「ユニクロ」の新たな挑戦...徹底的なコストダウンで実現した”リサイクルダウンジャケット”の全貌:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)。11月10日(火)の放送では、閉店や破綻など暗い話題が多いアパレル業界で、新たな取り組みを始めた「ユニクロ」を取り上げる。世界初となる新商品開発の舞台裏に迫る。

「サステナブル」への挑戦 「ユニクロ」と「東レ」が羽毛回収でタッグ

アパレル不況の中、「ユニクロ」が新たな挑戦を始めていた。今年6月にオープンした国内最大級の店舗「ユニクロ東京」では、"持続可能"を意味する"サステナブル"という言葉があちこちに。「ユニクロ」はリサイクルペットボトルを使ったポロシャツなど、これまでも環境への負担が少ない商品を積極的に開発してきた。今回挑むのは、自社製品を回収し使用した"リサイクルダウンジャケット"の生産。実はリサイクル製品は手間がかかり、大量生産は不可能だと言われているが、エコと利益の両立は成立するのか...。
新商品開発の現場に密着した。

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新プロジェクトに挑むのは、「ユニクロ」の齋藤源太郎さんと「ユニクロ」と共にダウンジャケットの開発をしてきた「東レ」の大川倫央さん。2人の間で、課題は共通していた。

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これまでダウンのリサイクルは、手作業で羽毛を取り出すため回収量も少なく、高コストに。それがネックになっていた。そこで今回、両社が開発した新技術で羽毛を大量に回収し、低価格なリサイクルダウンジャケットの生産を狙う。

3月中旬。滋賀県大津市にある「東レ」の工場には、プロジェクトのカギを握る羽毛回収の試作機が。「東レ」の技術者たちが手作りしたこの機械には驚きの技術が。ダウンジャケットを機械に投入すると、自動で裁断。分離機の中で生地と羽毛が分かれ、羽毛だけを取り出すことができるのだ。

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価格に抑えるには、いかに羽毛の回収ロスを減らすか。理想の価格を実現するためロス率を20%に抑えることを目標とするが、実際に量産がスタートすると、この数字が難しい事を思い知ることになる。

5月中旬、大川さんに工場から緊急の知らせが。想定通りに生地が裁断できず、羽毛のロス率が目標の20%に遠く及ばないことが判明したのだ。すでに工場には全国の店舗から62万着ものダウンジャケットが送られてきていた。ロス率20%を達成し、集めたダウンを有効活用できるのか。

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お客の声から始まった「ユニクロ」のマスク製造

「ユニクロ」には、お客さんの声をきっかけに開発された商品がいくつもある。新型コロナウイルスの感染拡大でマスクの製造に参入したのも、お客さんからの強い要望があったからだ。発売当初入場制限するほどの人気となったマスクは、「呼吸が苦しい」との声を受け、表面をメッシュ素材にし、家族で付け間違えがないようにサイズ表記を入れるなど、改良を重ねている。

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9月にオンライン限定で販売開始した"前あきインナー"シリーズも、闘病中の女性から届いた1通の手紙がきっかけだった。大人向けだけでなく、医療的ケアが必要な子ども向けの"前あきインナー"も開発。利用者の切実な声が商品化を実現させた。

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そこには柳井正社長兼会長の「あらゆるニーズを拾い上げ、全てのお客様が望む商品を作る」という哲学が根付いている。

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番組は「ユニクロ」柳井社長兼会長にインタビュー。コロナにも負けない「ユニクロ」に迫る。「ガイアの夜明け」は、今晩10時から放送! どうぞお見逃しなく!

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