モトーラ世理奈「(伊藤)万理華ちゃんは、実は頭の中で変なことを考えていそう(笑)」 アートディレクター・千原徹也が描く”デザイン業界”:東京デザインが生まれる日

公開: 更新: テレ東プラス

ファッショナブルな広告に、ミュージシャンのCDジャケット、街を彩るポスター、思わず見入る映像......これを生み出す"デザイン業界"の裏側をのぞいてみたくないですか?

12月2日(水)より、水ドラ25「東京デザインが生まれる日」(毎週水曜深夜1時28分放送)がスタート(全5回)。監督は、資生堂やパルコの広告をはじめ、様々なファッションブランドのクリエイティブデザイン、さらには桑田佳祐ら大物アーティストやジャニーズからも引っ張りだこの、デザインオフィス「れもんらいふ」代表のアートディレクター・千原徹也。若き女性デザイナーが奮闘し、成長していく様子を描く「フィクション(ドラマ)」と、千原とのトークによる「ノンフィクション(対談)」のハイブリッドにより、デザイン業界をドキュメンタリータッチで描きます。俳優、ミュージシャン、デザイナー、フォトグラファーらクリエイター陣も実名で登場。

ドラマ部分の主人公、「れもんらいふ」に勤める新人女性デザイナー・睦を演じるモトーラ世理奈、その友人・七菜香を演じる伊藤万理華、そして千原徹也の3人にインタビュー。見どころをうかがいました。

design_20201201_01.jpg
――まずは、千原さんが"デザイン業界"をドラマで描こうと思ったきっかけは?

千原徹也「"デザイン"というものをもっと知ってもらいたいと思ったことですね。あまりにも全ての物がデザインされすぎているため、実態がなかなか注目されにくいと感じていて。テレビ東京さんと面白い番組をやりたいという話の中で、デザイナーやアーティストのトーク番組を考えていたのですが、有名なクリエイターたちが語る番組だと上から目線になってしまうような気がして。

仕事をする上で思い悩んだり、頑張っている人たちがメインになった方が、見ている方も感覚的に理解しやすいし、共感してもらえるのではないかと、細かいところまで描けるドラマという形になりました」

design_20201201_02.jpg千原徹也がモデルの"千原徹子"役をMEGUMIが演じる。

――千原さんの企画ですが、監督も担当されることになった経緯は?

千原「以前から監督という仕事に憧れがあったんです。せっかく企画を立てて監督を誰にするのか選べるのであれば、自分が撮ってみようと思いました」

design_20201201_03.jpg
――モトーラさんと伊藤さんは、被写体の"デザインされる"側ですが、"デザインする"側のデザイン業界が舞台の今回の企画は、どのように思われましたか?

モトーラ世理奈「小さい頃から絵を描くことが好きだったので面白そうだなと思いました。ドラマの中でデザイナーという作る側の役を演じることができて楽しかったです」

伊藤万理華「私はデザイナーではなく、広告業界で働く七菜香という女の子を演じたのですが、実は私の父が広告業界で働いていたんです。だから結構身近な職業で。まさか自分が広告関係の役を演じるとは思っていなかったので面白かったです」

――千原さんが、モトーラさんと伊藤さんを起用した理由は?

千原「ドラマを作る上でキャスト選びは一番重要。この役に誰を当てはめたらいいのか自分の中で想像がつきやすい人を考えた時に、モトーラさんと伊藤さんがピッタリでした。

こうした業界モノのドラマのヒロインはチャキチャキした明るいキャラクターが多いですが、実際はそんなに元気いっぱいに働いているわけではないですよね。だから、独特の間が魅力のモトーラさんのような空気感を持った女の子を描いてみたかったんです」

"友達"の空気感がそのまま出れば

design_20201201_04.jpg
――モトーラさんが演じる主人公の睦は入社1年目の新人デザイナー。どんなところを意識しながらお芝居をしていましたか?

モトーラ「お芝居をするというより、割とそのままの感じでした。睦は人見知りで、普段は明るいけど落ち込む時はとことん落ち込んだり、好きなものに対しては真っ直ぐだったり、共感できるところがありました」

――伊藤さんが七菜香は、そんな睦の友人ですね。

伊藤「デザイン会社で働いている時の睦と、七菜香と一緒にいる時の睦は違うと思うんです。友達だからこそ、ちょっと雑にというか、お互いにいろんなことを言い合ったり、ふざけたり、時には悩みを聞いてあげたり、そういう感じがそのまま出るとうれしいなと思って。撮影の合間には2人でずっと他愛ない話をしたり、一緒に写真を撮ったりしていました。モトちゃんのことをもっと知りたいと思いましたし、私のことも分かって欲しいです。

モトちゃんらしいなと思ったのが、撮影も後半に入ってから、実は前から私のことを知ってたと、初めて話してくれたんです。初対面の時の話のきっかけとかではなくて、すでにいろいろ話して仲良くなった後に(笑)」

モトーラ「ずっと前から知っていたんです(笑)。だから、万理華ちゃんがいろいろ話し掛けてくれてうれしかったし、友達みたいに接してくれたのですごく楽しかったです」

――仲良くなってみて、お互いに意外な一面とかありました?

