新型コロナ「第3波」に打ち勝つ! 家庭ですべき「冬の感染対策」

公開: 更新: テレ東プラス

新型コロナウイルス感染症の"第3波"が襲来。 第2波と比べ、高齢者の割合が増え、重症化するリスクが高く、クラスターも多様化。全国の重症者数や新規感染者数は、連日、増加しています。

毎回さまざまな専門家がレギュラー出演中の生活情報番組「なないろ日和!」(毎週月~木 午前9時26分~放送中)から、医師・ジャーナリストの森田豊先生に、家庭で気を付けるべき「冬のウイルス感染症対策」をついてうかがいました。

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なぜ冬にウイルスが流行するの?

毎年この時期にはインフルエンザウイルスが流行、今年は新型コロナウイルスの第3波に襲われています。なぜ冬にウイルスが猛威をふるうのでしょうか?

「温度と湿度が大きく関係しています。新型コロナウイルスは、気温が1℃低くなると新規感染者数が増加し、湿度も1%低くなると増加します。気温と湿度が下がれば下がるほどウイルスが伝播しやすい状況になるという研究結果が出ています」(森田豊先生、以下同)

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【温度について】
「低温になるとウイルス自体が活性化している時間が長くなる。また、寒くなると家にこもって過ごしがちになり、おのずと密を作りやすい状況が増えます。私たちの行動パターンも冬にウイルスが流行する原因のひとつとなっています」

【湿度について】
「新型コロナウイルスの飛沫は、咳や発生によって生じ、ウイルスの周囲に多少の唾液がついています。マイクロ飛沫、エアロゾルといわれ小さな飛沫もあります。いずれも、空気が乾燥しているとその粒子が小さく軽量化するため、湿度が高い状況よりも飛びやすくなるのです」

室内で1.8メートル間隔で、向かい合い咳をした場合、湿度30%と60%の状況で比較すると、相手に届く飛沫の量は湿度30%の状況下では60%の約3倍に!

今冬は「加湿」「加温」に加えて「換気」も!

これまでの冬の感染対策は【加湿】と【加温】が第一でしたが、新型コロナウイルス対策では、加えて【換気】が重要に。室温は18℃以上、湿度40%以上を心掛けましょう。

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《部屋の換気方法》
部屋の対角線上、もしくは対面にある窓を開け、1時間に2回、5分ずつ換気しましょう。対角線上や対面に窓がない、窓が一つしかない場合は、窓を少し(5cmくらい)開けっぱなしにしておくことで換気が可能です。

サーキュレーターの活用もオススメ。換気は、部屋の空気を外に出すことが重要。窓を開け、外に向けてサーキュレーターを回すと室内の淀んだ空気が排出されます。室内の温度と湿度に気を付けながら上手に換気しましょう。

《換気の際の注意点》
ご家庭に高齢者や持病のある方がいる場合は、温度差によるヒートショックに注意。血圧が乱高下し、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす危険があります。ヒートショックを回避するには、家の中でも体を冷やさないようある程度の厚着をしたり、体を温める電気毛布、電気カーペット、電気ストーブなどを活用しましょう。

ウイルスは人から人へ感染します。一人暮らしの場合は外からウイルスを持ち込まない限り家庭内での感染の可能性は低いため、換気の重要度は下がります。ただし、来客などがあった場合は十分に換気しましょう。

今年の冬は、【加湿】【加温】に加えて【換気】! 健康に冬を乗り越えましょう。

※この記事は森田豊医師の見解に基づいて作成したものです。

取材協力:医師・医療ジャーナリスト・大妻女子大学特任教授/森田豊さん。昭和38年東京都台東区に生まれ。秋田大学医学部、東京大学大学院医学系研究科を修了、米国ハーバード大学専任講師、埼玉県立がんセンター医長、板橋中央総合病院部長を歴任。現在は現役医師として種々の医療現場で医業に従事し、医療ジャーナリストとしても、テレビ、ラジオ、雑誌などで医療解説や医療監修など幅広く活躍している。著書に『名医が教える 寿命を延ばす恋愛医学』(扶桑社)など。

(取材・文/水野春奈)

森田豊先生も出演する「なないろ日和!」は、今後もあらゆる専門家が出演し、生活に役立つ情報をお届けしていきます。毎週月~木曜午前9時26分からのOAも要チェックです!

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