北大路×風間×上白石が鼎談「2人の声が聞きたくなって、”どうしているかな?”と、つい電話してしまいます(笑)」:記憶捜査2

公開: 更新: テレ東プラス

「北大路さんが包んでくださる現場の空気が温かすぎて...我々はもう甘えっぱなしです」(風間)

──とても仲の良い雰囲気が伝わってきますが、作品で共演する前と後で、お互いの印象は変わりましたか?

北大路「年齢差がすごくあるじゃないですか。だからどうなんだろうと思っていたら、みなさんがすごく大人でびっくりしました。視点や感じていらっしゃること、今まで育ってこられた環境など、僕はみなさんと話していろんなものを感じているんですよ。いや~僕の若いころに比べて本当にしっかりとしている。それに驚きました」

風間「萌音ちゃんの言葉の重みに震え上がるときがありますから(笑)」

北大路「あなたも人のことは言えないよ(笑)」

風間「ありがとうございます。最初は北大路さんとお仕事をさせていただけることにすごい喜びと背筋が伸びる思いがして現場に入ったのですが...。もちろんこの緊張感は保っていきたいとは思っていますが、あまりにも北大路さんが包んでくださる現場の空気が温かすぎて...。我々はもう甘えっぱなしです。こんな関係になるとは思っていなかったです」

上白石「本当にそうですよね。私も最初はすごく緊張していたのですが、あまりにもみなさんフランクで。常にどこかで笑い声が起きている現場なので、そこに馴染んでいることに気づき、我に返ってびっくりする自分がいます。ゲストの方もすごく楽しんで帰ってくださるのでうれしいです。伸び伸びした良い現場です」

風間「ただあまり伸び伸びしすぎないように...(笑)」

上白石「気を引き締めてやっていきたいと思っています!」

──風間さんと上白石さんは、現場で北大路さんからどのようなことを学ばれていますか?

北大路「そんなもの何もありませんよ。みんな自然体で向き合っているというか。自然体でいることが本当に素晴らしいんですよ。逆に僕の方が時々叱られたり...(笑) いや、いろんなとちりをしたりするからね」

風間「本当にもう、この北大路さんの温かい雰囲気から学ぶことばかりです。現場での佇まいだけでなく、北大路さんがお芝居で相手に接するときの声色や気持ちの伝え方を見ていて、やはり"気持ちが大事なんだな"と思いました。例えば僕は、大先輩がいらっしゃる中で芝居をするとき、"迷惑をかけないようにうまくやりたい"という気持ちが少し芽生えてしまうんですよ。でもそういうことではなく、役としての気持ちでそこにないとダメなわけで...。うまくやろうと思うことはそこに自分が出てしまっているので、そうでなくキャラクターとしてその場に立っていなければいけないと気づかされました」

上白石「本当に学ぶことが多く、常にメモしておきたいことばかりです。ドラマのラスト、鬼塚さんが事件の真相を語るシーンがありますが、特にそこでの北大路さんのお姿に毎回感動しています」

風間「鬼塚さんが一番話しているからね。本当に僕たちは申し訳ない気持ちでそこに立っている感じで」

上白石「いろいろ学ばせていただいています」

北大路「僕も同じですよ。みなさんがそこにいてくれることによって全部が成り立っている。現場に行けない鬼塚の代わりに二人が活躍してくれて、物語を終結させることができるわけです。それを鬼塚がしっかりと受け取って物語を導いていく...。だからこそ"丁寧に相手に伝えなければいけない"という気持ちが生まれます。みんなに"ありがとう"という気持ちがありますね」

──北大路さんは若いお二人とご一緒して、刺激を受けることはありますか?

