中高卒と大卒の間の格差を解消したい...「三井物産」も一目置く”ヤンキーインターン”:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)。10月13日(火)の放送では、日本社会における新たな働き手を発掘する話を紹介。元ヤンキーが立ち上げた人材育成企業から、日本の雇用の在り方を考える。

人生を変える研修でヤンキーが生まれ変わる!?

人材不足が大きな問題となっている日本において、異色のプログラムが注目を集めている。それは、不良少年や不登校だった若者たちなどを集めて訓練し、大手企業で活躍する人材に育て上げるもので、その名も「ヤンキーインターン」。

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東京・原宿にあるスタートアップ企業「ハッシャダイ」に集まるのは、中卒、高卒の若者たち。参加は無料で、研修中は住まいと1日1000円の食費が提供される。研修では、名刺交換などビジネスの基本マナーから、マーケティングや営業の実践までを学ぶ。「ヤンキーインターン」の卒業生は、すでに350人以上で、上場企業や勢いのあるベンチャー企業に就職している。

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なぜ研修を無料でできるのか...そこにはあるノウハウが。インターン生は、研修の一環として実際に営業をおこなう。その利益で研修の運営費を賄っているのだ。主力は企業を対象にした電話営業。インターネット回線、電気料金の割引サービスなど、複数の商材を扱う。無料にすることで若者が参加しやすく、学歴にこだわらずとも、質の良い人材を発掘できる場となっている。

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「ハッシャダイ」創業メンバーである勝山恵一さん(25歳)も、かつては自他共に認める札付きのヤンキーで、最終学歴は中卒。しかしその後、仕事の面白さを教えてくれる人や環境に出会って更生。勝山さんは「学歴がないために職業を選択できない社会を変えたい」と、5年前に仲間と会社を立ち上げた。これまで150以上の少年院や児童養護施設、学校からオファーを受け、若者たちに"生き方"を説いて回っている。

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今年4月からインターンに参加したのは、17歳から24歳までの18人。人生を変えたい、と岩手から上京した男性や親が病気になり大学進学を断念した男性など、抱える事情は様々。慣れない営業活動に悪戦苦闘するインターン生たち。

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大手総合商社も注目するヤンキーインターンの実力

7月、「ハッシャダイ」の勝山さんが緊張の面持ちで向かった先は、大手総合商社「三井物産」本社。「三井物産」のネットを使った新規事業の営業支援に、「ハッシャダイ」が選ばれたのだ。担当者は有名大学を卒業したエリートたち。多くの会社を検討した結果、「ハッシャダイ」の迅速な対応と実績が目に留まり、正式に頼むことにしたのだった。

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後日、「三井物産」の二人が、インターン生に会うため「ハッシャダイ」へ。担当するのはインターン生の宮平貴琉さん(22歳)。丁寧に下調べする姿勢や、落ち着いた物腰が評価され、抜擢されたのだった。物怖じせず次々と質問を投げかけてくる宮平さんに「三井物産」の二人も感心。「むしろお尻を叩かれるくらい...仲間としてチームとして一緒にやっていける」と話す。「三井物産」と中卒、高卒の若者のコラボは成功するのか。

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夏が近づくと、「ハッシャダイ」の社員を悩ませる事態が。今年は新型コロナウイルスの影響で、採用を見合わせる企業が続出。インターン生が希望の就職先に就けるか、暗雲が立ち込める状況に。それでも8月に入ると企業の採用活動が本格化。大手企業の面接に臨むインターン生。「ハッシャダイ」に自ら赴き、会社説明会を開く企業も。学歴を問わず採用に意欲的な企業が増えてきているのだ。

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順調にプログラムをこなし成長していくインターン生がいる一方、営業は合わないと「ヤンキーインターン」を続けるかどうか悩む人も。果たして、半年間の研修を無事終えられるのか? そして、彼らの進む道は...?

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能力がないわけではない、学歴がないだけの若者をどう鍛え、どう生かすか...。「ガイアの夜明け」は、今晩10時から放送。どうぞお見逃しなく!

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