超人気の進学校! 半世紀で”東大常連名門校”に上りつめた「駒場東邦中学校・高等学校」の秘密

公開: 更新: テレ東プラス

歴史や校風、卒業生のネットワークまで、名門校の知られざる姿を通してその秘密に迫る「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週日曜よる9時放送)。MCに登坂淳一角谷暁子(テレビ東京アナウンサー)、解説におおたとしまさを迎え、「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。

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今回の名門校は、男子新御三家として注目されている「駒場東邦中学校・高等学校」。1957年創立と比較的新しい学校だが、東大の合格者数を短期間で急増させ、瞬く間に人気校に。いったいなぜ、半世紀で東大常連の名門校にのし上がることができたのか。駒東で教員として30年勤め、今年校長になった小家一彦先生をゲストに迎え、その秘密を解き明かす。

京王井の頭線・駒場東大前駅から徒歩10分ほどの場所にある「駒場東邦中学校・高等学校」。首都圏の中学受験では超人気校として知られているが、1961年には2人だった東大合格者が、5年後の1966年には2桁超え。その後も着々と合格者数を増やし、2015年には、駒東史上過去最多の82人に。今年の東大合格者数ランキングでは全国7位、そのほか難関大学の合格者数も、京大11名・慶應102名・早稲田89名と、「男子新御三家」の筆頭と呼ぶにふさわしい実績を叩き出している。

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これだけのスピードで東大合格者数を伸ばした例は非常に稀で、その秘訣は「自主独立の気概と、駒東の"3F精神"にある」と小家校長。「自主独立」とは、他者からの保護や助けなしに自分の力で事にあたることを意味する。

卒業生には、「ナグモクリニック」総院長の南雲吉則さん、東京理科大学特任副学長の秋山仁さんなど個性的な面々を輩出。東京大学先端科学技術研究センター教授・稲見昌彦教授も駒東出身で、今回特別にリモート出演した。

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東京大学大学院工学系研究科博士後期課程を修了後、科学・工学分野の世界最高峰「マサチューセッツ工科大学」でコンピュータ科学人工知能研究所の客員科学者となった稲見教授。VRを見ながら離れた場所にいる人と共同作業ができるロボットや、背景が透けて見える「透明マント」など、驚きのアイテムを開発している。そしてこれらの発明の原点が駒東にあるという。

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1971年には高校からの生徒募集を廃止し、完全中高一貫の男子校となった駒東。そんな駒東の授業には、ある変わった仕掛けがある。社会科の授業が行われている教室を覗くと、高校1年の生徒たちが社会問題について学び、自分の考えを発表している。いくつかのグループに分かれ、全員が持ち時間1分の中で意見を発表。人の意見を聞くことによって自分の考えを見つめ直し、意見を交わすことで社会問題への理解を深める目的があるという。

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国語の授業で生徒が手にしていたのは、教科書ではなく文庫本。あらかじめグループ内で本の解釈を話し合い、意見をまとめて発表する授業が行われている。協調性や異なる意見を統一する力を身につける狙いがあるが、ここで鍵となるのが先ほど小家校長がズバリと言った「自主独立の気概」。自分で考え、意見を話す授業を行うことで、生徒の「自主独立の気概」を養っている。さらに駒東では、創立当時から英語などの科目で少人数制の授業を導入。生徒一人ひとりの理解度が高まり、60年以上続く伝統の授業となっている。

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駒東の秘密として小家校長が"自主独立"と共に挙げた「3F精神」。これは、「フレンドシップ(友情)・フェアプレイ(正々堂々)・ファイティングスピリット(闘志)」の頭文字。体育祭の選手宣誓などでも「3F精神」が謳われ、稲見教授は「学術研究の分野でも、この"3F精神"は大切。"フレンドシップ"は一緒に研究する仲間を広げること、"フェアプレイ"は研究をフェアにオープンに行うこと、"ファイティングスピリット"は、誰かに勝つより、真理を探究するための内なる情熱を持つという考えに繋がる。当時はよく意味が分からなかったが、今では非常に尊い言葉」と語る。

