著者・松本千秋が語る”マッチングアプリのリアルと5つの掟”「落ちこんだり泣いたりしたことはもちろんありました」:38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記

公開: 更新: テレ東プラス

毎週水曜深夜0時58分に放送しているドラマパラビ「38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記」。同作は2019年に開催されたテレビ東京、note、幻冬舎による「コミックエッセイ大賞」の入賞作品で、今年10月に書籍化(著:松本千秋)。同コンテストの入賞作品をドラマ化した初めての作品だ。

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友人の勧めで、好奇心からマッチングアプリを始めた38歳の主人公・松本チアキ(山口紗弥加)。恐る恐る覗いたアプリの中には年齢差なんて気にしない年下のイケメン男子が大量にいた! チアキはびっくりするくらいモテまくるが、体の関係だけが目的のいわゆる「ヤリモク」男たちもたくさん出現。早くに結婚してしまい男性経験があまりないチアキは、戸惑いながらも、遅咲きの青春を謳歌し、いつの間にかその世界にどっぷりハマってしまう...。彼女が出会ったのは自分の世代とはあまりにギャップが大きい「イマドキの恋愛観」、そして「アラフォー女性ならではの悩みと孤独」だった...。

「テレ東プラス」では、自身の体験を綴った著者・松本千秋さんをインタビュー! 後編では、"マッチングアプリのリアル"と、"松本流・イケメンと出会う5つの掟"をお届けする。※前編はコチラ!

『38歳が大学生と...イタい、キモい』ってめちゃくちゃ言われ続けていましたが、"映像化したら絶対に違和感ないはず!"と思っていました

――ドラマを観て、「せっかくアプリを利用するなら、イケメンに出会いたい!!」と思う人も多いのではないでしょうか。どうすればイケメンと出会える可能性が増すのか...ぜひ教えてください!

「アプリの種類などありますし、これはあくまで私が出会ったイケメンくんは...ということで。アプリに登録している誰もがそうではないことを前提にお話しさせていただきますね」

【超絶イケメンと出会えるかも? "松本流5つの掟"】

その1:肌にフィルターがかかりすぎている人は注意
「肌にフィルターがかかりすぎている人は、肌以外にもいろいろと修正している可能性があります。私は以前、映像系の仕事をしていたことがあるので、写真の加工具合を見分ける力は普通の方よりある方かもしれません」

その2:正面から撮った写真を載せている人を選ぶ
「第1話で登場した1人目の大学生くんは写真の加工はしていませんでしたが、ドラマと同じで横顔を斜め上から撮った写真で、実物はやっぱり違いましたね(笑)。その時、確実にときめく相手じゃないとテンションが上がらないと気づいたので、顔が正面から写っている人にしようと思いました。なので私の場合、だいたい期待通りの方と出会うことができます」

その3:自分の写真を載せていない人は疑う
「空や緑など風景写真がアイコンの人は論外ですね。まずやる気がない(笑)。『立場上、顔は見せられませんが、マッチしたらすぐに写真を送ります』と書いてある人も怪しいかな?」

その4:プロフィールに身長と年齢しか書いてない人を選ぶ
「モデルや芸能人と出会いたかったら、プロフィールがほとんどない人を選ぶと本物の可能性があります。めちゃくちゃカッコいい写真なのに『初めまして...』から始まるプロフィールで、『仲良くしていただけるとうれしいです』『ごはんを一緒に行ってくれる人がいたらうれしいです』などものすごく丁寧なことが書いてあると本人じゃない可能性があります。身長と年齢しか書いていないイケメンの写真だと、"本体"が来る確率が高いかもしれません」

その5:自分のプロフィールに「ヤリモクNG」と書かない
「4で触れたように、私のプロフィール欄も"38歳・自営業"のみでした。"このアプリで○○がしたいです"とかは一切書きません。そうすると男性側も、"この女性はデートだけが目的なのかもしれない"と読めるんです。"ヤリモクNG"と書いている女性は多いんですけど、ファッションモデルたちは"頑なな女性を頑張って口説く"という作業を面倒に思っている人が多いと思うので避けられてしまうかも」

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――「アプリを使っているけど、私そんなに軽くないです」というアピールは超絶プロイケメンに会いたいんだとしたら不要ということですね。婚活したり、真剣恋愛をする相手を探すアプリではないと。

「もちろんアプリの種類によりますけどね。でも、ドラマにも出てくるガチモデルの男性は、『日本でこのアプリを使うと、女の子たちが途中から本気で付き合いたがってきて面倒くさい。海外なら、ワンナイトや今晩一緒にパブで飲むだけと割り切って出会うことができるのに...』と言っていました」

――数々のイケメンと出会ってきた中で、特に印象に残っている方は?

