全国から”絶品グルメ”が続々誕生!密着・コロナに負けない生産者たちの”グランプリ”

公開: 更新: テレ東プラス

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)。12月22日(火)の放送では、全国1000以上の生産者が絶品を生み出して競うグランプリに密着。コロナの今、これまでにない手法で生き抜く生産者たちの姿に迫る。

コロナを逆手に...コラボと新手法で絶品を生み出せ!

毎年1度開催される「にっぽんの宝物」グランプリ。全国の1000を超える生産者たちが、異業種とコラボして絶品を生み出し、地方大会を戦い、全国大会でグランプリを競い合うイベントだ。しかし、今年はコロナ禍で開催が遅れ、予定の半年遅れで地方のセミナーが始まった。主催者の羽根拓也さんは、「コロナを逆手に取ったコラボを突き進むしかない」と話す。10月。千葉市で開かれたセミナーには、農家や加工業者など20人以上が参加した。それだけではない。羽根さんは、コロナ禍で一般的となったオンラインを駆使し、関東1都4県(東京、千葉、神奈川、埼玉、茨城)の会場を結んだのだ。すべて合わせると100人以上が参加。これなら一カ所に集まることなく、しかもコラボ相手の可能性が広がるという狙いだ。大会の名は「圏央道の宝物グランプリ」。この5地域は圏央道という高速道路でつながれている。いざコラボが決まれば車で行き来しやすい地域なのだ。全国大会出場を賭けた「圏央道の宝物グランプリ」は12月3日開催に決まった。

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そんな「圏央道の宝物グランプリ」にチャンスを賭ける農家がいた。埼玉・深谷市の野菜農家・持田直光さんが丹精込めて育てているのは、地中海沿岸が原産の西洋ネギ「リーキ」。日本のネギより大きく、根も太い。

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持田さんは2年前からリーキ作りに取り組み、地元の道の駅やホテルなどに出荷してきた。しかし、知名度はまだ低い。「リーキが『宝物』として注目を浴びることができたら...」と、同グランプリへの参加を決めた。

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1都4県をつないだオンラインセミナーで、埼玉会場から持田さんがリーキの魅力をアピールすると、千葉会場ではレストランを経営する山友浩司さんが、さらに、多摩会場にいる果物農家・川島幹雄さんも興味を示した。オンラインを通じて東京・千葉・埼玉のコラボが実現した瞬間だった。

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11月。山友さんが経営する千葉のレストランに向かう持田さんの手には、大きなリーキが。炭火焼きやチーズ焼きなど、調理した試作が次々とテーブルに並ぶ。「"蝶よ花よ"と育てたリーキが皇室に嫁ぐような感じ」と持田さんも嬉しそう。

11月下旬。持田さんは再び千葉のレストランを訪れ、グランプリに出品するメニューの最終調整に入る。東京・稲城市から果物農家の川島さんも参加。熱を加えると甘くなるリーキに一度火を通し、豚肉で巻き、鉄板で一気に焼き上げる。川島さんが栽培するアメリカ原産のキイチゴ「ボイセンベリー」は、赤ワインとニンニクを合わせ、鍋でじっくり煮込んでソースに。最後にリーキの肉巻きにかけていく。調理を見ていた川島さんは、「自分たちの食材がこんなになるとは...感動です」とつぶやく。

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「圏央道の宝物グランプリ」当日。東京・中央区の会場には、関東1都4県から、16チームが集まった。各部門の1位と2位が全国大会に進出するが、ライバルも強者揃い。「リーキの肉巻き ボイセンベリーソース添え」は、晴れて全国大会に進むことができるのか。

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グランプリ優勝後、好調から暗転...「危機的状況」に

一方、「にっぽんの宝物コラボグランプリ」でかつてグランプリを受賞した事業者は、いまどうなっているのか。2年前に「ミルコロ エイジングヨーグルト」で優勝した熊本・合志市の牧場「オオヤブデイリーファーム」は、ある事情から経営が追い込まれていた。

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グランプリ獲得後、ヨーグルトの売り上げは大幅に伸び、2019年は約1億5000万円に達したが...。経営者で酪農家の大薮裕介さん、妻・沙紀さんとスタジオをリモートでつなぎ、大藪さんがいまの経営事情を説明する。「巣ごもり消費のおかげで通販が過去最高に伸びていた。しかし、通販会社がコロナの影響で倒産してしまった。売掛金が入ってこない」──。約2000万円の損害となり、黒字倒産のおそれもあったという。

そこで沙紀さんが考えたのがSNSでの呼びかけ。牧場が危機的状況にあると発信し、不特定多数に購買を呼びかけたところ、これが功を奏した。1万2000〜1万3000人が応じ、約16万個の注文が入ったという。「この時代だからこそ、ネットでお客さまとつながることができる。可能性を感じた」と沙紀さん。

大薮さんも、ネットを通じた全国とのつながりに思うところがあったという。「我が家のミルクとヨーグルト発酵技術を使わないと作れない新商品を開発している」と、大藪さんは意気込みを語る。

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7月。大藪さんは牧場で自慢のヨーグルトと水あめを煮詰め、スイーツのような味わいに仕上げた新商品の試食会を開いた。パソコンの画面越しには多くの人々の顔が。彼らはかつて「にっぽんの宝物」グランプリを経験した人たち。大薮さんの商品開発に力を貸そうと全国から集まったのだ。

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参加者は事前に送られてきた新商品を試食。洋菓子店の経営者は「食感が軽い気がする。ぎゅっとした食感の方が、違いが出やすいのでは」、菓子メーカーの社長は「ヨーグルトかスイーツかわかりにくいところに落ち込んでいる」と感想を伝える。飛び交う意見を真剣なまなざしで聞く大薮さんは、「本気で言ってくれてありがたい」と話し、沙紀さんも「コロナだからできたこと」と前向きだ。大藪さん夫妻は、これらの意見をもとに商品を一から作り直すが、これが驚きの味を生み出すことになる。

新型コロナに負けない、たくましい生産者たち。新たなステージで前に進む苦労と喜びを、今晩10時からの「ガイアの夜明け」で放送。どうぞお見逃しなく!

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