モトーラ「万理華ちゃんは、実は頭の中で変なことを考えていそうだなって(笑)」

伊藤
「変なことって何?(笑)」

モトーラ「何かまだ見えていないところがたくさんありそうです」

伊藤「モトちゃんもプライベートが面白そうなので、もっと知りたいです!」

design_20201201_05.jpg
――そんなお2人の空気感を活かしつつ、千原さんが演出する上で意識した点は?

千原「30分のドラマの中では、どんどん話を進めていかないと時間内にストーリーが収まらなくなってしまう。でも、睦を演じるモトーラさんの独特の間や空気感を大切にしたい。それをどう生かしたらいいのか......演出もそうですし、編集する時もいろいろ考えました。あの"間"を見せていくことが睦という人間を理解してもらえるところにつながっていくし、それがモトーラさんの個性なんだと思っています」

――では、最後にドラマの見どころをお願いします。

千原「20代の女の子たちが仕事をしていく中で抱えている悩みがリアルに描かれていると思います。睦も七菜香も落ち込んだり辛い思いをしながらも頑張って働いているので、2人に自分を照らし合わせながら見ていただきたいです。

そして、ドラマの他に毎回"対談企画"があります。野性爆弾のくっきー!さんをはじめ、芥川賞作家の川上未映子さん、シンガーソングライターの吉澤嘉代子さん、そして女優の安達祐実さん。個性豊かな方たちが仕事に対して思っていることや悩んでいることなど、普段は見せない"裏側"について話してくださるので楽しんでいただけたらと思います」

12月2日(水)放送、水ドラ25「東京デザインが生まれる日」の第1話は?

《ドラマ》
小さなデザイン会社「れもんデザイン」の新人デザイナー小野睦(モトーラ世理奈)は、野性爆弾くっきー!の雑誌連載『女型人間くっきー』の撮影準備に追われている。だが課せられるのはカメラマン発注、ロケハン、ロケ弁手配...「全然デザイナーの仕事じゃない!」と仕事内容に疑問を抱き始めていた。そんな睦の気持ちを察した会社代表の千原徹子(MEGUMI)は「あなたサラリーマンなんだからね」と言い放つが、睦にはその言葉の真意がわからない。

《対談》
「女型人間くっきー」は、野性爆弾くっきー!が毎回女性に扮する雑誌bisで連載中の人気企画。くっきー!と千原のブレストからスタートするアイデアはどれも奇抜でユーモラスなビジュアルだが、アイデアを形にするための地道な作業は若いデザイナーの仕事でもある。二人は今回の仕事のみならず、自身の下積み時代の苦労や思い出話にも花を咲かす。

【プロフィール】
千原徹也(ちはら・てつや)
1975年京都府生まれ。デザインオフィス「れもんらいふ」代表、アートディレクター。広告、ブランディング、CDジャケット、装丁、雑誌エディトリアル、映像など、デザインするジャンルは様々。H&M GOLDEN PASSキャンペーン、「Onitsuka Tiger×Street fighter V」ディレクション、adidas Originals店舗ブランディング、久保田利伸 「Beautiful People」、桑田佳祐 「がらくた」、関ジャニ∞ アルバム「ジャム」、吉澤嘉代子MV&ジャケットデザイン、ウンナナクールのクリエティブディレクター。その他にも、アートマガジン「HYPER CHEESE」、「勝手にサザンDAY」企画主催、J-WAVEパーソナリティ、れもんらいふデザイン塾の主催、東京応援ロゴ「KISS,TOKYO」プロジェクトなど、活動は多岐に渡る。

モトーラ世理奈(もとーら・せりな)
1998年10月9日生まれ、東京出身。2015年、ファッション雑誌「装苑」にてモデルデビュー。数多くのアパレルブランドやファッション誌の表紙を飾る。2018年、映画「少女邂逅」で女優デビュー。演技力への評価も高く、2020年は「猫、かえる」「風の電話」「恋恋豆花」など主演映画が続々と公開。「風の電話」は、「第70回ベルリン国際映画祭」ジェネレーション部門で国際審査員特別賞を受賞。

伊藤万理華(いとう・まりか)
1996年2月20日、大阪生まれ、神奈川育ち。乃木坂46卒業後、女優としての活動に加え、雑誌「装苑」で手描きコラム連載、PARCOでの個展を2度開催するなどクリエイターとしての才能も発揮。パルコ劇場初の朗読劇「仮面夫婦の鑑」など映像、舞台など幅広く活躍。2020年、「第33回東京国際映画祭」で主演映画「サマーフィルムにのって」(2021年公開予定)が特別招待作品として上映。

PICK UP