「衝撃的な出会いは、先ほどから話に出てくるパリコレモデルの3人目くんです。アプリを初めて3日目に『お互いの中間地点の駅で待ち合わせてランチしない?』となり、4時間ぐらい彼のプライベートな時間を貸し切り状態で会話を楽しんで、側に居てくれたというのが本当に衝撃的でした。

――女性ならではの葛藤やもがきも描かれていて、そこに救われている人もいるのではないでしょうか。

「もしも救っていると言っていただけるのだとしたら、このアプリを使っていて同じことで悩んだ経験のある人限定かな(笑)。私自身もまだ「ちゃんと相手と向き合って恋愛をする」ということに関しては絶望の淵にいるので、その先に何があるかわかりません。いまだ答えを見つけられずに漂って迷っている状況なので、悩んでいる人がいたら、もがきを共有して一緒に行きつく先を探しましょうという感じでしょうか」

――ドラマを観るとイマドキの恋愛事情に驚かされますが、かつての少女漫画のようなピュアな恋愛はもう難しいのでしょうか。最近の恋愛事情を、松本さんはどう捉えていらっしゃいますか。

「学生時代ならピュアな恋愛はあると思いますが、恋愛していざ結婚となると、あらゆる状況を冷静に見てしまうと思うんです。だからこそ、男女ともに純粋な恋愛が難しくなっちゃうのかなと。ただこれは"最近の若い子は..."というより、昔から普遍的で変わっていないと思っています。時代が変わっても女性の年収はさほど増えませんし、結婚することで生活を安定させようという気持ちの人は今も変わらず多い。私がこんなに自由に生きていられるのは、お金や将来のことであまり悩まない性格だったから。もしもそこに不安を感じていたら、愛される必要性を感じて必死に婚活していると思います。"今後そうした男女の関係性は変わるのかな..."と期待はしますが、"やっぱりなかなか変わらないよな"と静観しています」

――「純粋な恋愛をしたい!」という気持ちはまだありますか?

「あわよくば(笑)。"本気の相手に出会える場所に行かなくちゃ!"という気持ちはないですけど、あわよくば...という漠然とした思いはあります」

――最後に視聴者にメッセージをお願いします。

「連載中は、『38歳が大学生と...イタい、キモい』とめちゃくちゃ言われ続けていましたが、"映像化したら絶対に違和感ないはず!"と思っていました。今回ドラマを観て、『ほら、違和感ないじゃない』と思ったので、私が一番訴えたかったところはビジュアル的に叶いました。私もイチ視聴者としてドラマを楽しみにしているので、皆さんもぜひ一緒に楽しんでください!」

――松本さんの穏やかな口調とすべてを包み込むような柔らかな物腰に、出会った男性たちがみな心地よさを感じ、心を開いてしまうのがよくわかりました。ドラマパラビ「38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記」は、明日深夜0時58分放送! どうぞお楽しみに!

【松本千秋 プロフィール】
1980年生まれ。東京都出身。映像制作→映像編集→専業主婦→銀座ホステス→イラスト業→漫画家(今ココ)。初著書は「トーキョーカモフラージュアワー」(少年画報社)。10月に漫画「38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記』(幻冬舎)が発売された。ご購入はコチラ

note
Twitter @imakarahima

(取材・文/船桂子)

明日深夜0時58分放送! ドラマパラビ「38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記」第4話は...。

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すっかりマッチングアプリにハマってしまったチアキ(山口紗弥加)はアプリで出会った男たちと"一晩だけの恋人"としてデートを繰り返していた。ある日、地方に引っ越したはずの親友リカ(町田マリー)が東京に現れた。遅咲きの青春を謳歌するチアキとは対照的にリカは結婚への焦りと男運の悪さのせいで下がりきった自己肯定感からどん底に落ちていた。そんなリカの姿を見て、チアキは将来に漠然とした不安を感じながらもマッチングアプリでしか感じることのできないトキメキを手放せずにいて...。

どうぞお楽しみに!

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