最高に旨い肉を喰らいたい! 1%に届け、元高校野球監督のフライパンにかけた”おもい”とは!

公開: 更新: テレ東プラス

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BSテレビ東京で4週にわたり放送される"片おもいのフライパン"も、本日24日が最終回。4種類のフライパン4兄弟がステキな奥様に恋する短編ドラマ4部作。自分の特色を活かし、それぞれのフライパンが極上の肉料理を作り上げ、奥様に愛を伝える物語。最終回は24cmフライパン:懐も深いが嫉妬深い、煮る焼く揚げるなんでも来いの引き出しの多い期待の新人、思井四郎だ。1~3話もこちらで公開中。

そんな"片おもいのフライパン"の中で使われているのは"おもいのフライパン"というフライパンに革命を起こしたヒット商品なのである。そのフライパンの生みの親、石川鋳造株式会社石川鋼逸社長に話を聞いた。

元々甲子園を目指した高校球児だった石川社長は大学を卒業した後は好きな野球を追い続け指導者の道を歩んだが、予めご両親と決めていた30歳になったら家業を継ぐという約束を果たすべく石川鋳造へ戻ってきた。

石川鋳造は直近では鋳物を扱う製造業が生業だ。鋳物とは鋳型に溶かした金属を流し込み作る製品を言う。身近なところで言うとマンホールや地下の水道管などがあると言う。いかに鋳物がタフな製品かがわかる。石川鋳造では直近自動車の部品などを主に作っていた。ただ鋳物は重い、自動車の部品も軽量な部品に移行しつつあった。

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そんな状況の中、開発に至った経緯を聞いた。

「自社製品の強みを活かし、自動車部品に代わるものはないか。生き残りをかけて社内にプロジェクトチームを作ったのが、私が社長に就任した4年後の2008年。きっかけとなったのは、やはりリーマンショックです。時代の流れに左右されない、自社の強みを活かせるものを開発すべきだと強く感じました。

僕初めてこのフライパンを開発する時に、幼い時からお肉が大好きだったのですが自宅でお肉を焼くと意外と美味しくないと感じていました。何とかそういったものを世に出せないかと思っていました。で、開発をする前に「お肉が美味しく焼けるフライパン」「調理器具」で検索をしたら一つも引っかかってこなかったんですね。世の中にそういったものがなかったものですから僕と同じ様な悩みのある方やお肉好きの方に是非ご自宅でお肉を美味しく食べて欲しいという思いからこのフライパンを開発しました。」

しかし社内でフライパンの開発を提案した際に先代からは反対されたと言う。反対の理由は、鋳物はキロいくらで売っている、大きなものが得意だった石川鋳造は数トンのものを作っている中で小さなフライパンでは事業がスケールしないだろうということだった。しかし石川社長のフライパンへの思いは強く強行突破、しかし、それはただ単に意固地になっているわけではなく自社の強み、弱みを分析して出した結果だったからこそ出来たことだった。

石川社長が開発した"おもいのフライパン"は一時的に入荷3年待ちに陥るほどヒットした。フライパンのセオリーである「軽さ+ふっ素樹脂加工」の真逆をいく、重くて無塗装のフライパンである。しかし重さは形状の工夫で軽減し、加工は少なからず有害であるが故、無塗装にこだわった。開発当時、"食"関係でのトラブルが社会的なニュースとして多く上がっていた。口にするものに対する安全を確保し、肉を美味しく焼くと言う至ってシンプルなコンセプトだ。しかし、言うは易く行うは難し。石川鋳造の技術力があって初めて実現できた。フライパンの熱伝導率が非常に高いため肉の旨味を逃さない。塗装がない分、愛情(手入れ)が必要だが油がフライパンに浸透し使えば使うほど焦げにくくなる育てるフライパンなのだ。

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ヒット商品を生み出した今後の目標とは何か。野球が中心の生活だった頃最も大事にしていた考え方の一つが目標設定だった。自分で立てた目標に対して達成するために今何をすべきかを考える思考が身についていたという。想いのこもったフライパンを開発し、立てた目標は日本の総世帯数の1%に使ってもらうこと。日本は約5500万世帯あるのでその1%となると55万枚のフライパンを売ることが今の目標だ。年間多くて3万枚の製造キャパなので20年近くかかる計算だ。世の中のメーカーは大半自社製品をより多くの人に使ってもらいたいって思っているところが多い。でも石川社長は違う。100人に1人使ってもらえればいいと考えると気が楽になり、その分こだわりの強い製品も作りやすいのだそう。

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そんな中、新たな展開として肉のサブスクを始めたとか。

「お肉サブスクって有名店でもやっているし、よくあるサービスなんです。ただ他のサービスはお肉を売って完結なんですよ。もしくはお肉が美味しいからその店に来てもらうかなんです。うちのサービスは美味しいお肉を美味しく焼くフライパンと売るから他社とは違うんです。最高の肉を焼くフライパンはうちにしかできないからこの仕組みはうちにしかできないんです。あと一つのお肉屋さんだと肉の種類が偏りやすいんですよね。ただ我々はいろんな問屋さんと取引ができるので種類も豊富なんです。フライパンを使ってもらいたいので肉のサブスクで儲けようとは思っていないんです。」

もともと初期投資や広告宣伝費をあまりかけずにここまで来た。自身のSNS発信から広がりを見せそれから徐々に売れ出したあたりで新聞社が取材に来てくれて、それがYahoo!ニュースに載って、それを見たテレビ局が取材に来て一時的に3年待ちに。しかし生産ラインを見直し徐々に生産数が増えてきて今に至っている。とはいえ日本の世帯の1%に使ってもらう目標に対してまだまだ"おもいのフライパン"は圧倒的に認知が足りないということで社長自ら広報宣伝活動に躍起になっている。

その活動の一つがYouTubeだ。

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社長自らサブスクの卸先や料理家さん等と旨い肉を喰らい、旨いお酒を呑む。社長の言葉通りこれも楽しんでいることがわかる。

片おもいのフライパンでも肉料理をつくっており、レシピはこちらに載っている。

8月中であればおもいのフライパンインスタアカウントをフォローしキャンペーン投稿にいいね!をおすと抽選で10名にフライパンが当たるキャンペーンもやっている。

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肉好きの読者の皆様もたくさんいることだろう。最高の肉と最高のフライパンの最強タッグ、ぜひ試してみたいものだ。肉のサブスクはフライパンがない方は契約中フライパンが貸与されるのでぜひお試しあれ。

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