霊感がある人の中には、霊を呼び寄せてしまう体質の人が存在する。特に俳優や声優など、演じる職業の人には憑依しやすいのか、霊が集まってくることが多いという......。

"Mr.都市伝説" 関暁夫がMCを務めるストーリーテリングバラエティ「Mr.都市伝説 関暁夫のゾクッとする怪感話」（毎週金曜深夜0時放送／ＢＳテレ東）。巷でささやかれる都市伝説、人智を超えた超常現象、人間の悪意と狂気......様々なゾクッとする話を人気声優の朗読劇でお届け。

11月27日（金）の放送に登場するのは、岡本信彦（「青の祓魔師」奥村燐役など）と、石川由依（「進撃の巨人」ミカサ・アッカーマン役など）。不思議な話が好きで、関に会いたかったという岡本。一方、石川も前世やソウルメイトの話が好きで、なんと大学でそういった内容を扱うゼミに入っていたとか。そんな2人をゲストに迎え、ある女優にまつわる怪感話をお届けする。

怪感話#5
「眠れない女優の本当の顔」

都内の芸能事務所でマネージャーをしている滝沢（岡本）は、売り出し中の女優・高橋カズミ（石川）を担当することになった。福岡で旅番組のロケがあり、前日に前乗りしてホテルで一泊することに。

「滝沢さん！ 私もつ鍋食べたい！」
「ははは、お店、予約しておきますね」
「やったあ！」

カズミは明るく人懐っこく、誰からも愛されるキャラ。さらに真面目で仕事熱心。しかし、彼女には妙な噂があった。担当したマネージャーが次々に辞めていくというのだ。

偶然なのか、彼女に何か問題があるのか......。その疑問の答えは、ホテルにチェックインした深夜1時に知ることになる。

滝沢の部屋のドアがノックされ、こんな時間に誰かと思いドアを開けると、カズミがいた。

「こんなこと言われるとびっくりすると思うんですけど......滝沢さんの部屋で寝かせてもらえませんか？」

マネージャーと女優が同じ部屋で寝るのはさすがにまずい。だが、自分の部屋は何だか怖くて寒気がする、怖くて戻りたくないという。

「どうしても、だめ......？」

翌日は早朝からロケがある。眠れずに仕事に支障をきたしては困ると考えた滝沢は、チーフマネージャーに連絡を入れ、カズミを寝かせた後に部屋を替わることにした。

安心したカズミが寝息をたて始めたのを見届け、滝沢はそろそろ移動しようと立ち上がる。すると突然テレビがついた。それだけではない、木魚の音とお経が聞こえてきたのだ。

テレビに映っていたのはセピア色の映像で、喪服姿の男女が集まって棺桶を運んでいる。あまりの気味悪さにテレビを消そうとしても、リモコンがきかない。気がつけば、部屋中に線香の匂いが......。

「うわあっ！！」

鳴り響いた着信音に思わず大声をあげる。メールを見たチーフマネージャー（石川2役）からの電話だ。急に流れた映像のことも話したが、テレビを見るとなぜか消えていた。

気のせいだったのか......通話を終え、今度こそ部屋を移ろうとするとカズミのうめき声が！

「うう......！ ううっ、うう〜！」
「た、高橋さん？！ 大丈夫ですか？ 高橋さん？！」

カズミがうなされる中、またお経が聞こえ、テレビには葬式の映像が流れる。今度は喪主らしき男性が遺影を持っていて、そこには......

笑顔のカズミが写っていた。

「これ、やばいんじゃないか？ 高橋さん、高橋さん大丈夫？！ 起きて！ 起きて！！」

カズミは目を覚ましたが、呼吸が荒い。

「私......真っ暗で、すごく狭いところから出られなくなって」

ふと視線を感じ、テレビを見た瞬間に鳥肌が立った。棺桶を運んでいる人が全員、滝沢とカズミをじっと見つめていたのだ。

「だめだ、やばいやばいやばい！ 高橋さんすぐにここを出よう！」
「狭いよ狭いよ狭いよ狭いよ！」

この出来事の証拠を残そうと、滝沢はテレビ画面の写真を撮り、震えるカズミを連れ出し近くのビジネスホテルへ。そこに泊まって、何とか次の日のロケを無事に終えることができた。

ロケが終わるとチーフマネージャーから電話が。昨夜の出来事を一部始終話すと、チーフマネージャーは驚く様子もなくこう言った。

「やっぱりあんたもダメだったのね......」

どうやらカズミは、自覚がないのに霊を呼ぶ体質らしい。その結果、周りの人たちが霊を見てしまい、マネージャーが次々と辞めて滝沢が5人目だという。

その後、滝沢はカズミの担当から外れ、そのままマネージャー業からも離れることに。カズミは人気女優となりドラマや映画で大活躍しているが、滝沢はもう彼女の作品を見ることはできない。なぜなら、遺影の笑顔を思い出してしまうから......。

関、岡本、石川によるスタジオトークでは、石川が朗読中に見せた手を広げる仕草が話題に。今まで出演した声優の中で、手が動いたのはこれが初めて。6歳から劇団に所属していた石川ならではの動きに、「舞台育ちがここに出ているわけですね」と関。

先輩声優から「感情がない」と言われるという岡本。「怒り」の感情が子供の頃から分からず、他の声優の演技を見て学んでいるとか。もちろん怒りのリミッターを超えたことも役でしかなく、「だから超えすぎちゃうんですね。そのせいでクレイジーに見えちゃったり」と、意外な苦労を明かした。

このほか、関が「3歳児で僕のカンペ読んでもらっていいですか」と石川にリクエスト。可愛らしい声を披露し関をキュンとさせていた。この放送は、「ネットもテレ東」で期間限定配信中！

次回12月4日（金）放送も、引き続き岡本信彦、石川由依が登場。将棋界に現れた天才・藤井聡太、そして余命1年の恋人を持つ女性にまつわる怪感話を2本立てでお届け。