マスクによる肌荒れ(ニキビや炎症)に効果的なお茶と漢方薬があった! おすすめの食べ物もナビ:主治医の小部屋

公開: 更新: テレ東プラス

毎週木曜夜7時58分から放送の「主治医が見つかる診療所」は、第一線で活躍する医師たちが、より健康に、より快適に生きるための医療情報を紹介してくれる知的エンターテイメントバラエティです。

今回WEBオリジナル企画「主治医の小部屋」に寄せられたのは、新型コロナウイルスの感染予防には不可欠なマスクにまつわるお悩み。長時間マスクを着用することで生じた肌荒れに困っている方も多いことでしょう。さっそく同番組に出演中で内科・漢方内科がご専門の石原新菜医師に相談してみましょう。

マスクとの間にガーゼを挟んで応急処置

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Q:20代女性です。新型コロナウイルスの感染予防のためにマスクを着用していたら、あごにニキビが繰り返しできるようになってしまいました。マスクは毎日洗濯したり交換したり、あごもこまめに拭き取るなど清潔を保つようにしているのですが、このままニキビ痕が残らないか心配です。肌荒れを防ぐ方法や、もし、おすすめの漢方薬などがあれば教えてください!

── 例年にも増して厳しい暑さのなか、マスクによる肌トラブルが増えてきているようです。暑くてもマスクを外せないために、毛穴が詰まりやすくなっているのでしょうか。

「マスクによる肌荒れの原因は、マスクの中が蒸れることによって雑菌が繁殖しやすくなっていることにあります。また、マスクが皮膚に当たって擦れるという物理的な刺激もニキビの原因になります。この相談者のように日ごろからマスクや皮膚を清潔に保つというのは、肌にはとても大事なことなんですね。

肌荒れを防ぐ方法として、まず覚えておきたいのは、なるべく肌に優しい素材のマスクを選ぶことです。不織布のマスクはどうしても肌触りがよいほうではないので、ガーゼや綿など天然素材のマスクに変えてみるといいかもしれません。不織布マスクを使いたい場合には、直接皮膚に当たらないように間にガーゼを挟むなどすると刺激が軽減されます。

ただ、長時間マスクをしていても肌荒れを起こさない人もいるわけですよね。ということは、やはり生活習慣を見直して、体の中からバリア機能を高めていくことが大切なのです。毎日の食事で、油分の多いこってりしたものをたくさん食べているようならそれを改める、野菜を多くとるように気をつけるといったことでもだいぶ違ってくると思います。

また、女性に多い便秘も要注意です。便秘になると肌トラブルが起こりやすくなるので、そういうところにマスクのムレと刺激がプラスされてニキビや吹き出物が余計に出てきやすくなっているということも考えられます」

── 食事の話がありましたが、お肌のために積極的にとったほうがいい食べ物などはあるのでしょうか。

「発酵食品は腸内環境の改善に効果があるので便通を良くします。栄養素としては、炎症を抑える働きがあるビタミンC、肌のターンオーバーを促すビタミンAを多く含むものが良いと思います。ビタミンAには美肌効果もあるんですよ。

おすすめなのは、私も毎朝飲んでいるニンジンリンゴジュース。ニンジンに多く含まれるβ-カロテンは体内に入るとビタミンAに変換されて作用します。もちろんそのままでも十分おいしいのですが、そこにレモンをしぼるとさらに味も美味しくなりますし、ビタミンCもより多く摂取できます。また、ビタミンA(β-カロテン)やビタミンCは "抗酸化ビタミン" と呼ばれていて、活性酸素から体を守る働きがあり、シミやシワなど肌の老化を予防します。こういった肌に良い成分をとりながら、腸内環境を整えていくことが大事なのです。

反対に避けたほうがいいのは、先ほども言ったように揚げ物ばかりといった食生活。脂質のとりすぎなど偏った食事は皮脂の分泌を活発にさせやすく、汗腺(毛穴)を詰まらせてしまうのでできるだけ控えたほうがいいですね」

半身浴や便秘予防策で代謝を上げることも忘れずに

doctor_20200930_02.jpg画像素材:PIXTA

── そのほか日常生活でできる改善方法はありますか。

「運動やお風呂で汗をかくと肌の代謝も良くなり、毛穴に詰まったものを押し出しやすくなります。汗をかきにくい人は半身浴などで発汗を促すといいでしょう。よくデトックスといいますが、汗も便や尿のように体外に出すことで毒素を排出しています。皮膚は排泄器官であり、大腸や腎臓と一緒で悪いものを出すところなのです。

要は、油っぽいものを食べ過ぎない、便秘をしない、汗をかく、が美肌には重要なんですね。こうした生活パターンを見直していくだけで、だいぶ改善されると思いますよ」

── 漢方薬でニキビを治すことはできるのですか。

「"清上防風湯"(せいじょうぼうふうとう)はニキビの治療によく用いられる漢方薬です。肌のターンオーバーを整えるなら "薏苡仁"(よくいにん)。薏苡仁はハトムギの種皮を取り除いた種子を乾燥させたもので、ハトムギが炎症を抑え、ターンオーバーを促すので美肌効果が期待できます。ニキビ痕なども残りにくくなりますよ。

薏苡仁の漢方製剤はハトムギを凝縮したものなので、薏苡仁配合の化粧水やサプリなどより、さらに効果があります。気になる方は医師に相談して処方してもらうといいでしょう。漢方薬はちょっと苦手という人は、薬局などで売っているハトムギ茶で代用してみてください。合わせて飲むとより効果的だと思います」

── 石原先生、ありがとうございました!

【石原新菜(いしはらにいな)医師プロフィール】

イシハラクリニック副院長、ヒポクラティック・サナトリウム副施設長、健康ソムリエ講師、本内科学会会員、本東洋医学会会員、本温泉気候物理医学会会員。1980年長崎県生まれ。2006年3月帝京大学医学部卒業、同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實医師のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。著書に『病気にならない蒸し生姜健康法』をはじめ、『「体を温める」と子どもは病気にならない』、『冷えをとれば9割治る』"など。2児の母でもある。

※この記事は石原新菜医師の見解に基づいて作成したものです。

今回お話を伺った石原先生も出演する主治医が見つかる診療所SP【新型コロナ3大真実&芸能人人間ドック&認知症】(10月1日木曜夜6時25分)は3時間半スペシャル!

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新型コロナウイルス感染症のスペシャリストたちはこうしている! 「うがいは意味がある?」「手指アルコール消毒は必ず○○して使う!」「手を洗うときは○○を使わない!」など、意外と知らない新型コロナウイルスの「3大事実」とは? ほかにも認知症と診断されたあの芸能人の認知症改善プロジェクトから、認知症を予防するため、普段の生活から取り入れられるポイントをご紹介! さらにゲストに血液・肺ドックを実施したところ意外な結果が...。どうぞお楽しみに!

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