コロナ禍でプラスチックゴミが急増...全国初「レジ袋禁止条例」施行までの600日に密着!:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)。1月5日(火)の放送では、「レジ袋有料化」よりさらに厳しい「レジ袋禁止条例」が施行された町の取り組みに密着。これまでの常識が変わるかもしれない、新たな"エコサービス"も紹介する。

全国初「レジ袋禁止条例」に挑む行政の奮闘

2020年7月から全国で始まったプラスチック製レジ袋の有料化。マイバッグを持参する人が増えるなど、人々の生活スタイルに定着しつつある。そんな中、有料化よりさらに厳しい「レジ袋禁止」を打ち出した自治体がある。京都府亀岡市では、2021年1月1日から「レジ袋提供禁止条例」が施行された。違反した場合、指導勧告の上、改善がみられなければ事業者名の公表など厳しい措置がとられる。

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日本初の条例案が打ち出されたのは2年前。市内を流れる保津川に捨てられたレジ袋が淀川に流れ、最後は大阪湾へ。海底には300万枚ものレジ袋が沈んでいるとも言われ、生態系への影響が懸念されてきた。プラスチックゴミの汚染から環境を守る狙いで、日本初の「レジ袋禁止」に動き出した亀岡市だが、施行に至るまでには幾多もの障壁が待ち受けていた。

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住民への説明という重要な任務を託されたのは、環境政策課課長・山内剛さん。山内さんは小売店に説明して回り、市内28カ所すべての自治会で説明会を開いた。店や住民に怒られながらも粘り強く理解を求めた甲斐があり、市民のアンケートでは7割が賛成するまでに。ところが、売り上げに影響が出ると死活問題となる小売店や商店街連盟からは「商業者、小売店、零細業者をいじめているのか」と根強い反対の声が。議員からも厳しい意見が出るなど、条例の採決が2ヵ月後に迫っても調整は難航を極めた。

2020年3月24日、「レジ袋禁止条例」の採決は全国からも大きな注目を集めた。山内さんも別室で見守る中、結果は24人全員が賛成。この瞬間、全国初の「レジ袋禁止」が決定した。施行日は2021年1月1日からとなったが、この間に世界を取り巻く状況が一変。新型コロナウイルスの影響で、人々の生活スタイルが激変してしまったのだ。テイクアウトやデリバリーが急増し、プラスチックゴミが異常に増える事態に。

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山内さんは、事業者の経済活動や生活を考え、葛藤しながらも次なる一手に動き出す。行政と事業者が一丸となった「脱プラスチック」の行方は?

暮らしが変わる? アメリカ発"新エコサービス"が登場

「脱プラスチック」につながる新たなサービスが登場しようとしている。この日、ある家庭に届いたのは大きな箱。流行りのデリバリーサービスかと思いきや、中身は可愛らしいガラスやステンレス容器に入った調味料や洗剤など。実はこれ、アメリカ生まれの宅配サービス「ループ」の商品。空になった容器は回収し、きれいに洗って中身を入れ、再びお客のもとに届ける。これを繰り返すことで使い捨てをやめ、ゴミを減らすことができるのだ。

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1年以上前から日本進出の準備を進めてきた「ループ」には、強力な味方がいた。家庭やオフィスから出るプラスチックごみの削減を目指す東京都が「ループ」の事業に賛同。3月のサービス開始時には、食料品から日用品まで大手メーカー22社の参加が決定するなど、今、大きな広がりを見せている。

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「ループ」の日本の責任者であるエリック・カワバタさんは、サービス開始を前に参加企業との打ち合わせに奔走する。「ロッテ」は、看板商品「キシリトールガム」を「ループ」で販売予定。「ループ」の売りである優れたリユース容器のデザインにメーカー側の希望である使いやすさを加味し、理想の容器を追求していく。

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また「イオン」も、都内17店舗に「ループ」のコーナーを設置し、3月からの取り扱いを予定している。果たしてお客の反応は?

"脱プラスチック"に挑む企業や行政の姿を追う「ガイアの夜明け」は今晩10時から放送。どうぞお見逃しなく!

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