アレの秘密を探ると消される...菌の保管場所はトップシークレット...超人気商品にまつわる都市伝説：ゾクッとする怪感話

世界には、科学では証明できない現象が起こる不思議な場所がある。人智を超えたエネルギーが、そこには確かに存在するのだ......

"Mr.都市伝説" 関暁夫がMCを務めるストーリーテリングバラエティ「Mr.都市伝説関暁夫のゾクッとする怪感話」（毎週金曜深夜0時放送／ＢＳテレ東）。巷でささやかれる都市伝説、人智を超えた超常現象、人間の悪意と狂気......様々なゾクッとする話を人気声優の朗読劇でお届け。

今回は、櫻井孝宏（「おそ松さん」松野おそ松役など）と、佐倉綾音（「僕のヒーローアカデミア」麗日お茶子役など）が再登場した12月11日（金）の放送を振り返る。

魔の海域でタイムスリップ

怪感話#7-1
「時空を翔けた飛行機」

1950年代のアメリカ。母（佐倉）は、息子（櫻井）の帰りを待っていた。息子は幼い頃から飛行機に魅せられ、休みのたびにご自慢の飛行機パイパーチェロキーに乗って、一人どこかに空に旅立っていく――いわゆる"単独飛行"を楽しんでいる。

帰宅した息子は、すでに来週の飛行の予定を立てていた。フロリダからプエルトリコまで、ひたすら海を渡る1000マイルの飛行ルート......そこは"魔の海域"と呼ばれる危険地帯だった。

母の心配をよそに、9月8日、息子は赤と白のラインが眩しいパイパーチェロキーに乗って出かけていった。ところが単独飛行から帰って来た息子は、明らかにいつもと違っていた。

異変を指摘した母親に息子が差し出した写真は、いつもの景色や空ではなく自分の飛行機を撮ったもの。よく見ると翼にえぐられた傷がある。空中で飛行機と正面衝突しそうになったというのだ。

「あと1秒遅かったら、きっと今頃、海の中だよ......」

お互い間一髪で大惨事を免れたものの、相手の飛行機が気になっていた。翼が二段になっている旧式の飛行機、いわゆる複葉機。40年前ならまだしも、今も飛んでいることに驚いたという。

この一件以来、息子が飛行機の話をすることはなくなり塞ぎ込んでしまった。それから1ヶ月、母はあるチラシを目にする。古い飛行機を修理して飛ばすイベントの、パイロットの募集だ。

母親が応募を勧めると、初めは渋っていた息子だったが、まずは飛ばす予定の飛行機を見せてもらうことに。倉庫の中に40年以上放置された飛行機を見た息子は、言葉を失った。そこにあったのは二段の翼を持つ飛行機......

「ニューポール28......あの時すれ違った飛行機と同じやつだ！」

しかも翼には深くえぐられた傷があり、赤と白のペンキがついている。この時代に、こんな色をした飛行機はない。

「もしも、僕がタイムスリップしていたとしたら......」

「魔の三角海域を飛んでいたんだ、ありえない話じゃない」

息子は、飛行機から航空日誌を探し出した。そこには、こんな記述が......

「9月8日。見たこともない一枚の翼で飛ぶ飛行機とすれ違い、接触事故を起こした」

信じられないことに、息子は時空を超えて飛んでいたのだ。40年も昔の、広い空を......

超人気商品の知ってはいけない秘密

怪感話#7-2
「触れてはいけないアレの秘密」

大きな夢を抱いて社会人になったあなた。もしも、会社の知ってはいけない秘密を知ってしまったとしたら......その時、あなたはどうする？

某有名企業の仕事終わり。入社3年目の三崎カンナ（佐倉）は、憧れの先輩・長谷川（櫻井）と飲みに来ていた。長谷川と杯を重ねるうちに、すっかり出来上がってしまった三崎は、会社のある商品のウワサについて話だす。

自社の超人気商品"アレ"には、特別な菌が入っていて、その菌のおかげで一度摂取してしまうと病みつきになってしまうと言われている。菌がなくなると商品が二度と作れないため、菌が保管してある場所はトップシークレット。以前、社員に紛れて菌の秘密を調べようとした記者が、消されてしまったというのだ。

ウワサに興味を持った三崎は秘密を調べたいと言い出すが、長谷川にやんわりと止められる。代わりに長谷川が明日専務と会った時に真相を聞いてくれるという。

翌日、三崎は長谷川に電話をかけるが、全く繋がらない。次の日出社すると、長谷川が急にベトナム支社に異動になったという。

三崎の周りにも不審な出来事が起こり始める。会社の入館証が突然使えなくなり、出かける時に消したはずの電気が家に帰るとついていたり、帰り道で黒塗りの車に追い回されたり、駅のホームで突き飛ばされたり......

そして毎日、非通知で無言電話がかかってくるようになり、三崎の精神はどんどんすり減っていった。

「ごめんなさい、もう二度とアレの秘密を知りたいなんて思いません！お願いします！私の日常を返してください！お願いします......先輩を、返してください......」

そこに、また非通知で着信が。相手は長谷川だった。長谷川は急きょベトナムに行かされ、現地で電話を替えたため繋がらなかったのだという。

「先輩は消されたんじゃなかった」

長谷川は、言えずじまいだった噂の真相も伝えようとするが、ここで真相を聞いたら、また怖いことになるかも......そう思った三崎は、もう興味がなくなったと断り通話を切った。

一方、長谷川は、電話で何者かに報告を。

「予定通り、CPの情報を調べることに関して恐怖心を植え付けることができたので、とりあえずは大丈夫かと。もしまた調べようとし始めた場合は......はい、仕方ありません。私の手で」

ここまでして秘密を守ろうとする、超人気商品"アレ"とは......

「第一に守るべきは、カルピスの秘密でございます」

関、櫻井、佐倉によるスタジオトークでは、"アレ"の秘密についての話題に。今回、思い切って番組スタッフがアサヒ飲料に「カルピス」について確認したところ、「カルピスの秘密を知ると消されるというのは都市伝説ですが、カルピスの秘密に関して社員はほぼ知らないというのは事実です」とのこと。カルピス菌がなくなると、二度と商品を作ることができなくなることも事実で、カルピス菌は緊急事態に備えて秘密の場所で厳重に保管され、その場所はごく限られた人間しか知らないという......。