コンビニおつまみも活用できる! 家ですぐできるコロナ太り解消法:主治医の小部屋

公開: 更新: テレ東プラス

木曜夜7時58分から放送の「主治医が見つかる診療所」は、第一線で活躍中の医師たちが、病院選びのコツや最新の健康法など、医療に関するさまざまな疑問に答える知的エンターテイメントバラエティです。

今回のWEBオリジナル企画「主治医の小部屋」では、ステイホーム中にいつの間にか増えてしまった体重についてのお悩みを取り上げます。さっそく、同番組のレギュラー・南雲吉則医師に相談してみましょう!

糖質主体の食事と運動量の低下が太る原因に

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Q:30代男性、ひとり暮らしでテレワークをしています。あまりお腹が空かず食欲もないので痩せているはずと思い、1カ月ぶりに体重を測ったら3kg太っていました。食べる量が減っているうえに、まめに掃除などの家事をしたり、体を動かしていたりしていたのでショックです。家の中でできるダイエット法を教えてください。

── 生活環境が一変して同じような悩みを抱えている人は多いと思います。いわゆる "コロナ太り" はどうして起こるのですか。

「まめに体を動かしているつもりでも、やはり家の中だけでは運動量はかなり少なくなっているんですね。たとえば、会社に出勤するとなれば、それだけで自宅から駅まで歩かなければなりませんし、階段の上り下りもあります。混雑した車内では揺れている中でバランスをとりながら立ち続けなければなりません。

会社も自宅よりは広いわけですから、ちょっと移動するだけでも相当な距離を歩行していることになります。おそらく家の中でまめに体を動かしていたとしても、距離にすればそれほどでもないのではないかと思います。

また、自宅で食事をすると、どうしても簡単に食べられる糖質主体の食事メニューになりがちで、外食しているときに比べてタンパク質の摂取量が減少しやすくなります。ひとり暮らしの男性ということであれば、料理をするといっても凝ったものを作るわけではないでしょうから、そうなると栄養のバランスが糖質に傾いている可能性が高いですね。

糖質というのは体の中で脂肪に変換されるので、とり過ぎれば太ります。食べる量が減って摂取カロリーは低くなったかもしれませんが、糖質は多かったということなのでしょう」

1日1食減らし、ストレッチで筋力を維持する時間を作ろう

shujii_20200715_02.jpg画像素材:PIXTA

── 食生活を改善するには、どんなところに気をつければいいのでしょうか。

「1つは食べる内容です。今までの糖質主体の食事から "おかず食い" に変えることですね。おかず食いとは何かというと、たとえば旅館に行ったときの食事を思い浮かべてみてください。お刺身、天ぷら、焼き物、煮物、お鍋などが出てきたりすると思うのですが、おひつ(ご飯)は最後まで出てこないですよね。そもそもおかずと一緒にご飯を食べるという習慣はないのです。

中華料理でも、前菜、エビ・魚、お肉......と続きますが、途中でチャーハンが出てきたりすることはありません。昔からおかずを主体として食べて、どうしてもお腹が満たされない場合に糖質を足すのが一般的な食事の仕方だったのです。

次に食事の間隔と回数です。皆さんだいたい普段より朝寝坊をしているのに、朝食を食べて、またすぐに昼食をとったりしますよね。退屈だから夕食も早くなっちゃったということになると、非常に短い間隔で3食食べることになります。これだと代謝しきれないのです。

こうした食生活になっている人は、どこか1食の代わりにナッツを食べるなどするといいでしょう。おすすめなのはコンビニのおつまみコーナーの商品です。柿の種以外のものはほとんどが肉や小魚、チーズ、ナッツ、豆類ですから、タンパク質をうまく摂取できます。そういうものの中から1袋選んで昼食代わりに食べてみるのはすごくいいと思います。

1食抜いて食事の回数を減らすというのなら、やはりお昼でしょう。朝食にはヨーグルトに皮付きの果物をサイコロ状に切って入れ、その上からエゴマオイルを少量かけて食べるのがおすすめです。朝いちいちご飯を炊いて食事を作るのが面倒な場合も、こうすれば食物繊維と善玉菌と、オメガ3脂肪酸(魚油に含まれているDHAやEPA、エゴマや亜麻仁などの植物油に含まれているα-リノレン酸などの脂肪酸の総称)。が豊富にとれるので、非常に健康的です。

そして夜はおかず食いをする。いちばん簡単なのは焼き肉やしゃぶしゃぶ、またはお鍋ですね。肉と野菜を買ってきて、最後の最後、全部食べ切るまでご飯を食べないということにしておけば、相当糖質の摂取量は抑えられるはずです」

── 家の中では同じ姿勢でいることが多くなるのもいけないのでしょうか。

「どうしても長く座っていたりすると、前に曲げるほうの筋肉だけが使われて、後ろに伸ばす筋肉をほとんど使わなくなります。そうなるとだんだん姿勢が悪くなり、インナーマッスルの筋力も衰えて太りやすくなるんですね。

私の場合は巣ごもりの間、夕方になるとYouTubeでヨガの番組を観て、毎日45分くらいヨガをしていました。ヨガというのは体を伸ばす運動です。普段使わないような筋肉を使って体をストレッチしてあげることは、筋肉のバランスを整えるうえでもいいと思いますよ。

食事と筋肉のバランスを整える――。そう意識しておくことで、テレワーク中でも理想的な体型を手に入れることができると思いますから、ぜひ試してみてください」

―― 南雲先生、ありがとうございました!

【南雲吉則医師 プロフィール】
医学博士 昭和56年3月、東京慈恵会医科大学卒業
東京女子医科大学形成外科研修、癌研究会附属病院外科勤務、東京慈恵会医科大学第一外科乳腺外来医長を歴任。平成2年 医療法人の認可を受け、「医療法人社団ナグモ会ナグモクリニック」を開設。医療法人社団ナグモ会理事長、ナグモクリニック総院長 平成28年4月 ナグモクリニック福岡院長。
著書に「命の食事」(主婦の友社)、「紫外線のすごい力」(主婦の友社)など多数。

※この記事は南雲吉則医師の見解に基づいて作成したものです。

今回お話を伺った南雲先生も出演する主治医が見つかる診療所スペシャル【得する健康クイズ大会 主治医からの挑戦状】(7月16日木曜夜7時58分)。

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今回はいつもと趣向を変えて、「主治医からの挑戦状」という名のクイズ大会! 血管が若返るクイズや免疫力アップクイズをはじめ、これからの季節にぜひ試してほしい「夏バテしない栄養の摂り方」クイズまで、さまざまな問題にゲストと一緒に挑戦しよう! 答えるだけで自然に医学知識が増えて健康になれるクイズが盛りだくさん。どうぞお楽しみに!

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