深夜の大都会でバカ売れ!? 茨城で本場のタイ野菜を作るウワサの働き者夫婦を追跡:YOUは何しに日本へ?

公開: 更新: テレ東プラス

日本を訪れる外国人たちを、空港や全国の市町村で勝手に出迎えてアポなしインタビュー!
そのまま密着取材を行う「YOUは何しに日本へ?」(毎週月曜夜6時25分~)。今回のテーマは「つかめ!バラ色の人生 日本でワンチャンあるかも!?SP」。日本でのワンチャンにかけて奮闘するYOUたちに密着する95分、はたしてどんな面白YOUに出会えるのか?

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空港を飛び出し、日本全国の市町村で面白YOUを大捜索する「出張YOU」。今回探すのは、平将門によって開拓されたといわれる茨城県坂東市。市街地を離れれば田畑が広がる田園都市で、市民の足はおもに自家用車かバスだ。

夏ネギの出荷量が日本一で、名物グルメは「ネギすき」という坂東市のイメージキャラクターは、「ねぎ爺」「将門くん」「バンドール・ばんな」など、いろいろいて賑やか!

人口約5万3000人の地で暮らすYOUは約2,700人。どんなYOUが見つかるかな~。

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町で見かけた方に案内していただいたのは、タイ出身のサタポンさん(65・以下、パパYOU)&ラオス出身のシーサアットさん(63・以下、ママYOU)ご夫婦が営む野菜農園。2人は本場タイ野菜を各所に出荷しており、なかでもいちばん人気はパクチー!

取材を快諾してもらえたので、このまま密着することに。

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手始めに畑で自慢のパクチーを見せてもらった。タイから種を取り寄せ、本場と変わらぬ最高のパクチーを作っている。スープのダシや調味料にも使うため根っこ付きで出荷するが、その量は多い月でなんと1トンにも! 出荷先は全国規模で、超メジャーな某高級スーパーもお得意様だ。

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また、パクチー以外に作るものもすべてタイ野菜。マクアポ(タイナス)からカナー(ケール)まで多種で、スゴい農夫婦なのだ。

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ところで、なぜYOUたちはタイ野菜を日本で作るのか。じつは再婚同士という2人の出会いは、日本だった。

ママYOUは"インドシナ難民"として来日したそうだ。インドシナ難民とは、ベトナム戦争終結後の1975年以降、ベトナム・ラオス・カンボジアが社会主義体制に移行した際、体制になじめなかったり、内戦を逃れるために自国外へ脱出したおよそ144万人の人々のことで、ママYOUもそのひとり。

1985年に前夫と子どもと一緒に来日し、神奈川県の難民支援施設で暮らしながら日本の文化や言葉を勉強した。ようやく日本で幸せになれたと思ったのも束の間、7ヵ月目で離婚。2児を育てるため、昼間は老人ホームで料理、夜はディスコで皿洗い、と働き詰めの毎日で、泣きながら2児を育てたママYOU。

そんなとき、出稼ぎで来日していたパパYOUと知り合い、16年前に再婚! 2人で始めたのが、母国の野菜を作る農業というわけだ。それは「日本でも故郷のものを食べたかったから」だと言う。今では近所のタイYOUをスタッフに加え、大所帯になった。

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夫婦はとにかく1日中よく働く。ここからは、この日の多忙な仕事ぶりを時系列形式で追跡していこう。

【午後12時20分】
夫婦の自宅で、パパYOUが朝の9時半から仕込んだ特製タイラーメンをスタッフ全員にふるまわれた。自慢のパクチーもてんこ盛りで、めっちゃウマそう!

お昼を食べながら過ごす賑やかな団らんは、夫婦にとっても至福のひととき。夫婦は、スタッフYOUからも「本当に素晴らしい人よ」と愛されていた。

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【午後1時】
お昼が終わると、パクチー畑で種植え。

【午後2時15分】
パパYOUが農機でビニールハウスの準備を、ママYOUは採れた野菜を洗う。

【午後2時48分】
ヘチマ畑で収穫。

【午後3時50分】
ケール畑で収穫。

【午後4時13分】
別のパクチー畑で収穫。

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【午後8時30分】
スタッフが仕事を終えて帰宅した後も、まだまだ夫婦の活動は続く。2人でワゴン車に乗り込み「出発進行!」とスタートした。夜のお出かけ?

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【午後10時】
到着したのは千葉県松戸市のとある道路脇。辺りは住宅街で、いったい何を始めるのかと思えば、次々に人が寄ってきては車内へ。

じつは車の荷台には収穫したてのパクチーをはじめ、新鮮タイ野菜や調味料がぎっしり陳列されており、夫婦が始めたのは車内販売だった! 夜更けにもかかわらず、野菜が飛ぶように売れ、スゴい人気。

【午後10時42分】
タイ古式マッサージ店前。

【午後11時23分】
タイ料理店前。

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【午前0時12分】
日付が変わるころ、移動販売は東京を目指す。まずは葛飾区新小岩のタイ料理店へ。深夜ながら、パクチーもバカ売れで大繁盛。

【午前1時25分】
江戸川区 中央スナック前。

【午前2時1分】
西小岩 タイマッサージ店前。

【午前2時22分】
西小岩 タイ料理店前。

【午前2時45分】
南小岩 スナック前。

お客さんからは「ママたちの野菜は美味しいしキレイ。新鮮だから待ってるよって言われるから」と、高評価をいただいているのだとか。だから、「私たちが持っていくの。車ない人もいるし、時間ない人もいるから車内販売やってる。そうすればもっと喜んでくれるから」と、ママYOUは嬉しそうだ。

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出発後はこのとおりほとんど売り切れ。

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【午前3時46分】
錦糸町のタイ料理店前で在庫が底をつき、販売終了。運転席でついウトウトするパパYOUを起こし、午前4時37分に錦糸町を後にした。

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こんなふうに明け方まで続く移動販売は、なんと週6というハイペース。帰宅してほんの3時間眠ったら、再び畑仕事の始まりだという。こうして人気農家の1日を見届けたところで、密着は終了。

どうかいつまでもお元気で、美味しいタイ野菜をみんなに届けてあげてね!

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