OGが語る「雙葉学園」のヒミツ...校長先生を”校長様”と呼ぶ？ テストの順位は出ない、表裏のない爽やかな品性はこうして育まれる！

名門校はなぜ、長きに渡り名門校でい続けることができるのか...。歴史や校風、卒業生のネットワークまで、名門校の知られざる姿を通してその秘密に迫る「THE名門校！日本全国すごい学校名鑑」(ＢＳテレ東毎週日曜よる9時放送)。MCに登坂淳一、角谷暁子(テレビ東京アナウンサー)、解説におおたとしまさを迎え、「名門とはいったい何か？」常識を打ち破る教育現場に密着する。

今回迫るのは、女子校御三家「桜蔭学園・女子学院・雙葉学園」のひとつ「雙葉学園」。"お嬢様の雙葉"と称され、女子御三家の中でも特に内部取材が難しい雙葉学園のヒミツに迫る。

中高一貫校で生徒数は約1100人。東大を始め、名門国公立大学や有名私立大学に多数が進学し、女優のかたせ梨乃やフリーアナウンサーの高橋真麻、お笑い芸人のいとうあさこなど、多くの有名人を輩出。明治8年「築地語学校」によって設立された雙葉学園の源流は、17世紀頃、フランスのニコラ・バレ神父が創立した修道会「幼きイエス会」。同じ頃、ニコラ・バレの弟子が「ラ・サール会」を設立し、雙葉とラ・サールは兄弟関係に。海外では雙葉学園の隣にラ・サール学園が建っていることもある。

初代校長はメール・セン・テレーズ。カトリックの精神に基づく"全人教育"をモットーとし、校訓は「徳においては純真に義務においては堅実に」「表裏のない爽やかな品性を備え、やるべきことを誠実にやりぬく強さを持つように」それが雙葉の教えだ。

女子御三家で唯一幼稚園があり、「お言葉遣いを丁寧に」「その服装、雙葉らしいかしら？」など、教師のきめ細やかな生活指導も雙葉ならでは（※番組調べ）。校長先生がシスターだったため、「校長様」と呼ぶ文化も。

「人と比べない」という校風から、中高6年間を通じて何かのテストで順位が出ることは1度もなく、校長は「トマトはトマトメロンはメロン（相田みつを）」という言葉を引用して教えを説いたそう。おおたは、「おそらくキリスト教系の学校は順位を出さないところが多い」と解説する。

中学進学時には外部から受験を勝ち抜いて入学してきた「外部生」と合流。勉強の仕方や試験のノウハウを身につけている外部生は、内部進学生からリスペクトされるという。

雙葉学園出身の同級生同士で開業した医師の恩田美湖さんと森武美帆さんは、高橋真麻とも同級生。雙葉卒業後は別々の大学に進学したものの、ともに慈恵大学病院で糖尿病の専門医として勤務。「もっと患者さんと向き合いたい」という思いから、今年4月「あおいクリニック」をオープンした。「中学生の頃から散々喧嘩してきて、お互い言いたいことも言えるし、友人同士でも一緒に出来るかなと思い開業しました」と恩田さん。クリニックの名前は、雙葉学園の校名の由来となった植物「フタバアオイ」からとったという。

こちらは誰もが憧れる雙葉のセーラー服。恩田さん、森武さんによれば、当時はセーラー服にベルトを着けるなど、アレンジを楽しむ生徒もいたとのこと。学校のトイレ掃除は当番制で30分〜1時間かけて行われるが、お嬢様が素手でトイレを雑巾掛けするというから驚き。恩田さんは「"掃除する人のことも考えて使うように"という教育的意味も込められているのでは」と振り返った。