「良いも悪いも人生の全ての選択が正解だった。”好みの辛い方”を選んできたから」 “唐橋ガラパゴスルール”も話題の俳優・唐橋充インタビュー:サクセス荘3

公開: 更新: テレ東プラス

成功(サクセス)を夢見る若者たちの中に、新たなジェネレーションが加入! 人気の2.5次元俳優たちが集結、リハは1度だけ、本番一発勝負の人気シリーズ第3弾となる水ドラ25「テレビ演劇 サクセス荘3」(テレビ東京ほか 毎週水曜深夜1時28分放送)。

放送中の3期から「サクセス荘」の住人として新たに加わった唐橋充さんをインタビュー。俳優・イラストレーターとしての活躍に加え、奥様である女優・水野美紀さんとバラエティ番組に出演した際にはこだわりが強すぎる個性的な一面も話題となった唐橋さん。本作の見どころから気になる私生活まで、いろいろうかがいました。

success3_20210112_01.JPG

「任せたぞ」と言われているような気がしています

――舞台ともドラマとも違う"テレビ演劇"、参加が決まっての心境は?

「(監督の)川尻恵太さんとは、以前ご一緒したことがありまして。死ぬ間際に"なんていい方とご一緒できたんだ"と思い出すであろう方の一人なので、そのワールドに乗っかることができてうれしいです。川尻さんの現場に泥は塗れないと、身が引き締まる思いです」

――これまでの1期、2期はご覧になりましたか?

「僕が感じた『サクセス荘』の面白さは言葉にするのが難しくて。自身の、若かりし頃の楽しくかけがえのない時間を見ているような感じというか......。大きなテーマに取り組んでいる作品だと思いますね」

――夢を持った青年たちによる、いわば青春群像劇ですよね。20代のメンバーが多い中、人生の先輩である40代の唐橋さんが演じられる「百鬼(なぎり)」はどういったキャラクターですか?

「百鬼はテーマパークをやりたいという夢を持っています。サクセス荘のメンバーみんなに寄り添うようなキャラクターではないかと思っています。......が、(2020年11月の取材時には)収録が始まっていないので、まだ作りかねているところ。あまり作り込みすぎないようテキストだけ頭に入れて、セリフの言い方などは現場で決めようと思っています」

――演出の川尻さんからは、「今回こういう役割を期待しています!」というお話はありましたか?

「川尻さんからそういうお話をいただいたことは......今まで一度もありません!(笑) 私が2、3歳上なので気を遣っていらっしゃるのか、何も言ってくれないんですよ。仲良くなりたいよ〜。僕が一方的に偏執的な愛を持っているだけで、もしかしたら"気持ち悪いな"と思われてるかもしれないです(笑)。

でも、僕が勝手に思っているだけかもしれませんが、川尻さんには『任せたぞ』と言われているような気がするんですよ。何も言わなくても『任せたぞ!わかるよな?』というプレッシャーだと、私は勝手に解釈しております(笑)」

――視聴者としては唐橋さんがぶっ込んでくれるんじゃないかと期待しております(笑)

「めっそうもございません! このブランドを壊すつもりは毛頭ございません! でも狙っていなくてもそうなるかもしれないですね。忘れちゃうんだよな~、セリフ(笑)。"みんなすごいな、キラキラしてるな"と気を取られていたら、変な間が空いて『あ、俺のセリフだった!』みたいになりそうな気がしています。テレビと自分の間に人差し指を立てるとちょうど僕だけ隠れるので、そうやって見てください(笑)」

自分は"一般的ではない"と自覚を持つようにはしています

success3_20210112_02.JPG
――バラエティ番組などにご出演された際、唐橋さんのこだわりの強いキャラクターが話題となりました。「食べ物がジュース状になるまで噛み続ける」「タクシーを降りる直前にメーターが上がったら絶対払わない」など「唐橋ガラパゴスルール」という独自の変わったルールをお持ちだとおっしゃっていましたが......

「番組のアンケートで『ガラパゴスルールをできるだけ多く書いて欲しい』と言われ、ちょっとおもしろおかしく書いたら全部取り上げられてしまって(笑)。『面倒臭い人!』とレッテルを貼られ、Twitterにも精神科医の方から『あなたは問題があります』とリプライをいただきました。ただで診断してくれてありがとうございます!(笑)」

――言うほど変わり者じゃないぞ、と(笑)

「でも酔っ払っている人ほど『酔ってない』と豪語するので(笑)。自分は"一般的ではない"と自覚を持つようにはしています(笑)」

――ご自身の"一般的ではない"と思うところは?

