妻に先立たれ、会社も倒産、精神的に追い詰められ...自殺の名所に向かう親子に起きた不思議な出来事:ゾクッとする怪感話

公開: 更新: テレ東プラス

別の何者かが乗り移る「憑依」と呼ばれる現象。あなたの目の前にいるその人の中身は、本当にその人自身なのだろうか......

zokutto_20200109_02.jpg
"Mr.都市伝説" 関暁夫がMCを務めるストーリーテリングバラエティ「Mr.都市伝説 関暁夫のゾクッとする怪感話」(毎週金曜深夜0時放送/BSテレ東)。巷でささやかれる都市伝説、人智を超えた超常現象、人間の悪意と狂気......様々なゾクッとする話を人気声優の朗読劇でお届け。

1月8日(金)の放送は、前回に引き続き福山潤(「コードギアス 反逆のルルーシュ」ルルーシュ役など)と、鈴木達央(「うたの☆プリンスさまっ♪」黒崎蘭丸役など)が登場。ゾクッとする怪感話を3本立てでお送りする。

自殺を食い止めた不思議な出来事

怪感話#9-1
「死の淵とコーヒーゼリー」

zokutto_20200109_03.jpg
深夜、家でビールを飲む父(福山)。ふと思い出すのは、一人息子のサトシ(鈴木)が3歳になったばかりの頃のこと......

18年前、父は会社を辞め、自分の会社を立ち上げた。だが、妻を病気で亡くし、会社も程なくして倒産。幼い息子の面倒を見ながらアルバイトで日銭を稼ぐ毎日が続き、精神的に限界を迎えていた。

ある日、サトシと車で家に帰る途中に、海沿いの展望台の看板が見えた。そこは有名な自殺の名所。父は引き寄せられるように、展望台のある崖に向かって車のハンドルを切った。

すると、それまで寝息を立てていたサトシが、急に大声で泣き始めたのだ。

zokutto_20200109_04.jpg
「おうちにかえるー!!」

どんなになだめても、とにかく家に帰ると泣き叫ぶ。コンビニに寄ってサトシの大好物のチョコレートを買っても、「いーらーない!!」とぐずるばかり。

「じゃあ......何が欲しいの」
「ゼリー......コーヒーゼリー!」

父は驚いた。3歳のサトシに、コーヒーゼリーなど食べさせたことがなかったからだ。

その後も一向に泣き止まず、父は諦めて展望台へ向かおうとした。しかし、なぜか車のエンジンがかからない。死ぬつもりだったのに、結局JAFの車で家に戻ってくる羽目に。

zokutto_20200109_05.jpg
家に着くなり、サトシはコーヒーゼリーを探し始める。父はそんなものないのにと思っていたが、コーヒーゼリーは確かにあった。妻の遺影の前に......。妻は生前コーヒーゼリーが大好きで、たまに買って置いていたのを、すっかり忘れていたのだ。

遺影の妻と目が合い、父は我に帰った。しっかりしなさい、そう妻に引き止められたような気がした。

不思議なことに、サトシはコーヒーゼリーのことを忘れてしまったようで、何度尋ねてもその夜のことは一切覚えていないという。

zokutto_20200109_06.jpg
サトシも今年で21歳。大学卒業後は自動車の整備士になりたいという。なぜ整備士なのかと父が問えば、「恩返しかな、あの時の」と。

「もしかして、車が動かなくなった時のことか!」
「あれ? 今、俺なんか言った?」

サトシの身体を通して誰かと会話をしているような感覚。まるで、サトシがコーヒーゼリーのことを忘れてしまった時のようだった。

父はあの一件以来、毎日妻の遺影の前にコーヒーゼリーを供えている......。

アスリートたちの運命的な巡り合わせ

常に自らの限界を突破し続けるアスリートたち。真剣勝負の世界には、およそ偶然という言葉では片付けられない、因縁めいた出来事が起こるものなのだ......。

怪感話#9-2
「世紀の凡ミスが生んだ奇跡」
語り:福山潤

zokutto_20200109_07.jpg
野球界最大のヒーロー、長嶋茂雄。その活躍は誰もが知るところだが、こんな信じられないミスも起こしていた。

1958年9月19日、広島戦にて、長嶋は28号ソロホームランを放った。だが、相手チームから一塁ベースを踏んでいないと抗議が入り、ホームランは取り消しに。本人も、「完全に僕の失敗、踏んだかどうか自信がなかった」と語っている。

のちに息子・一茂もプロ野球選手に。1993年4月23日、一茂は巨人に移籍後初となるホームランを放った。この一本には大きな意味がある。なんとセ・リーグが発足してから通算30000本目の記念ホームランとなったのだ。

zokutto_20200109_08.jpg
だが、もしもあの時、父・茂雄が一塁ベースを踏んでいたら......。ホームランの数は全て繰り上がり、一茂のホームランは30001本目となっていた。

これは、父のミスで消えた幻のホームランが、35年の時を超え、息子への大きなプレゼントへと変わった奇跡なのかもしれない。

怪感話#9-3
「霊長類最強女子を倒すのは?」
語り:鈴木達央

日本が世界に誇るレスリング選手、吉田沙保里。日本レスリング界の歴史を築き上げた吉田が最も影響を受けた選手が、無敵の女王と呼ばれた山本聖子だ。

zokutto_20200109_09.jpg
2人は2001年に全日本学生選手権の決勝で激突。吉田は敗れ、さらに同年の全日本選手権でも山本に敗戦。この敗戦をきっかけに、打倒山本に燃える、吉田の快進撃が始まる。

翌年の五輪選考会で山本を破った吉田は、日本代表に選出。敗れた山本は現役を引退し、渡米してコーチの道へ。2人の運命はここで大きく分かれることに。

吉田は個人戦で一度も負けることなく五輪3連覇、世界選手権13連覇という大記録を樹立。霊長類最強と呼ばれ、国民栄誉賞も受賞。誰も吉田の敗れる姿を想像することはできなかった。

zokutto_20200109_10.jpg
しかし2016年リオ五輪で、アメリカ代表のマルーリスに決勝で敗戦。個人戦記録も、ついに206連勝でストップした。

このマルーリスがかつて指導を受けていたコーチこそ、吉田のライバル、山本聖子なのである......。

zokutto_20200109_11.jpg
関、福山、鈴木によるスタジオトークでは、子供の役についての話題に。今回3歳の役を演じた鈴木は、デフォルメしすぎないようにこだわっていたとか。福山は、さすがに3歳は難しいが、小学校5、6年生くらいの役は今でも演じることがあるそう。

zokutto_20200109_12.jpg
ここで関が、「声優さんて、モノマネって得意なんですか?」と質問。福山によれば、人によりけりだが「僕、破滅的にモノマネが似ないんですよ」と。すると関は福山に、長嶋一茂のモノマネを無茶振り! エンディングで披露し、笑いを誘っていた。

この放送は、「ネットもテレ東」で期間限定配信中!

次回1月15日(金)の放送は、細谷佳正伊瀬茉莉也が登場。声優界屈指の都市伝説マニアだという細谷は、神と崇める関との対面に大興奮で質問攻めに......。もちろんゾクッとする怪感話もお届け!

PICK UP