会食でのコロナ感染対策! “食事”と”歓談”の時間をわけてマスク着脱のメリハリを

公開: 更新: テレ東プラス

新型コロナウイルス感染症が猛威をふるう中、今年は忘年会などの会食や、年末年始の帰省、親戚との集まりは避けるべき?

毎回さまざまな専門家がレギュラー出演中の生活情報番組「なないろ日和!」(毎週月~木 午前9時26分~放送中)から、医師・ジャーナリストの森田豊先生に、外出時に注意したい「冬のウイルス感染症対策」をついてうかがいました

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感染リスクが高まる5つの場面

新型コロナウイルスにより、私たちの生活は大きく変化。"withコロナ"を念頭に置いた新しい生活様式がスタンダードになりつつあります。これまでの行動パターンの中から感染リスクが高い行動や生活シーンが明らかになり、政府から「感染リスクが高まる5つの場面」が提言されました。

nanairo_20201206_02.jpg画像素材:PIXTA

【感染リスクが高まる5つの場面】
1.飲酒を伴う懇親会等
・飲酒の影響で気分が高揚すると同時に注意力が低下する。また、聴覚が鈍麻し、大きな声になりやすい。
・特に敷居などで区切られている狭い空間に、長時間、大人数が滞在すると感染リスクが高まる。

2.大人数や長時間に及ぶ飲食
・長時間におよぶ飲食、接待を伴う飲食、深夜のはしご酒では、短時間の食事に比べて、感染リスクが高まる。
・大人数、例えば5人以上の飲食では、大声になり飛沫が飛びやすくなるため、感染リスクが高まる。

3.マスクなしでの会話
・マスクなしに近距離で会話をすることで、飛沫感染やマイクロ飛沫感染での感染リスクが高まる。
・マスクなしでの感染例としては、昼カラオケなどでの事例が確認されている。
・車やバスで移動する際の車中でも注意が必要。

4.狭い空間での共同生活
・狭い空間での共同生活は、長時間にわたり閉鎖空間が共有されるため、感染リスクが高まる。
・寮の部屋やトイレなどの共用部分での感染が疑われる事例が報告されている。

5.居場所の切り替わり
・仕事での休憩時間に入った時など、居場所が切り替わると、気の緩みや環境の変化により、感染リスクが高まることがある。
・休憩室、喫煙所、更衣室での感染が疑われる事例が確認されている。
(※内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室より)

これら5つの場面では、より一層の注意が必要。具体的にはどのように対策すればよいのでしょうか?

飲食店や会食で注意すべきこと

nanairo_20201206_03.jpg画像素材:PIXTA

「感染リスクが高まる5つの場面」の全てに当てはまる可能性があるのが大人数での会食。これからの時期、忘年会など会食の機会が増えますが、今年は自粛する、またはしっかり対策をたてることが必要です。

【対策1】マスク着脱にメリハリをつける
「外食の際に感染リスクが高まる要因は、マスクを外すこと。咀嚼により唾液が増えるため、飛沫も増加します。今年は忘年会や宴会は控えるべきですが、どうしても避けられない場合は、マスクを外して"食事をする時間"と、マスクをして"歓談する時間"を分ける"マスクのメリハリ"をつけましょう」(森田豊先生、以下同)

また、飲酒が伴う席など歓談との時間を分けるのが難しい場合は、話すときはマスクをしたままで、お酒を飲む時にこまめにマスクを外し、またすぐマスクをして話す、という方法で飛沫を防ぎましょう。

【対策2】参加者同士で意思の疎通を
「大人数が集まれば "静かな会食"は、なかなか難しいこと。また、親しい間柄でも、人によって感染に対する考え方が異なります。事前に参加者同士で、この時期に会食することの必然性や、マスクの着用など感染対策について、お互いの考え方を確認しましょう。意思の疎通ができる人間関係を築くことも大切です」

また、移動の際に利用する公共交通機関で注意することは?

「新幹線や飛行機は、車内・機内の換気システムがしっかりしているので、基本的には問題はないと思います。また、最近の研究結果では、電車やバスも窓を開けることで十分に換気はできているとされています。ただし、車内でのおしゃべりは大きな声を出さず、最低限におさえましょう」

医療とのかかわり方と家族の対応を考える

いまや、いつどこで誰が感染してもおかしくない状況にあります。いざという時あわてないよう、医療とのかかわり方や、家庭内での対応など、今のうちに確認しておきましょう。

【対策1】かかりつけ医をもつ
「発熱してから医療機関を探すのではなく、日頃から病気や健康について相談できる"かかりつけ医"を持ち、診療時間、夜間の緊急連絡先、また発熱患者を受け入れているかなどを確認しておきましょう。

発熱などの症状が生じた場合は、まずはかかりつけ医に電話で相談。かかりつけ医がない、受診できない場合は、地域の相談センターに電話を。こちらも事前に確認しておきましょう」

【対策2】家庭内でコロナ会議を
「家庭内で、マスク着用などに関する感染症対策、さらに家族に感染者が出た場合の対応などを家族で話し合う"コロナ会議"を。家族全員でアイデアを出し合い、家庭内でのウイルス感染を防ぎましょう」

感染対策に関する考え方は人ぞれぞれ。ともに暮らす家族と、会食などをする際は仲間と話し合いながら感染対策を!

※この記事は森田豊医師の見解に基づいて作成したものです。

取材協力:医師・医療ジャーナリスト・大妻女子大学特任教授/森田豊さん。昭和38年東京都台東区に生まれ。秋田大学医学部、東京大学大学院医学系研究科を修了、米国ハーバード大学専任講師、埼玉県立がんセンター医長、板橋中央総合病院部長を歴任。現在は現役医師として種々の医療現場で医業に従事し、医療ジャーナリストとしても、テレビ、ラジオ、雑誌などで医療解説や医療監修など幅広く活躍している。著書に『名医が教える 寿命を延ばす恋愛医学』(扶桑社)など。

(取材・文/水野春奈)

森田豊先生も出演する「なないろ日和!」は、今後もあらゆる専門家が出演し、生活に役立つ情報をお届けしていきます。毎週月~木曜午前9時26分からのOAも要チェックです!

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