高級パンが濃厚ビールに!”売れ残り”を買い取り、割安で「再販売」!「食品ロス」を減らす新たな一手:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週火曜よる10時)。10月27日(火)は、これまで番組が取り上げてきた「食品ロス問題」第4弾を放送。新型コロナウイルスの影響を受け、さらに増加する惣菜や調理加工品の売れ残りを救う"新たなシステム作り"を紹介する。

「レスキューデリ」で売れ残り食品を救え

様々な理由でまだ食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」。日本の食品ロス量は年間600万トンを超え、家庭から廃棄される食品は一人あたり年間50キロにも及ぶ。去年10月には「食品ロス削減推進法」が施行されたが、コロナ禍で需要が読めず売れ残りが増えている現状もあり、改めて対策の必要性に迫られている。

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「ハウス食品」の東京本社で行われていたのは、カレーを使ったレシピ開発。実はこれも食品ロスを減らすための試み。家庭で棄ててしまいがちな野菜などを調査し、それらを無駄なく使い切るレシピをホームページで公開している。一方「江崎グリコ」では、賞味期限の表示を工夫して無駄な廃棄を減らすほか、製造の過程で破損した"ふぞろい品"を格安販売するなどしてロスを削減。大手メーカーも、対策に本腰を入れ始めている。

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新たなビジネスで食品ロスの削減に挑む企業も。創業5年目のベンチャー企業「コークッキング」は、飲食店などで売れ残った料理を割安で予約できるアプリ「TABETE」を運営し、食品ロス対策に取り組んできた。今回新たにスタートさせるのが「レスキューデリ」。駅などの大型商業施設から出る総菜などの売れ残りを買い取り、そこで働く従業員に格安で販売し、食品ロスの削減に繋げる狙い。将来的には一般向けの販売も視野に入れている。

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「コークッキング」の創業者・川越一磨さんは、飲食店で働いていた際、大量の食材が廃棄される現状を目の当たりにし、社会の構造を変えようと29歳で起業。

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社員の峯岸晃希さんは、大学在学中、新しいタンパク源として注目される"昆虫食"を研究するサークルを立ち上げ、卒業後も食の問題に取り組みたいと「コークッキング」に入社。24歳の若さで新事業の「レスキューデリ」を任された。挑むのは売れ残った食品の再販売。しかしそこには、様々なハードルが待ち受けていた...。

峯岸さんは余った弁当や総菜をそのまま再販するのではなく、「レスキューデリ」用にパック詰めし直して売ることを考えていたが、原材料や賞味期限などを書いたラベルを新たに用意しなければならず、その対応を迫られる。さらにパンの袋詰めを予定していた店舗の担当者からは、アレルギー対策の見解で、成分表示について厳しい指摘をうけることに。

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販売方法とアレルギー対策の見直しを迫られる事態に、社長の川越さんも動き出す。「レスキューデリ」開始予定日まで10日ほど...。いったいどう対応するのか。

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「余った食材が生まれ変わる」一流シェフの挑戦

食品ロスの削減につながる新たな取り組みも始まっている。六本木の人気ベーカリーカフェ「ブリコラージュ」のオーナー・生江史伸さんは、ミシュラン2つ星のフレンチ「レフェルヴェソンス」のエグゼクティブシェフで、世界が認める料理人。生江さんは、オープンサンドで切り落としたパンを棄てず、別のものに生まれ変わらせる方法で食品ロスに挑む。

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生江さんのパンが運び込まれたのは、六本木から260キロ離れた長野県野沢温泉にあるビール醸造所「AJBブルワリー」。「ブリコラージュ」のパンがビールに生まれ変わるというのだ。タッグを組むのは、イギリス出身のトーマス・リブシーさん、絵美子さん夫婦。食品ロス削減に取り組む知人に生江シェフを紹介されて意気投合した。

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材料の一部にパンを使う「ブレッド・ビール」は、イギリスやベルギーを始め、世界中に広がりつつある。リブシーさん夫妻が目指すのは、通常の2倍のパンを使った濃厚なビール。成功すれば、より多くの"余りものパン"を美味しく活かすことができる。一流シェフが作ったパンとリブシー夫妻のこだわりは、果たしてどんなビールを生み出すのか。

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食品ロス問題に対峙する人々の挑戦を追った「ガイアの夜明け」は、今晩10時から放送。どうぞお見逃しなく!

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