北大路「もちろん僕にも若いころがありました。そのときにいろんな仕事をさせていただいた思い出や気持ちをチラッと思い出したりしています。僕らも先人の背中を見て育ってきたので、そのときのよい雰囲気は今でも大切にしたい。特に"これ"というかっちりとした何かがあるわけではありませんが、その時々で生まれる空気を大事にしていきたいと改めて感じています。それは先輩から教わったことであり、僕にとってもすごく大事なことです」

「若い世代の方も一緒に考えられる内容になっているので、年齢を問わず楽しんでいただけると思います」(上白石)

──未だコロナ禍にあり、ドラマの現場でも様々な取り組みがなされていると思います。STAY HOME期間はどのように過ごされていたのでしょう。

風間「僕は元々調べ物をすることが好きで、それがとにかく捗りました。航空関係やディズニーといった好きなものや、徳川家康など仕事にまつわることまで、ひたすらインターネットや本を読んでいました」

北大路「僕はどーんと疲れが出たんですよ。その分、元に戻さなきゃならなくて、実はちょっと大変でした。畳一畳分を使って体操をしたり...。あの頃、テレビでもいろんな体操を教えてくれていたので、それをマネしてね。そのうち股割ができるようになって、おでこが床につくようになりました」

風間「すごい!」

北大路「撮影が再開するとき"しっかりと元に戻らないといけない"という焦りもありました。もうしょうがないですよ、後期高齢者なんだから(笑)。今やっと元に戻って、いろいろやらせていただいてる状態です」

上白石「現場でたくさん体操を教えてくださるのは、そのときに覚えたものなんですね」

北大路「そうそう、テレビで見たものばかりなんだよ(笑)」

──最後に、本作の見どころを教えてください。

上白石「若い世代の方も一緒に考えられる内容になっているので、年齢を問わず楽しんでいただけると思います。そして何よりも、再びこうやって戻って来ることができてうれしいです。三人の活躍をぜひ見ていただきたいです」

風間「今、僕らが向き合わなければならない社会問題を扱っていて、見てくださる方もその問題を知る、考えるきっかけになるドラマです。フィクションの中に、我々が考えたい物語が組み込まれているので、ドラマで終わるのではなく、見てくださるみなさんの物語につながっていると思っています。今回も間違いなく面白いので、多くの方に見ていただけたらと思います」

北大路「"昭和"と"平成"を生きた鬼塚という人物が"令和"を迎えるというのは感慨深いです。"昭和""平成"を過ごしてきたことで、感じた記憶や培ったものをすべて活用し、仲間と一緒に事件に向かっていきます。物語は、"今"を捉えていると思います。今、自分たちが考えなければいけないことを素直に投影できたら良いのかなと。ぜひご覧ください」

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今シリーズから、平岡祐太演じる新署長・東が登場。鬼塚(北大路欣也)が捜査に踏み入ることが気に食わず、捜査方針を巡り、神(風間俊介)とも対立します。

いよいよ明日10月23日(金)スタート! 金曜8時のドラマ「記憶捜査2~新宿東署事件ファイル~」をどうぞお楽しみに!

(取材・文/玉置晴子)

【第1話あらすじ】

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ある事件で車椅子生活となった鬼塚一路(北大路欣也)は定年後、新宿東署の刑事課司法係長として再任用された。

ある日、『新宿植物園』で男性の死体が発見される。死体の身元は所持品から、「松本勇吾」という男性であることが判明。鬼塚は、その名前に聞き覚えがあり、不意にパソコンに向かい認知票(※)の検索を始める。すると、被害者は1か月前にバイク盗難により被害届を出していたことに気づく。認知票によって明らかになった盗難事件と今回の殺人事件...。この二つの事件には何か関連性があるのか・・・?

鬼塚は刑事官の神啓太郎(風間俊介)、部下の遠山咲(上白石萌音)と共に捜査を始める。だが、新署長としてやってきた東奏多(平岡祐太)は司法係である鬼塚らが捜査に踏み入ることが気に食わず、鬼塚らと捜査を進める啓太郎とも捜査方針を巡って対立する。

鬼塚の人並外れた新宿の土地勘と詳細な記憶により、捜査は少しずつ進展し、バイクを盗んだのは、令和になり多発した"改元詐欺"に関わる詐欺グループであることが発覚する。次第に事件の謎が明らかになっていく中、最後に待っていた"悲しい真実"とは一体...?

※認知票(刑法犯認知情報票)...被害届を受理した警察署が作成し、警視庁に送信する書類

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