デザートも好調の「丸大食品」が”神戸プリン”の「トーラク」を買収。「トーラク」側の気になる本音:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)。12月8日(火)の放送では、M&A(企業合併・買収)による現場の変化を取材。買収された側の声や、立て直しに意気込む経営者の姿を追う。

買収による変革 現場の反応は...

新型コロナウイルスに関連する倒産は、12月4日現在、767件にも上る。寿司チェーン「寿し常」を運営していた企業「豊田」もそのひとつ。「寿し常」は、創業70年、都内を中心に37店舗を展開していたが、新型コロナの影響などで客が減り、事業停止に追い込まれた。

この老舗寿司店を買い取ったのが、ふぐ料理店「とらふぐ亭」などを展開する「東京一番フーズ」(東京・新宿区)。年商46億円の外食チェーンで、「寿し常」から営業継続可能な26店舗と全従業員の雇用を受け継いだ。

gaia_20201208_01
「東京一番フーズ」の坂本大地社長は22歳で料理の世界に飛び込み、ふぐ職人からスタート。1996年に「とらふぐ亭」1号店を新宿に開いた、いわば職人の気持ちがわかる経営者。70年の歴史があり、寿司を握れる職人が120〜130人いることが、買い取った理由だったという。

gaia_20201208_02
「もしかしたら原価がかかりすぎかもしれない」──。9月中旬、東京・大塚で営業を継続する「寿し常本店」を訪れた坂本社長はつぶやく。地上5階建ての店、1階は寿司カウンター席、2階は寿司以外の料理を提供するための厨房、そして3、4階は宴会場となっている。いまの状況を坂本社長は「1階と2階で全く違う組織のよう。一緒に仕事をしないとか...。会社からの指示がなく、職人の世界の理屈でなりたっていた」と分析する。

gaia_20201208_03
適正な人員が配置されておらず、管理もそれぞれの現場任せ。「無駄があると人件費や原価に跳ね返る。やりすぎたら今回のように経営破綻してしまう」と語る坂本社長は、"昭和のやり方"をしてきた現場にどう切り込むのか。

まずは2階の厨房から改善することに。5人体制を2人に。「とらふぐ亭」などの店長らが現場で無駄な動きや動線の悪さを指摘し、厨房の配置を変えていく。

gaia_20201208_04
そしてこの変更が、経営改善に結びついていく。具材から鍋までを1列に配することでムダな動きをなくした結果、ランチの人気メニューだった天丼(968円)は、提供時間を約15分から6分に短縮。当初不安げだった「寿し常」で最も古株の板前・早乙女和夫さんも、「皆さんの知恵が役立ってありがたい。人間的にも変わらないと。合わせないと時代に遅れちゃうから」と笑う。

シフトも見直し、9月のランチタイムの売り上げは、改善前より15%アップ。職人の大槻靖之さんは、「本来なら自分たちが無職でお金ももらえないところを、働く場所も従業員も『寿し常』という名前も引き継いでもらえて感謝している」と話す。

gaia_20201208_05
「東京一番フーズ」は、その後も価格の見直しなど、順調に「寿し常」の改革を進めていく。

なぜハムの会社がデザートを? 社名に込めた思い

コロナ禍で多くの企業がM&Aを意識するなか、"意外な買収"が成立することも。
ソーセージやハムなどを製造している食品大手「丸大食品」(大阪・高槻市)。創業約60年の老舗企業が、7月、一風変わった企業の買収を成立させた。

gaia_20201208_06
相手は、神戸のお土産として10年以上売り上げ1位の「神戸プリン」を製造する「トーラク」(兵庫・神戸市)だ。なぜ、大手ハムメーカーがプリンの会社を買収したのか。

