切あさ美、ほのか、今飛ぶ鳥を落とす勢いのかまいたちをゲストに迎え、オンラインイベントならではの特別編をお届け。アーカイブ配信は2月21日(日)23時59分まで。視聴料1500円(税込)。詳細&視聴券ご購入はこちら!
(取材・文/佐藤ろまん)