平熱が低いのは何度から? 子どものイライラや集中力がないことの原因にも? 今すぐできる改善策:主治医の小部屋

公開: 更新: テレ東プラス

主治医が見つかる診療所」(毎週木曜夜7時58分から)は、今話題の健康法から、いざというときの医師・病院選びのコツまで、医療に関するさまざまな疑問に答える知的エンターテイメントバラエティ。毎回テーマに沿った健康情報を第一線で活躍中の医師たちがわかりやすく解説しています。

さて、今回WEBオリジナル企画「主治医の小部屋」に寄せられた健康相談は、「イライラしやすい子どもと低体温の関係」についてです。同番組のレギュラー・石原新菜医師にお答えいただきました。

体力のない子は集中力も持続しない

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Q:30代女性です。小学1年生の娘がいます。集中力がなく、家で勉強していても、10分くらいするとすぐに休んでゲームを始めてしまいます。娘は怒りっぽいほうなので、なるべく穏やかに注意するようにしていますが、毎日のことなので疲れてしまいます。ネットで検索していたら「低体温の子どもはカッとしやすい」とありました。娘の平熱は36℃前後なので特別低いわけではないと思うのですが......。

―― 先生、小学校低学年で36℃前後の平熱というのは低いほうですか?

「昔は "子どもは風の子" といっていたくらいで、体温が37℃前後あるのは当たり前でした。だから冬でも半袖・半ズボンで大丈夫だったのですが、今は36℃前半、中には35℃台の小学生もいるほど。昔と比べて子どもも低体温になってきているんですね。医療機器メーカーや薬用酒メーカーなどが調査したものなのですが、体温が低いと体質として冷え性だし、虚弱体質であったりします。そうなると体力があまりないので、ちょっとしたことでイライラしたり、疲れやすかったりする。子どもは疲れるとグズグズしだしますが、それと同じような状態になりやすいということなのです。

そしてもうひとつ、これは漢方特有の考え方なのですが、体が冷えている子どもは癇癪(かんしゃく)を起こしやすいとされています。ギャーッと泣いてひっくり返って手足をバタバタさせると体温が上がりますよね。それを本能的にやっている。冷えているから、ときどきそうして体温を上げているのだと考えるんですね」

―― すぐに飽きてほかのことを始めるのも体力と関係があるのでしょうか。

「勉強するために机に向かっても10分ぐらいで......というのは、やはり体力がないのでしょう。体力=筋力なので、意識的に運動をさせるよう心がけたほうがいいですね。コロナ禍でむやみに外に出られないということもありますが、在宅時間が増えたお母さんも一緒に、人が少ない場所で運動してみてはどうでしょうか。スポーツや運動自体が苦手な場合は、近所を散歩する、家の前で縄跳びをするくらいでも大丈夫。少しずつでも体力をつけていくと勉強に向き合う時間も長くなっていくはずです。

ちなみにプロゴルファーの横峯さくらさんの伯父が理事長を務める、独自の教育メソッドで有名な保育園では、朝から運動場をダッシュさせた後にさまざまな勉強に取り組んだりしているようです。体力をつければ勉強も集中してできるということなんですね。昨今は習い事が忙しかったり、家でゲームなどをしていたりする子どもも多いですが、やはりある程度の運動は必要なのです」

味噌汁と入浴で体温を上げよう

doctor_20201125_02.jpg画像素材:PIXTA

―― 運動以外に生活の中ですぐにできることはありますか。

「低めの体温を上げるためにできることといえば、まずはゆっくりお風呂に入ることですね。入浴も意外と疲れるので、体力がない子は長く入っていられない傾向があるのですが、しっかり湯船に浸かれるように習慣づけるといいでしょう。

また、食事は和食中心の献立にシフトを。おばあちゃんが食べさせてくれるような煮物、漬け物、味噌汁といったものが体を温める食品にあたります。できれば朝も和食がおすすめです。納豆や焼き魚、ご飯に味噌汁......ならベスト。低体温だと腸内環境が悪い子どもも多いと思いますが、味噌は発酵食品なので腸内環境を整えますし、ビタミンやミネラル、アミノ酸が豊富なので代謝も上がります。体がすごく温まるので、大人でも冷え性にお困りの方はぜひ朝食に味噌汁を飲むようにしてください。ちなみに、朝の定番、バナナやヨーグルトといった食品は体を冷やすので控えめに」

―― 低体温からいろいろなことにつながるのですね。

「低体温=低血圧=元気がない=体力がない=集中力がない、という負のスパイラルになるのは避けたいですね。結局は、運動量が足りないということなのですが、筋肉が少ないと体も冷えますし、体力もない。さらに勉強する集中力もなくなるのです。低血圧も増えていて、起立性調節障害といって朝だるくて起きられない、頭が痛い、めまいがすると訴える子どもが増加しています。

運動して、和食中心の食事をとり、お風呂でしっかり湯船に浸かって、体温を上げる。できることから実践していけば、徐々に集中力がアップし、怒りっぽさが軽減して、良い睡眠もとれるようになりますよ」

―― 石原先生、ありがとうございました!

【石原新菜(いしはらにいな)医師プロフィール】

イシハラクリニック副院長、ヒポクラティック・サナトリウム副施設長、健康ソムリエ講師、本内科学会会員、本東洋医学会会員、本温泉気候物理医学会会員。1980年長崎県生まれ。2006年3月帝京大学医学部卒業、同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實医師のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。著書に『病気にならない蒸し生姜健康法』をはじめ、『「体を温める」と子どもは病気にならない』、『冷えをとれば9割治る』"など。2児の母でもある。

※この記事は石原新菜医師の見解に基づいて作成したものです。


今回お話を伺った石原先生も出演する主治医が見つかる診療所SP(11月26日木曜夜7時58分)は【芸能人人間ドックSP!怖い病気が続々発覚...】! 3年連続でNHK紅白歌合戦出場の純烈リーダーは心臓危機&ボーカルは脳に問題が? 元おニャン子も重症・・・渡辺美奈代は肝臓病&新田恵利も大腸に異常が? 14歳の娘がいるのに松崎しげるはがん!? 不健康芸能人No.1は果たして・・・。

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