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駒東の課外授業には、専門家から本格的な指導が受けられる体験型授業「ブラックジャックセミナー」が。近隣にある「東邦大学大橋病院」協力のもと、生徒が本物の医療器具に触れ、実習の現場を垣間見ることができるとのこと。医療現場の他にも、裁判の傍聴や狂言の体験などがあり、「教員が"面白い"と思った場所に生徒を誘い出すような感覚」と小家校長。

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駒東の校内には、理科室が9室も。世界的な科学者として知られる稲見教授の原点も、この理科室にあるという。「高校生の時に"酸化物超伝導体"の実験をしたんですけど、全く上手くいかなくて...。すると、科学部のOBで当時東大の学生だった方がその話を聞きつけて、突然英語の論文を持ってきてくれたんです。"この通りにやれば作れるから"と。戸惑いましたが、なんとか頑張って成功しました」。稲見教授は懐かしそうに理科室での思い出を振り返った。

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生徒たちの知的探究心は文化祭にもあふれている。文化祭では、生徒たちが興味を持ったモノをとことん探究し、その成果を展示。それが「面白い!」と話題になり、毎年学外から1万人以上の来場者が詰めかけるという。

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最後に小家校長は、「駒東は思う存分"悩む"場。中高の6年間は、一般的に反抗期や中だるみと呼ばれる時期。より確実に前へ進むため、6年間思う存分悩むことができる。それこそが、中高一貫校の強み」と語った。

番組では他にも、修学旅行に向けた生徒たちのプレゼン大会、部活動や体育祭の様子など、盛りだくさんでお届けする。

この放送は、「ネットもテレ東」で期間限定配信中です!

そして明日よる9時放送! 「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東)は、「離島留学が人気!大崎海星高校の挑戦」をお届け!

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かつて、廃校寸前に追い込まれた高校の奇跡の物語。その高校とは、瀬戸内海に浮かぶ離島にある、現在の生徒数わずか90人ほどの小さな高校、広島県立大崎海星高校。島の人口減少で生徒数が激減し廃校もやむなしと言われた中、島民ぐるみで生徒数を回復させて話題となっている。しかし生徒を増やすのは簡単な事ではなく、様々な壁がたちはだかっていた。島の若者たちは中学を卒業すると、島外の高校へ進学するのが常で、県から示された猶予期間は 3 年...この間に生徒80名が継続して集まる状況を作らなければならな
いという厳しいものだった。

島の中学生だけでは到底成し得ない数字...後がない中、高校がとった起死回生の手段は、全国から生徒を募集すること...「離島留学」だった。島の予算で学生寮を作り、学力向上のため塾まで作る。魅力を発信するため、東京や大阪で 10 回以上に渡り、学校説明会を開催。だが、名もない瀬戸内の離島の高校に関心を向けてくれるのか?

島の予算を使って高校を守ろうとする町長には住民から批判の声も。だが、いつしか島の人々も応援。島外から来た生徒の面倒も見てくれる人も大勢現れた!離島留学してきた生徒も、慣れない新天地での暮らしの中、島民とのふれあいを通して快活さを取り戻していく。

町長・先生・住民・島外の協力者・そして生徒たち...その力の全てが結集して成し得た奇跡の復活物語の全容に迫ります。

【プロデューサー・三沢大助(テレビ東京 制作局)コメント】
「若者が学校で学ぶのは、受験に役立つ勉強や知識ばかりではありません。伝統、友情、そして生きていくことの意味...。 IT 全盛の時代、全国の画一化がますます進む中で、自分の居場所を見つけることが出来ずにいる若者も増えています。 そんな中、小さな離島の人々が示してくれた「もうひとつの進学の道」。そこには、誰もが一人一人の自分を大事にできる。 そして、誰もが誰かの役に立っている。そんな当たり前の幸せがありました。生徒たちの生き生きとした笑顔がその証です。 ぜひ、ご家族みなさんでご覧下さい。きっと「新しい何か」を発見できるはずです」

<ゲスト>
高橋真麻 大林秀則(大崎海星高校元校長)

どうぞお楽しみに!

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