「丸大」の井上俊春社長は、「環境は激変し好みは変わっていく。合わせていかざるを得ないのが事業だと思っている。『ハム屋』だからハムをやるのは一見正しそうだが、そうではない」と話す。長きに渡り、「丸大」の売り上げの柱は、ハム・ソーセージだった。しかし2019年には、価格競争やギフト需要の減少もあり、内訳が逆転。レトルトカレーや惣菜といった調理加工品が、新たな売り上げの柱になっていた。

gaia_20201208_07
「多角化は必然だ。(社名に)なぜ『丸大ハム』とつけなかったか。総合食品メーカーを目指す。そこは創業者の思いでもある」と井上社長。「事業が多角化し、魚肉から畜肉にきてデザートへ。ある日突然、デザート屋になっている可能性もある」と話す。

「丸大」は1992年にデザート事業を開始し、売り上げはここ5年で2倍に急増。ゼリーやヨーグルトが好調だという。しかし、スーパーやコンビニのデザート売り場で、棚の「一等地」を陣取っているのはプリン。「丸大」執行役員・國重裕美子さんは、「デザートを広げていく中でプリンの市場ははずせない」と、「トーラク」買収の理由を話す。

その一方で、買収された側の思いは...。番組は「トーラク」本社も取材し、その本音を聞く。

gaia_20201208_08
コロナの感染拡大で、思いも寄らない事態が次々と起こる...
そんなニッポンのリアルを取材した「ガイアの夜明け」は、今夜10時から。
どうぞお見逃しなく!

「東京一番フーズ」のM&Aを取り上げた「コロナで激変!働く現場の行方」が観たい方はこちら

【ガイアの夜明けを「●●さん」と見てみませんか!? 初回は、ロンブー 田村淳さん登場!】

テレビ東京・火曜夜の経済報道ドキュメンタリー「ガイアの夜明け」。2002年4月にスタートした当番組は、様々なテーマを「経済」「ビジネス」の視点で見つめ、問題解決に奮闘する人々を取材してきました。

番組開始から18年。ガイアがネットで仕掛ける、番組の新たな"夜明け"がスタートします。有名人やインフルエンサーたちが番組を見たらどうなるか・・・。その反応を皆さんと一緒に楽しもうという企画です! 初回は 12 月 8 日(火)田村淳さん(ロンドンブーツ 1 号 2 号)が登場。地上波の放送と同時に、番組を見ながらその感想を「テレ東 NEWS YouTube チャンネル」の中で、リアルタイム配信でつぶやきます。聞き手はテレビ東京の池谷亨キャスター。皆さんは生で放送を見ながら"副音声的"に楽しんでいただき、さらに後日配信する
本編の映像と組み合わせた完全版で、新しいガイアの形をじっくり味わってください!

番組のファンの方も、よく見たことがない方も楽しめる、これまでにないガイアの見方を提案します。是非ご参加ください!

【田村淳さんのコメント】
「ガイアの夜明け」は、ビジネスを通して時代や情勢のリアルを教えてくれるとても真面目な番組ですが、個々や組織が逆境を乗り越えていくストーリー性もある番組だと思っています! 今、大変な時代の中にあるビジネスマンの方々が奮闘・挑戦する姿から、僕も何か学べるのではないかと楽しみにしています!

【テレビ東京 報道局「ガイアの夜明け」 山本 充 プロデューサーのコメント】
皆さんは「ガイアの夜明け」と聞いてどんなイメージを持っていますか?「昔からやっている」「まじめ」「難しい」・・・そんなイメージを持っている方々にも、改めて「●●さん」と一緒に番組を見てもらい、「新しい気付き」をしてもらおうという企画です。初回は、鋭いコメントをバシバシと発している田村淳さん。毒舌もお叱りも大歓迎。リアルな反応を制作スタッフも楽しんじゃおうと思っています。みなさんも是非ご視聴ください!

★★イベント概要★★
【イベント名】「ロンブー 田村淳さんとガイアを見てみた!」
【出演者】 田村淳(ロンドンブーツ 1 号 2 号)、テレビ東京・池谷亨キャスター。
【イベント URL】 https://www.youtube.com/watch?v=n53atYaduHE&feature=youtu.be

PICK UP