ワンコやニャンコのかわいい姿をお届けする「どうぶつピース！！」（毎週木曜夜6時25分放送）。8月20日（木）放送から、「アシカの赤ちゃんを救え～飼育員が起こした奇跡～」をプレイバック。仮死状態で誕生したアシカの奇跡の生還を、オードリー・春日俊彰主演の再現ドラマで紹介しました！

2019年6月28日、三重県の水族館・伊勢シーパラダイスではカリフォルニアアシカのチナツ（17歳）が初めての出産をむかえようとしていましいた。3ヵ月前にゴマフアザラシの出産から人工飼育という難題を成功させていた館長の田村龍太さん（演：春日俊彰）の指揮のもと出産準備をする飼育員たち。そして、いよいよ出産が始まりました！

飼育員にとってもアシカの出産は初めて。赤ちゃんの足が出始めて踏んばるチナツを「がんばれ」「上手よ」と一生懸命応援します。

午後6時13分、チナツが男の子を出産。しかし、赤ちゃんは仮死状態のよう。チナツがどれだけ触っても動くことも鳴くこともしないのです。

このままではまずいと判断した田村館長は、赤ちゃんを一度引き取ることに。生まれたばかりの赤ちゃんを奪われたチナツは激しく鳴いて抵抗していました。

飼育員の手で揺さぶりながら息をするように促してみるも、まったく反応しない赤ちゃん。
そこで田村さんは、体温が下がらないようにお湯を入れたペットボトルで温めた後、なんと直接息を吹き込んだのです。

「仮死状態で生まれたアシカの赤ちゃんが、人の心肺蘇生で生き返った事例を聞いた事がないですし、その時はもう必死だったのでとにかく目の前の赤ちゃんをどうにかしようと」と田村さん。

仮死状態で生まれてから10分、必死の救出作業が続けていたその時......赤ちゃんの口がわすかに開き鳴き声を発しました。6時23分、呼吸が始まったのです。「がんばった！がんばった！」「おはよう！」と飼育員が声をかけます。人工呼吸で蘇生という奇跡のような出来事。

しかし喜びも束の間、本当の闘いはここからでした。「蘇生した瞬間はうれしいですけど、仮死状態で生まれた原因がわからないので、ひょっとしたら明日には弱って死んでしまうかもしれない。ずっと不安でしたね」と田村さん。10分以上呼吸をしていなかったため、脳に後遺症が出てしまう不安もありました。8～10㎏が標準の体重も6.24㎏と小さめです。

ここで田村館長はチナツの元へ戻す判断を。母親からの初乳には免疫を作る成分が入っているほか、赤ちゃんに必要な栄養分も豊富に含まれているからです。ところが、どれだけチナツがうながしても赤ちゃんは反応せず。チナツもどうしていいのかわからない様子。

仕方なく、再びチナツから離してミルクを与えることに。専用ミルクがないためゴマフアザラシ用に作られているミルクを薄めて飲ませます。自分から吸うことができない赤ちゃんには、体内に管を挿入しカテーテルで胃に直接ミルクを流し入れました。いつ息絶えるかわからない状態。夜は輸液やステロイド剤を打ち、赤ちゃんの様子を見守ります。

翌朝、飼育員たちの思いが届いたのか、赤ちゃんはよちよちと歩くまでの回復を見せました。

ただし、まだ問題も。カテーテルのミルクを4時間おきに授乳期間の1年間続けるのは飼育員にも大きな負担になってしまいます。哺乳瓶で飲むことが次の課題に。吸うことでミルクが出るという仕組みを理解させるため様々な方法を試してみるも上手くいかず6日後には体重が5.6㎏に減っていました。

そんな中、田村館長がたまたま犬猫の保護活動をする知人と再会。「口をつまんで、強引に乳首を口に突っ込めば犬や猫は飲むようになる」とアドバイスを受け、さっそくアシカで試してみると......最初は嫌がっていたもののやがて飲むように！ 仮死状態で生まれてから9日後、飼育員たちは命を救う闘いに打ち勝ったのです！

その後、公募により「日向」と立派な名前もつきました。そして現在、伊勢シーパラダイスには体重は28㎏になり、心配していた脳の後遺症もなく元気に過ごす日向の姿がありました。

日向くんの一般公開はもう少し先ですが、運が良ければ館内を飼育員さんが世話をしている様子が見られるかも。ぜひ、遊びに来てね！

次回8月27日（木）の放送は、ゲストに堀田茜を迎え、「日向坂コラボ第2弾！いたずらペット悪猫アウトレイジSP」。

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