10人に1人が帰国生! 海外の名門大にも合格者を多数輩出する「渋谷教育学園幕張中学校・高等学校」の奇跡とは?

公開: 更新: テレ東プラス

歴史や校風、卒業生のネットワークまで、名門校の知られざる姿を通してその秘密に迫る「THE名門校 日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週日曜よる9時放送)。MCに登坂淳一角谷暁子(テレビ東京アナウンサー)、解説におおたとしまさを迎え、「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。

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今回の名門校は、創立からわずか30年で東大合格者数トップ10の常連に! 海外の名門大にも合格者を多数輩出するなど大躍進を遂げている「渋谷教育学園幕張中学校・高等学校」。短期間での急成長ぶりを、教育者たちは「渋谷教育学園幕張中学・高校が起こした"渋幕の奇跡"」と称える。ゲストにOGの皆藤愛子を招き、躍進の秘密に迫る。

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1983年創立の通称「渋幕」は、千葉県海浜幕張駅から徒歩10分の場所にある。現在の生徒数は、1学年約350人。海外からの帰国子女も積極的に受け入れ、約10人に1人が帰国生だ。2020年「東大合格者数トップ10」にランクインした学校はほぼ男子校だが、渋幕だけが共学校。ハーバード大学やペンシルベニア大学など、「アメリカトップ30」に入る大学にも合格者を多数輩出している。おおたは「帰国生が多いので、日本の社会の常識を良い意味で覆してくれる。"急成長した躍進校"と世の中では言われているが、見方を変えると"時代が渋幕に追いついた"のではないか」と解説する。

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渋幕には特進などの選抜クラスはなく、高校2年時に文系・理系のクラスに分かれる。英語の授業だけはハイレベルな「帰国生クラス」があり、一般の生徒も試験に受かれば入ることができる。帰国生クラスの英語の授業はネイティブの先生が担当し、授業の本題はもちろん、その他の会話もすべて英語。この日は生徒がペアになり、英語の小説を音読する授業が行われていたが、TOEICなら900点以上に相当するレベルとのこと。

授業の開始や終了時にチャイムが鳴らないのも特徴的で、渋幕には校則も存在しない。生徒の自主性を重んじ、校外活動は現地集合・現地解散。マニキュアを塗ったり、髪を赤く染めても先生に怒られることはなく、これには渋幕の教育目標が関係している。

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渋幕の教育目標は「自調自考」。これは既存の四字熟語ではなく、田村哲夫校長の造語で、「自らの手で調べ、自らの頭で考える」という意味。田村聡明副校長は、「時間になったら席に座るなど自分で管理し、自分で律して行動してもらいたい。この学校にいるとそれに慣れてくる」と語る。

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世界を視野に入れた生徒が多く在籍し、帰国生と一般生が切磋琢磨しているのも渋幕の特徴。一般生は「渋幕は多様性を尊重していて、帰国生とたくさん関わり合うことは将来的に貴重な経験になる」と話し、帰国生は「英語のプログラムが充実していて、先生や生徒のレベルも高い。その環境に惹かれた」と学校の魅力を語る。

「国際人としての資質を養うこと」を教育目標のひとつとしており、渋幕生にとっては、東大進学も選択肢のひとつに過ぎない。どんな夢を持っているのか生徒に尋ねてみると、「まずは日本で医師免許を取りたい」「アメリカでジャーナリストとして活躍したい」「国際弁護士として人権問題を解決したい」など、グローバルな視点を持つ回答が続出した。東大を含め医学部への合格者も多く、今年の春は合計118名もの生徒が医学部に進学。その理由を探るため、2年生の化学の授業に潜入した。

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この日の授業は、「漂白剤の中に含まれる次亜塩素酸ナトリウムの量を、ヨウ化カリウムを使って測定する」というハイレベルな内容。渋幕は理系の教育にも力を入れており、「第17回高校生化学技術チャレンジ」では化学技術振興機構賞を受賞。世界大会出場権を獲得するなど、優れた成績を残している。

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最後に皆藤は、「渋幕は私の自慢の故郷。自主性と個性が育てられる学校です。自由で国際的な要素がたくさん詰め込まれているし、同級生の生き方を見ても、渋幕イズムが残っている。学校が褒められると自分が褒められたようで嬉しかったです。後輩が活躍してくれているから、学校が名門と呼ばれている」と締めくくった。

番組では他にも、渋幕校内ツアー、「世界を変える10人の若い女性」に選ばれたロボコン女子、門外不出のレジェンド授業「校長講話」、ハーバード大学で行う「次世代リーダー養成プログラム」など、盛りだくさんの内容を紹介する。

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明日よる9時放送! 「THE名門校 日本全国すごい学校名鑑」は、男子御三家「武蔵高等学校中学校」の秘密を、OBで歴史学者の本郷和人氏と探っていく。

武蔵の教育方法といえば、"無知の知"が原点であるが、武蔵流の自分で考える人間の育て方とは? その答えの一つに大正時代から続く入試問題がある。それは、何とお土産。一体、なぜお土産が配られるのか? 実はこのお土産を使った問題こそが、子どもたちの素養を見極めるためのポイントだという。

さらに、わかった気にさせない"モヤモヤ授業"も武蔵ならでは。教師が答えを教えるのではなく、生徒からの答えを待つ。つまり、生徒を知った気にさせない、わかった気にさせないが武蔵の授業なのだ。東大合格だけが全てではない...人生を豊かにする学びこそがまさに武蔵流。卒業生も最前線で活躍する。

<ゲスト>
本郷和人(東京大学史料編纂所教授)

どうぞお楽しみに!

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