<「共演NG」リレー連載>細田善彦「物事が本質ではないところでどんどん大事になっていく...あの感じを身を持って体験させていただきました」

公開: 更新: テレ東プラス

秋元康が企画・原作、大根仁が演出を担当。キャスティング、記者会見、クランクイン前に行う本読みなど..."THE芸能界"の裏側をリアルに描く、ドラマ「共演NG」(毎週月曜よる10時放送)。

「25年前に恋人同士だった大物俳優・遠山英二(中井貴一)VS大物女優・大園瞳(鈴木京香)」をはじめ、「かつては師弟関係にあった時代劇スター・出島徹太郎(里見浩太朗)VS NY帰りの個性派俳優・小松慎吾(堀部圭亮)」、「同じアイドルグループに所属していた篠塚美里(若月佑美)VS内田梢(小野花梨)」、「イケメンキャラが被る戦隊俳優・佐久間純(細田善彦)VS 2.5次元俳優・加地佑介(小澤廉)」と、テレビ東洋が社運を賭けて臨む恋愛ドラマ「殺したいほど愛してる」は、"共演NGアベンジャーズ"が勢揃い! 一触即発なスターたちの激しいバトルとラブストーリーをコメディタッチで描いていく。

そこで「テレ東プラス」は、テレビ東京が総力を挙げておくる「共演NG」の舞台裏を探るべく「共演NG」リレー連載(※毎週日曜よる9時30分公開)をスタート! ※前回の「若月佑美インタビュー」が読みたい方はコチラ

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連載第2回に登場するのは、戦隊モノ出身のイケメン俳優・佐久間純を演じる細田善彦。作品の見どころはもちろん、「撮影中はずっと胃が痛かった(笑)」と語るほど役が憑依してしまった問題のシーン(第3話)、役者としての価値観まで、存分に語ってもらった。

コロナ禍での現場の苦労を上品な笑いに変えてしまう大根監督はスゴイと思いました

――ドラマを観て、久々に"腹を抱えて笑う"体験をさせていただきました(笑)。ご出演されているからこそ肌で感じる"作品の魅力"を教えてください。

「コロナ禍にある今、ドラマを作る上で難しい局面を迎えていると思います。例えば、ドラマの中でマスクをどの程度着用するのかなど、withコロナの世界観をどれくらい反映させるのか...大根監督がものすごくよいバランスで演出されていたのが、僕の中では印象的でした。コロナ禍での現場の苦労を上品な笑いに変えていらっしゃるというか..."こんな風になるんだ"と感じましたね」

――主演・中井貴一さん、ヒロイン・鈴木京香さんの印象は?

「大先輩でありながらお2人とも本当に優しくて、いつも真っすぐに向き合っていただいて、もう感謝しかありませんでした。中井さんとは第3話で共演シーンがたくさんあって、撮影の合間に色々なお話をさせていただきました。僕が俳優業を辞めていた時期があるんですけど、それをプロデューサーの方から聞いていらっしゃったようで、"どこへ行って何をしていたの?"、"俳優業は山あり谷ありだから"と話してくださって...。ちょっとした人生相談も聞いていただきました」

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――第3話でも、遠山(中井)が俳優の先輩として佐久間(細田)にアドバイスをするシーンがあります。実際の中井さんと細田さんの間でも、そのようなやり取りがあったんですね!

「そうですね。言われてみると、それもリアルでしたね(笑)」

――「共演NG」では、ドラマ作りの裏側が描かれていますが、細田さんが「あるある!」と共感したシーンはありますか? 例えば、第2話で登場した本読みのシーンでは、加地(小沢廉)が漢字を読み間違える度に佐久間がツッこみを入れていました。実際にあんなことはあるのでしょうか。

「実は僕も、読めない漢字がけっこうあるんですよ(笑)。でも、もちろんしっかり調べて現場に臨みますし、皆さんそうなさっていると思います。やっぱりドラマなので、そこは面白く強調されて描かれていますよね。多少意見のやり取りはあっても、あそこまで大々的に本読みでぶつかり合うことはないのでは?と思いますが、本読みそのもののシチュエーションはとてもリアルでした」

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――佐久間と加地のようにバチバチと相手をライバル視する感覚についてはいかがですか? 細田さんにもそのような時期があったのでしょうか。

「2人のようにあからさまに態度には出しませんが、俳優として心の内に秘めていることはたくさんあります。いくつになっても、みなさんそういう感情はあるものなのかな? と。ただ、演じることはそもそも勝ち負けではないと思っていますし、同じ作品に出ている以上、その作品全体を盛り上げていくことが大事。ライバル視というよりは、"あの役者さんのシーン、すごくいいな。自分もいいシーンを作りたい!"という刺激になる感じでしょうか。ただ、面白い作品を観た時、"なぜこの役者さんがキャスティングされているのだろう"と理由を考える習慣はあるかもしれません。"なぜ自分がキャスティングされなかったのか..."その理由をしっかり分析します」

謝罪会見のシーンを撮る日は、現場に行くのが本当につらかった!

――ドラマのタイトルにちなんで...。これまでの細田さんの人生の中で、「これは共演NG!」と憤りを感じたエピソードはありますか?

