ステイホーム中に始めたガーデニングや家庭菜園、失敗の原因は? 初心者が守るべき園芸の初歩

公開: 更新: テレ東プラス

おうちで過ごす"ステイホーム"中に、美しい花々や野菜を育てようとガーデニングや家庭菜園を始めてみたものの......こんなはずじゃなかった......。失敗の原因は、意外なところにあるかも!?

さまざまな専門家がお役立ち情報を提供する「なないろ日和!」(毎週月~木 午前9時26分~放送中)から、"ガーデニングの達人"である園芸家・川原田邦彦さんに、失敗しない「園芸のポイント」について話をうかがいました。初心者も、これさえ押さえておけば大丈夫!

nanairo_20200712_01.JPG

準備するモノは?

最初に揃えたいのは「スコップ」、水やり用の「ジョウロ」「ハサミ」の3つ。

「スコップ」と「ジョウロ」は、お好みのモノでOK。
「ハサミ」は、切れ味の良いプロ用を!
「植物を切るということは、人間に例えるなら手術を施していることと同じ。切り口が悪いと、植物が傷んでしまいます」(川原田邦彦さん、以下同)。3,000円台から購入できるとのこと。

「土」はどうする?

土作りのポイントは「水はけ」第一!

【鉢植え・プランター栽培】
「赤玉土」に「腐葉土」を3割程度ブレンドすると、水はけの良い土に。

「培養土を使用する方が多いですが、鉢植えの場合は×。水持ちが良過ぎるため根腐れの原因になってしまいます」

【ガーデニング・露地栽培】
本格的にやるなら土を入れ替えるのが一番ですが、そのままの土でも十分。ただし、「水はけ」には注意。水はけの悪い場所は、地面にそのまま植えるのではなく、山型にこんもり盛り土をして植えましょう。

また、「野菜」の露地栽培の場合は、「黒土」がオススメ。ただし、黒土は鉢植えには適していないので、プランターで育てる場合は上記の「赤玉土」に「腐葉土」を3割程度ブレンドで。

「肥料」はどうする?

肥料は、12月~2月と5月~6月に!

nanairo_20200712_02.jpg画像素材:PIXTA

一般的に「寒肥(かんごえ)」と呼ばれる12月~2月と、夏を迎える前の5月~6月に与えましょう。サルスベリ(百日紅)、ムクゲ、百日草、ポーチュラカなど夏に花が咲く花木や草花は、花が咲いている時期に肥料を与えますが、それ以外は夏に肥料は必要ありません。

「多くの植物にとって夏はお休みの時期。夏に肥料を与えてしまうと、成長過多となったり、次の花芽ができなくなってしまいます」

初心者にオススメの植物は?

まずは簡単に育てられて楽しめるものを......という園芸初心者には、種を蒔いたその年のうちに発芽し、花が咲き、種をつけ、枯れる「一年草」や、種を蒔いた翌年に花を咲かせる「二年草」がオススメ。花が咲いている期間が長いので、さまざまな種類の花を手軽に楽しめます。また、「今年はホワイトガーデンにしよう」など、毎年テーマを変えた庭を演出することもできます。

nanairo_20200712_03.jpg画像素材:PIXTA

【主な一年草・二年草】
アサガオ、パンジー、ビオラ、ジニア(百日草)、マリーゴールド、ベコニア、ペチュニア、サルビア、アスター、アリッサム、キンギョソウなど

初めて園芸に挑戦する場合は、種からではなく苗から始めるのがオススメ。苗を替える際は、土と根が固まった状態なので、根鉢をほぐすことが大事。

初心者がやりがちなNG行動

お気に入りのお花、毎日、水をあげて大切にしているのに枯れてしまった!? 実はこれは初心者がやってしまいがちなNG行動が原因。失敗しないようチェックしましょう!

【肥料や水のやり過ぎはNG】
お花や木には毎日水をあげる......は、実はNG。鉢植えの場合は、土が乾いたら水をやりましょう。

庭植えの木の場合は、植え替えた直後の根は水を吸えないので、植えたタイミングでたっぷりやり、1週間おきに数回、その後は水をやらなくても大丈夫。水のやり過ぎは根腐れを起こす原因になります。

【木を植える時は専門家に相談】
ガーデニングが楽しくなってきたら、植樹にも挑戦したい! そんな時は、どんな木を、どこに植えるか、独自の判断ではなく、園芸店の店員など信頼のできる専門家に相談しましょう。土壌や日当たりなど、適したものを植えることが大切です。

【サボテンを枯らす原因は日光】
草花より楽だから......と育てはじめた「サボテンを枯らしてしまった」という方も多いのでは? 実は日本でのサボテン栽培は難しい!?

失敗の大きな原因は、日光不足。窓越しの室内の光だけではサボテンには足りません。ベランダや庭に出して、十分に日光を当てましょう。特に冬は暖房をいれる必要なありませんが、簡単なビニールの覆いを作ってよく日光に当てる事が大切です。

また、水のやりすぎもNG。サボテンに水が必要なのは春と秋のみで、夏に大量に水をあげると花が咲かなくなります。熱帯の植物であるサボテンにとって冬は水を切らすことで寒さに耐性がつくので、夏と冬は2週間に一度を目安に水をやりましょう。

園芸初心者の皆さんも失敗を恐れずに、育てても観ても楽しい園芸ライフを充実させましょう。

※この記事は川原田邦彦さんによる見解に基づいて作成したものです。

(取材・文/水野春奈)

取材協力:川原田邦彦さん。園芸研究家。茨城県牛久市に20,000平米の敷地を持つ大正6年創業の園芸店・確実園園芸場オーナー。東京農業大学造園学科卒業。NHK「趣味の園芸」講師として活躍するほか、樹木の育苗から造園まで幅広く手がけ、特にアジサイの収集と研究には定評がある。テレビ、ラジオ、雑誌などのほか、各地で園芸講座、植木講座の講師を務めるなど幅広く活動中。著書に「はじめてでも美しく仕上がる 庭木・花木の剪定」(西東社)、「日本のアジサイ図鑑」(柏書房株式会社)ほか。

川原田邦彦さんも出演する「なないろ日和!」は、今後もあらゆる専門家が出演し、生活に役立つ情報をお届けしていきます。毎週月~木曜9時26分からのOAも要チェックです!

大掃除、ダイエットから節約まで...「おうち時間」が増えた今だからこそチャレンジしたい情報が満載! 詳しくはコチラ

PICK UP