「失礼のないように生きているつもりなので、自覚はないですよ。祖父母が校長先生と教頭先生で、祖父は衆議院議員にもなって、という厳しい家庭で育って、真っ当に生きてきたつもりなんですけど......みんな『変わってる』って言うんですよ(笑)。どこが変わってると思いますか?」

――食べ物をジュース状になるまで噛み続けるとか......

「噛むのは体にいいじゃないですか! そもそもはですね、思春期にお腹が空いてしょうがなかったことから始まったんです。学校後の塾で、女子たちの前でお腹がグーグー鳴るのが恥ずかしいから、なかなか消化しないようにカレーを噛まずに飲み込んでいったら塾でカレーを吐いちゃって。それ以降、お腹が鳴ってもいいから体のためにちゃんと噛んで食べよう、と」

――理由があってのことだったんですね(笑)。他にも、「アイスは1日3回食べる」というルールもあるとか?

「PCで作業しながら何か食べるとしたら、アイスやパンだと画面から目を離さずに食べられる、かつ高カロリーなのでいいんです。これはデザイナーあるあるだと思いますね。昔は『変わってるね』と言われることに、"周りと違うオレ"みたいな感じで酔っていた時期もありました。でもこの歳になると『大丈夫ですか!?』になっちゃう(笑)」

――それでも貫き通してほしいです。

「子供がイジメられちゃうから(笑)」

――お子さんができて変わったところはありますか?

「以前は子供が産まれるとやりたいけどできなくなることが増えるんじゃないかと考えていましたが、実際は何も変わらなかった。むしろ『この時間までにこれをやらなきゃ』と、より仕事に集中できるようになりました。今は、もっと頑張らないと、と思っています。子供が年頃になったときに、『うちの親父、何なの?』とならないように(笑)」

――では最後に、「サクセス荘」にちなんで、唐橋さんにとっての"サクセス"とは?

「自分の人生、今まで一度として間違った選択をしてないと思うんですよ。振り返ればありとあらゆる分岐点がありましたが、良いも悪いも全ての選択が正解だった。"好みの辛い方"の道を選びましょう、という自分のルールを外れないようにしてきたつもりです」

――では、若者にアドバイスするなら「楽はしちゃダメだ」と?

「"逃げる"というのもアリですから。辛すぎたら逃げてもいいと思う。ただ、『バイトを辞める時は一報入れたほうがいいよ』とは言いたい。それがサクセスへの道です(笑)」

様々な経験と確かな演技力を持つベテランでありながら、実に気さくに楽しいお話をしてくださった唐橋さん。ユーモラスで独特の存在感が、「サクセス荘」に新たな風を吹き込んでくれることでしょう。これまでになかったジェネレーションの参戦により、サクセス荘の住人たちはいったいどう変わっていくのか? 3期の展開にご期待ください。

【プロフィール】
唐橋充(からはし・みつる)
1977年5月30日生まれ。福島県出身。『仮面ライダー555』『侍戦隊シンケンジャー』など特撮モノや、『ドラゴン桜』(TBS系)、大河ドラマ『おんな城主 直虎』(NHK)などドラマや映画、舞台『刀剣乱舞 朧の志士たち』など幅広く活動。絵本「ナミダロイド」をはじめイラストレーターとしても活動。

(取材・文/高瀬純)

1月13日(水)深夜1時28分から放送の「テレビ演劇 サクセス荘3」は?

success3_20210112_03.jpg
第2回 「ビューティフルサクセス!」
都会の片隅にひっそりと佇む一軒のアパート「サクセス荘」。そこには、"ひと旗あげたい"と成功を夢みる若者たちが住んでいて、いつか必ず夢を叶えて巣立っていくという伝説があった...。住人たちにメイクの基本を教えているマカロン(立石俊樹)。そんな中、ユッキー(高木俊)は自分にあたりが強いマカロンにイライラし、二人は喧嘩をしてしまう。
翌日、お互いに嫌がらせを仕掛け合っているのを目撃してしまった住人たちは、二人が仲直りする方法を考えるが...。

PICK UP