神木隆之介が最近癒された出来事とは? ふくまるの声を演じることに葛藤も:おじさまと猫

公開: 更新: テレ東プラス

ojineko_20210113_01.jpg
毎週水曜深夜0時58分からは、ドラマParavi「おじさまと猫」を放送! おじさまと猫の心温まる日々を描いた大人気コミックをドラマ化。妻に先立たれ、塞ぎ込んだ日々を送る世界的有名なピアニスト・神田冬樹(草刈正雄)は、ふと立ち寄ったペットショップで、売れ残っていたブサ猫・ふくまる(声・神木隆之介)と出会う。一目惚れした神田はふくまるを連れて帰り、一緒に生活を送るようになるが...。言葉は通じなくてもお互いのことを思いあう1人と1匹の愛情物語。

「テレ東プラス」では、ふくまるの声を演じている神木隆之介に直撃インタビュー。人形の声を演じることの難しさ、作品について、最近癒されたことなど、たくさんお話を伺いました。

ojineko_20210113_02.jpg

意識しているのは、最初はやさぐれた感じで、次第にかわいらしく柔らかさを帯びた声に変化させていくこと

――まずは、台本を読んだ時の感想から教えてください。

「ふくまるは、小さい頃、家族と離れ離れになってしまい、ペットショップでも孤独を味わっている猫。"自分は誰からも愛されないのか..."という孤独を抱いていた時、草刈正雄さん演じるパパさん(=神田冬樹)と出会います。寂しさで冷たくなってしまったふくまるの心を、パパさんや周りの人々の愛情が溶かしていきますが、描写をはじめ、セリフを含めて本当に心温まる物語になっていると感じました」

――神木さんは声のお仕事も多くご担当されていますが、今回、ふくまるの声を演じると聞いた時はいかがでしたか?

「『おじさまと猫』はアニメ版もあり、ふくまるの声を釘宮理恵さんが担当していらっしゃいます。釘宮さんは、我々アニメ好きからするとかわいい声の体現者で、最初は"そんな釘宮さんが演じるふくまるを僕がやるのか!"と不安でした。アニメのふくまるはすごくかわいくて、そもそも僕とは性別も違いますし、声のトーンが違いすぎる。僕が演じるからと言って男っぽくするのも何か違うなと。やはりふくまるは愛らしいキャラクターにしたかったんです。声が決まるまでは悩みましたし、工夫もしました。徐々に声を作っていった感じです。今回の仕事の難易度を10段階で表すとすれば、間違いなく10でした!」

――不安がなくなったきっかけはあったのでしょうか。

「草刈さんです。撮影が始まる直前に、読み合わせで僕も現場に行かせていただきました。初めて聞くふくまるの声なので不安でいっぱいで、"どう思われるんだろう"という気持ちを抱えながら第一声を発したら、セリフを言っている途中で草刈さんが『素晴らしい! かわいいよ。これはいいね!』と笑いながら褒めてくださったんです。ものすごくうれしくて...。草刈さんの最初のリアクションを見て、"僕がふくまるをやらせていただいていいんだ"と思えましたし、"この方向性で正しかったんだ"という確信が持てました」

ojineko_20210113_03.jpg
――ふくまるを演じる上で気をつけている点はありますか?

「意識しているのは、最初はちょっとやさぐれた感じで、次第にかわいらしく柔らかさを帯びた声に変化させていくことです。第1、2話では、飼ってもらってうれしいし、自分にも居場所ができたという喜びはありますが、新しい世界に行く不安と警戒心を持っているところを声で表現できればいいなと思いました。ふくまるには、自分の周りにあるものがいつ失われても仕方がない、どうせ失ってしまうんだろうとどこか諦めているようなところがあったのかなと。それがパパさんと出会い、世界を愛し始めて、やがては失いたくないと思うように変化していく...。声で的確に表現することは難しいと思いますが、パパさんとの会話のリズムやトーンなどで表現したいです。

難しいと感じているのは"にゃん語"というか"猫語"ですね。全部"にゃ"から始まるので、"~なのに?"というのが"~にゃにょに?"となるんですよ(笑)。至るところで、"にゃ"と"にょ"が入ってくるので切り替えは大変ですが、苦労しながらも楽しくやらせていただいています」

僕の"カリカリをせびる"甘い声にも注目してください!

――実際の猫ではなく人形を使った撮影ですが、最初にふくまるを見た時、どう思われましたか?