「実は、今回のインタビューの質問案を見て、これ、一番どうしようか悩んだんです(笑)。ないです...逃げなのかもしれないけど、本当にないんですよね。例えば、自分が許容できないことやキャパを超えてくる何かをされても、"あの人とはしばらく距離を置こうかな"とかそれくらいで...基本あまり怒らないので。お酒の席で絡まれても、それくらい無礼講の方が楽しいですし、もし何か嫌なことがあっても、"極力忘れよう、排除しよう"と努力するので、あまり溜めこまないタイプかもしれません。いいことも悪いことも引きずりすぎないので、遠山(中井)と瞳(鈴木)が25年間も"あのうんこ野郎!"と言い続けられる執念はスゴイと思います。もしも僕だったら、とりあえず"久しぶり!"と思っちゃいそう(笑)。若い時はもう少し違ったんですけど、どこかで物事を楽しく捉えるようにシフトチェンジしたんだと思います」

――話はガラリと変わって...プライベートでハマっているモノがあったら教えてください。

「ハマっているといっていいのか分からないんですけど、今、毎日のように雑炊を自分で作って食べています。昆布かかつおぶしでしっかりと出汁を取って、きのこをいっぱい入れていれてネギを散らして食べています。シンプルだけど体が温まるんですよね。季節の変わり目ですし、体調を絶対に壊したくない...いきついた先が雑炊を食べることでした。普段、あまり料理はしないんですけど、雑炊は本当に好きですね」

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――明日放送の第3話は、細田さん演じる佐久間と美里(若月祐美)が物語のキーを握っています。ズバリ見どころは?

「佐久間は美里との不倫が発覚し、謝罪会見することになってしまいます。このシーンを撮る日は、現場に行くのが本当につらくて...。佐久間は何に対して、誰に対して、何のために謝っているのか、考えれば考えるほどだんだん分からなくなってきてしまったんです。最近の風潮でもよく見られることですが、物事が本質ではないところでどんどん大事になっていく...あの感じを身を持って体験させていただきました。第3話の撮影中はずっと胃が痛かったんですけど(笑)、こういう経験をさせていただいたのは良かったです。いろんなメッセージが込められた回になっていると思います。

そしてこの作品は、中井さんの素晴らしい魅力があふれています。中井さんのお芝居やコメディに対するキャラクターの作り方など、本当に学ばせていただきました。僕もドラマのオンエアを見ながら、中井さんの素晴らしさを少しでも見習うことができたら...そう思っています」

――最後に、次のリレー走者・前島豊役の小野塚勇人さんへメッセージをお願いします。

「シーンとしてご一緒する機会はあまりありませんでしたが、豊(小野塚)の奮闘、テレビで楽しく拝見しています! 中井さんとリリー(・フランキー)さんとの輪、そして豊の今後の暗躍?(笑)を引き続き楽しみにしています。次回また共演させていただけることを楽しみにしています!」

――細田さん、ありがとうございました! 第3話は、いまの世相に斬り込む内容に仕上がっています。「共演NG」は、明日よる10時放送! どうぞお楽しみに!

【細田善彦 プロフィール】
1988年3月4日生まれ。東京都出身。O型。2004年CMでデビュー。映画「海辺の映画館~キネマの玉手箱」、「君の物語を語る者に」、ドラマ「週末オトコ温泉同行会」(テレビ大阪発 テレビ東京系)、「竜の道 二つの顔の復讐者」など多数出演。現在、ドラマ「35歳の少女」にも出演している。

(取材・文/船桂子)

【第3話あらすじ】

台本を撮影直前で変更、しかも大園瞳(鈴木京香)には内緒でキスシーンを追加するという市原龍(斎藤工)の画策は大成功。監督・スタッフ全員が納得する『殺したいほど愛してる』第1話が完成する。試写を見た遠山英二(中井貴一)も手応えを感じ、まんざらでもない様子。戸沢寛治(岩谷健司)も「確実に2ケタいく!」と息を巻いていた。ところが、翌日出た結果は散々...。横並びでも視聴率最下位。このまま数字が取れないとドラマ枠自体が消滅してしまう。

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そんな中、佐久間純(細田善彦)、篠塚美里(若月佑美)、内田梢(小野花梨)、加地佑介(小澤廉)というヤングチーム4人の撮影現場で、内田が遅刻。スタッフに謝りもしない態度に不仲の篠塚がキレるというひと悶着があり、相変わらず不協和音が続いていた。そして、そんな様子を聞いた市原は、与謝野(瀧内公美)にある指示を出す。

数日後、なんと既婚者である佐久間と篠塚の不倫スキャンダルが発覚! お泊りデート現場を写真週刊誌に撮られてしまったのだ。不倫ドラマの共演者同士が不倫というスキャンダルに、世間は大いに盛り上がり、容赦ないバッシングを両者に浴びせる。是枝育夫(迫田孝也)は2人を守るためにも降板させるべきと訴えるが、市原はすでにスポンサーや上層部を説得しており、翌日に控えた撮影の続行を主張。さらに前代未聞、異例の「謝罪会見」の要求を突きつける。耳を疑うばかりの戸沢と是枝。大きな騒動に巻き込まれた遠山と大園はこの事態にどんな決断を下すのか。

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