人間全身洗浄機、どこでも手洗い機...Withコロナで”キレイを進化させる”日本のものづくり:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)。7月14日(火)の放送では、新型コロナウイルスの影響で生活様式が変わりつつある中、新たなビジネスのチャンスを見出す企業の挑戦を追う。

水道不要! どこでも手洗い機でコロナ対策に

AI(人工知能)を用いた濾過装置で何度も水をきれいにし、水道がないところでもシャワーを浴びることができる「WOTA BOX」を開発したベンチャー企業「WOTA」(東京・豊島区)。さらに、自社の技術を生かした新たな取り組みを始めた。

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前田瑶介社長(27)が目を向けたのは、新型コロナを始め、ウイルス対策として有効な"手洗い"。「新しい水インフラを作る!と言ってきた会社なので、コロナの状況の中でどういう水の使い方をして安全や衛生を作っていけるか」と語る前田さん。そこで考えたのが「WOTA BOX」の濾過装置を応用した、水道がいらない"どこでも手洗い機"だ。

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5月末、前田さんたちは神奈川・綾瀬市にある開発協力会社を訪れ、手洗い機の試作機を確認した。この試作機は、ドラム缶に小型化した浄水装置を入れ、蛇口が付いた天板を取り付ける作りになっている。「ドラム缶は安くて丈夫。液体を運ぶ象徴的なもので存在感もある。建物の中などでも目立つのが大事」と前田さんは話す。

使用した水を繰り返し浄化し、20リットルで約500回の手洗いが可能。洗った手を調べると、ほぼ菌が残っていないという結果が出た。

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6月20日、前田さんたちは開発開始から約1ヵ月半で完成させた量産モデル最終試作機を、鎌倉市に持ち込み、一般の人を相手にした実証テストを実施した。県をまたいだ移動の自粛が解除された最初の週末ということもあり、街は地元民や観光客でごった返していた。循環した水に抵抗はないか、どこに置けば使いやすいか、観光スポットでの反応は......。駅前商店街の入口や人気スイーツ店の店頭、人気観光スポット・長谷寺などでもテストを重ねる。鎌倉市の担当者は、「もう少し台数を増やして期間を長くし、どんな成果が上がるかを見てみたい」と前向きだ。

6月下旬、さらなるチャンスが舞い込む。JR駅直結の商業施設15店舗を展開する「ルミネ」森本雄司社長が、手洗い機の導入を検討するため「WOTA」を視察。そして7月上旬、JR新宿駅直結の商業ビル「NEWoMan(ニュウマン)」に試作機を置き、女性客の反応を見ることに。果たしてその結果は......。

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コロナ禍で逆境の町工場 得意のものづくりで起死回生!

コロナ禍での思いがけない勝機。それは小さな町工場にもやってきた。バイク部品やスマホケースの製造を手がける「ギルトデザイン」(三重・亀山市)の3月の売り上げは、新型コロナの影響で前年の約半分になっていた。このままだと仕事がなくなる......そんな中、松葉真一取締役(45)は、東京にいる知り合いが「手すりを持つのが怖い」と話していたことに着目する。

手の代わりに握るものには需要がある。そう考えた松葉さんは自社の技術を生かし、小さな金属製のフック「アシストフック」(1848円)を生み出した。アシストフックは殺菌性が高くウイルスの残存時間が短いとされる純銅製で、つり革を持つ、ドアノブやタッチパネルに触れるといった動作を直接触らずともできるコロナ対策グッズだ。

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4月に発売したアシストフックは、約3ヵ月で約3万個が売れ(※年間目標1万個)、大ヒット商品に。製造を担当する女性は「コロナでこういう仕事ができるとは思っていなかった」と話す。

さらに松葉さんは次の商品開発も始めていた。用意したのは銅と真鍮(しんちゅう)のシート。いったい何が生まれるのか。

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「世界にない商品を」洗車機メーカーが開発した"人間全身洗浄機"!?

鉄道用の洗車機で国内シェア7割を誇る「日本車輌洗滌機」(東京・江戸川区)も、コロナ対策となる新商品「ウオッシュミスト」の開発を進めていた。

ウオッシュミストは透明なコンテナ型で、中を通ると全身に除菌ミストが吹きかけられ、出口に到着すると止まる。歩くだけで除菌ができる、まさに「人間全身洗浄機」だ。

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「今まで持っていた技術を生かし、世界にない商品を開発できないか」。増田尚弘社長(45)は思いを語る。洗車機にも使う100種類以上のノズルから最適なものを選び、噴霧量やノズルの角度なども細かく調整。どうすれば不快感なく全身に吹きかけることができるか......実験を続ける。結果、「全身の90〜95%は衣類に対して噴霧できた」と増田さん。マットの消毒液で靴の裏をキレイにするのも忘れない。期待も大きく、問い合わせ数は100件を超えた。

ところが、立ちはだかったのは「ある事情」。このままでは製品化ができない......。問題を解決するため、増田さんは奔走する。

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「Withコロナ」時代に突入し、独創的なものづくりで新たな風を吹き込む人々の姿を、今晩10時からの「ガイアの夜明け」で放送。どうぞお見逃しなく!

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