コロナで冷え込む航空業界...JAL復活の鍵は「パンダ」と「うなぎ」!? ワーケーションにおすすめのスポットとは?:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)。7月28日(火)の放送では、日本航空(JAL)を3ヵ月に渡って取材。コロナショックによる逆風の中、再び飛び立とうとする現場の苦闘を追った。

国内線の需要を掘り起こせ!東京から1時間の「ワーケーション」天国

gaia_20200728_3.jpg新型コロナウイルスの影響により、航空需要は一気に冷え込んだ。JALの5月の利用客は国内線92.5%減、国際線は99%減。そうした中、JAL本社(東京・品川区)では、移動制限の解除を見据え、国内全127路線の担当者が一堂に会し、今後のダイヤを決めていた。

gaia_20200728_4.jpg一方、国内路線事業部の大澤勇気さん(35)は、夏のシーズンに向けてある路線を強化しようと計画していた。それは、南紀白浜空港(和歌山・白浜町)と東京・羽田を結ぶJAL単独の路線。「キラーコンテンツがある地域だが、東日本ではなかなか知名度が上がっていない」(大澤さん)との理由から、今夏の目玉のひとつとして打ち出そうと試みる。

gaia_20200728_5.jpg南紀白浜は、羽田から片道約1時間。白い砂浜と歴史ある温泉、そして様々な観光施設が空港から10分ほどの距離に集まっているのが、最大の魅力だ。中でも「アドベンチャーワールド」は6頭のジャイアントパンダを間近で、しかも隔てるガラスや檻もなく見ることができる。『上野のパンダ』で並ぶ時間を考えれば、1時間ほどで来られる白浜の方が早い...これも大澤さんが言う"キラーコンテンツ"だ。

gaia_20200728_6.jpgもう一つ注目したのが、いま働き方改革で脚光を浴びている「ワーケーション」だ。仕事(ワーク)と休暇(バケーション)を組み合わせた造語で、白浜町は町を挙げて推奨。ホテルなどで環境整備が進んでいる。新型コロナの感染防止対策としてテレワーク(在宅勤務)が注目される中、大澤さんは白浜を売り込む大きなチャンスになると考えた。

gaia_20200728_7.jpg問題は運賃。ワーケーションで利用するには、今の料金が高いとの意見があり、大澤さんは採算が取れるギリギリのラインを見極め、片道9700円というこれまでにない割引価格で勝負することにした。発売当初は売れ行き順調だったが、ここで思わぬ逆風が...。いったい何が起きたのか。

9割減便の国際線...救うのは"空飛ぶウナギ"!?

国内線以上に大きな打撃を受けた国際線。JALの国際便はいまでも9割が減便したままだという。その裏で、活路を開くため動いている人たちがいた。中国・上海の浦東(ほとう)国際空港。3月中旬から上海と日本を結ぶ全8便は今も欠航を続けている。

gaia_20200728_8.jpgそうした中、飛び続けた旅客便があった。乗客の代わりに貨物を載せた貨物便だ。JALは元々貨物専用機を持っていない。そこで、旅客機の貨物スペースを活用して、貨物で稼いでいたのだ。しかし、3月以降、大量に運んでいたマスクの需要が落ち着くと貨物量が減少。7月には一日2便から1便に減ってしまった。このピンチに先頭に立って動き出したのが、JAL上海貨物所・矢次創一所長(51)。「空っぽで(飛行機が)飛んでいく。これは絶対にできないこと。石にかじりついてでも貨物を集める」と話し、自ら営業にまわる。そんな矢次さんが目星をつけたのは"うなぎ"。ある業者のいけすを訪ねると、土用の丑の日を目前に控え、日本に向けて大量に出荷するという。

gaia_20200728_9.jpgしかもこの夏は土用の丑の日が7月21日、8月2日と2日あるという。これまでほとんどうなぎを扱ってこなかったJALにとって、受注は大きなチャンスになると考えた矢次さんは、続いて別のうなぎ業者のもとへ。「もし出荷が大量にあったらぜひJALを使ってください」と売り込む。果たして、矢継ぎ早のセールスは実るのか。

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初フライトなるか...34歳3児のママ "客室乗務員"に挑戦

今年4月、航空業界に足を踏み入れた門脇晃子さん(34)。大学時代、航空業界にあこがれ就職活動をしたものの、結婚などの事情で断念した。しかし、「航空業界に行きたい」という思いを秘めていた門脇さんは34歳になった今、再び夢に挑戦することにしたのだ。

門脇さんが入社したのは、中・長距離国際線に参入するJALの格安航空会社「ZIPAIR(ジップエア)」。JALが成長の柱のひとつと期待する重要なエアラインだ。

gaia_20200728_11.jpg千葉・鎌ケ谷市に住む門脇さんはいま3児の母親だ。長女の歩実さん(11)は「お母さんが飛行機の乗務員を目指していたのはずっと知っていた。頑張り屋さんだから、仕事が始まったらいい乗務員になると思う」、夫・誠一さん(38)は「今すごく生き生きしている。やりたいことがやれて毎日楽しそう。見ていて僕らとしても嬉しいし、家にいるときのように楽しく仕事をしてほしい」と背中を押す。

gaia_20200728_12.jpg6月3日、ジップエアは、成田-バンコクに初就航した。しかし、コロナの影響から当初の計画より1ヶ月遅れたうえ、入国規制が厳しく乗客を乗せられないため、貨物便としてのスタートとなった。7月からは韓国・ソウルに就航することになっていたが、先は見通せない状況に。

gaia_20200728_1.jpgその後、門脇さんはコロナの影響で在宅での研修が続いていた。「最近さすがに心配な部分が出てきた」と不安を隠せない。しかし、今やれることをやろうと、ひとり、訓練内容を復習する毎日。いつか来る日に備える門脇さんに7月、ある動きが...。空を飛べる日は来るのか。

新型コロナの影響で需要がなくなり、深刻な状況が続く航空業界。会社のため、夢のために進む人々の姿を今晩10時からの「ガイアの夜明け」で放送。どうぞお見逃しなく!

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