「動きにリアリティがあって、スゴイ!と思いました。本物の猫もいいと思いますが、ふくまるのことを深く表現するには、やはり表情がちゃんと変わる人形の方が向いている。何よりプロの方が動かしているので、動きが素晴らしいんですよ。僕のセリフや感情とリンクしているのですごくわかりやすいですし、"自分が飼っているペットもこう感じているのかな?"と思うような表情になっているので、絶対に面白いと思います」

――ふくまるはもちろんですが、草刈さんが演じる神田や彼を取り巻く周辺の人々など、愛らしいキャラクターが多い物語ですね。

「草刈さんはパパさんそのもので驚きました。こんなに"おじさま"という言葉が似合う方が他にいるのだろうかと(笑)。紳士的で上品、そして優しい方です。個人的に好きなキャラクターは、パパさんの幼なじみで升毅さんが演じる小林さん。ふくまる的には"小林!"と呼び捨てですが(笑)。幼なじみだけど、踏み入こまない方がいい部分は無理矢理入らず、"どうすれば神田のことを支えられるか"ということを考えている優しい人物。図々しくて厚かましいところもありますが、パパさんの一番の理解者でもあります。モノローグでも、"お前が笑顔になって笑えるようになったのは..."なんてパパさんについて1人語りしていたりして、そこがなんとも愛らしい。ふくまるに対しても、"神田が大事なものは俺にとっても大事なもの"という考えを持っているようで...小林は本当に素敵です!」

ojineko_20210113_04.jpg
――深い悲しみの中にいた神田がふくまると出会って癒されていく物語ですが、神木さんは、ご自身で動物を飼いたいと思いますか?

「僕の実家では犬を飼っていました。主に姉が世話をしていましたが、もちろんかわいいし癒されますよね。でも、お世話が本当に大変なんです。家族が出かけてしまうと寂しそうな顔をするし...。なので"神田のように動物を飼いたい"という憧れはありますが、今は一人暮らしなので、責任感からその気持ちにストッパーをかけています。代わりというわけではないですが、動物の動画をよく見て癒されています。最近特に好きなのはふくろう。YouTubeにふくろうの飼い主さんがアップしている動画があって、それを見ているとすごく懐いていてかわいいんですよ。しばらくは動画を見て、飼いたい気持ちを我慢します!」

――ちなみに、神木さんが最近癒された出来事は?

「姪が『体調崩してない?』と心配して連絡をくれたことです。"心配してくれているんだ、気にかけてくれているんだ"と思ってうれしくなりました。もう中学生になりましたが、僕も年下をどう扱ったらいいかわからず、今まであまり子ども扱いしてこなかったんです。なので姪からは"ちょっと口うるさいおじさん"と思われていて(笑)。でもそんな彼女が心配してくれたのがうれしかったですね。『サンキュー』と素っ気ないふりをして返信しましたが、心の中ではめちゃくちゃうれしかったです」

――最後に、作品の見どころと好きなシーンを教えてください。

「キュートでありながら感動もある家族の物語です。心温まっていただきたいです。ふくまるは第2話でパパさんのお家に行きますが、そこで初めてカリカリ(ドライフード)を食べるシーンが大好き。カリカリを美味しいと感じるのですが、彼は知っているんですよ、実はいつものカリカリと同じものだって。味ではなく愛情によって最高に美味しく感じるんだということも...。そんなふくまるがすごくかわいいし、"もっとくれ!"とせびる程よいあざとさも好き。動物っぽいなって(笑)。僕のカリカリをせびる甘い声にも注目してください!」

ojineko_20210113_05.jpg
(取材・文/玉置晴子)

1月13日(水)深夜0時58分放送! ドラマParavi「おじさまと猫」(毎週水曜深夜0時58分)気になる第2話は...。

ojineko_20210113_06.jpg
神田(草刈正雄)の家に初めてやってきた猫は、慣れない広い部屋への戸惑いと神田の家族に拒まれることを恐れ、キャリーケースから出られずにいた。そんな様子に、神田は自分一人しか住んでいないことを告げる。自分と同様、神田も孤独を感じていると知ったその猫は、寂しげな表情で話す神田にそっと擦り寄る...。

神田は、出会えたことが幸福だという理由から、その猫に"ふくまる"と名付けることにする。こうして、一人と一匹の温かな生活が始まる...!

現在第1話を「ネットもテレ東」で期間限定配信中です!

PICK UP