署名なしのクレジットカードが不正利用されたら...？ クレジットカードにまつわる最新トラブルを紹介

"滝沢カレンが理解できれば、視聴者みんなが理解できる！"をテーマに、経済情報や話題のニュース、世間を騒がせている流行のモノについて、誰にでもわかるように優しくかみ砕いてお届けするお勉強バラエティー「ソクラテスのため息～滝沢カレンのわかるまで教えてください～」（毎週水曜夜10時）。7月15日（水）の放送では、生活に欠かせないクレジットカードの最新情報を徹底解説した。

日本でもキャッシュレス決済は増えつつあるが、いまだクレジットカードを利用する人の数は圧倒的に多い。2019年のクレジットカード不正利用の被害総額は、なんと273.8億円。これは5年前に比べ約2.5倍で、いまだに増え続けている（一般社団法人「日本クレジット協会」調べ）。

そこで、クレジットカードにまつわるトラブルをクイズ形式で紹介。年間100万円相当のポイントを稼ぐクレジットカードの達人・菊地崇仁氏に問題点と対策を解説してもらう。

＜クレジットカード事件簿①＞
利用明細が届き、不正利用に気付いたKさん。財布を見ると該当のクレジットカードがない！そこでカード会社に問い合わせて警察に被害届を出すも、結果としてKさんは補償されず、被害額は自己負担になってしまった。

【問題】なぜ被害額が補償されなかったのか？

【正解】裏面にサインがなかったから。（※その他にも、補償されないケースは何個かあると菊地氏）。

クレジットカードの裏面の署名は必須で、最悪の場合は盗難されても補償されず、自己負担になる可能性があるそう。菊地氏によると「裏面には『署名のないカードは無効』と明記されている。これは会員規約で定められているため、『どんなサインでもいいから』書くように」と説明する。

逆に、サインであれば「〇×△」など記号でも問題なく「（悪用されないためには）真似しづらい署名にすればよい」（菊地氏）とのこと。もちろんその場合、サインを求められた際は署名と同じ文字にする必要がある。

＜クレジットカード事件簿②＞
利用明細が届き、不正利用が判明したOさん。普段クレジットカードは会食などで使用していた程度、カード自体は紛失していなかったのだが...。

【問題】食事の時しか利用していないのに、なぜ不正利用されてしまったのか。

【正解】（会食をした）店の裏でスキミングされた。

テーブル会計の場合、店の奥に決済端末があることが多い。そのため、カードを渡した際に店の裏で（店員に）スキミングされてしまったのだ。「携帯電話で表と裏の写真を撮られてしまったらもうおしまい」と菊地氏。ほとんどのネットショッピングはカード番号とセキュリティーコードが分かれば利用できてしまうため、表裏の両面を撮られると不正利用されるリスクが高まる。

クレジットカードが手元から離れると、カード情報が盗まれる危険が強まる。実際に起きた事件では、スーパーでレジ係をしていた男子高校生が客のカード情報80人分を盗み見し、航空券や宿泊費など1000万円以上を不正利用した疑いで逮捕された。

そこで、カード情報が盗まれるのを防止するため、最新のクレジットカードでは表面に情報の記載をやめ、裏面に書かれるケースが増えている。菊地氏いわく、将来的にはカード情報の記載そのものがなくなる可能性があり、「スマホと連動させて端末にカード情報を搭載することなどが考えられる」とのこと。

＜クレジットカード事件簿③＞
クレジットカードのキャッシング機能から現金が引き落とされていることに気付いたMさん。全く身に覚えがないが、調べてみるとカードがない！その現場となったのはスポーツジム...実はその発端は、何も考えずにしていたある行動が原因だった。

【問題】なぜスポーツジムでクレジットカードが盗まれてしまったのか。

【正解】（Mさんが）ロッカーとクレジットカードの暗証番号を同じにしていた。

「犯人がロッカーだけ監視していれば、ロッカーを開けてカードを盗んだら、すぐに悪用されてしまう」と菊地氏。「監視カメラがあるのに？」とも考えるが、ゴルフなどの場合はプレイ時間が長いため、より危ないそう。スキミングしてカード自体は戻されていることもあり、「手元にあるのに不正利用されている」といった事態も起こり得る。

スポーツジムやゴルフ場だけでなく、温泉やエステなど、一定時間カードから離れる時は十分注意が必要だ。また、覚えやすいという理由からカードの暗証番号を他でも利用するのは絶対にやめよう。