クラウドワークス吉田浩一郎社長 急速に広がるテレワークへ警鐘

公開: 更新: テレ東プラス

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2020年、突如世界を襲ったコロナ禍。未曾有の事態に日本国内だけでなく世界中が不安に包まれる中、『ワールドビジネスサテライト』では医師、研究者、ミュージシャン、経営者など各界で活躍する著名人たちが贈るリレーメッセージコーナー「コロナに思う」がスタートした。

この度、この人気コーナーが書籍化。『コロナに思う 34人のリレーメッセージ』(日経ビジネス人文庫)として出版される。今記事では文庫未収録の「クラウドワークス」の吉田浩一郎社長を紹介(7月2日放送)。仕事を発注したい企業と在宅ワーカーをオンラインで仲介するクラウドソーシング大手の企業ですが、いま急速に広がりそうなテレワークに対し、逆に警鐘を鳴らしている。


ビジネスマンの皆さんは、コロナの中で、リモートに1回なったという方がすごく増えていると思うんですけど、その中でいま皆さんがおっしゃっているのは「リモートはすごく便利だ、合理的だ」という議論があります。

いまはコロナが一段落して、オフィスにも出社する可能性があるという中で、リモートによって失われたオフィスの意味は何か。もしくはオフィスでしかできないことはないか、ということをぜひ考えてみてほしいなと思っています。

リモートが前提になっていった中で、じゃあ何でオフィスに出社するのか、というのが新しく問われていて、オフィスの価値を再定義しているタイミングだと思っています。

そこは、突き詰めれば突き詰めるほど、短期的な価値ではなくて中長期的な変化を起こすために必要なんだと私は理解していて、その人の新しい可能性を見いだすとか、新しい事業を立ち上げるためのアイディア出しをするとか、組織の変更を抜本的にするとか。リモートだけでに慣れてしまうと「タコつぼ化」しやすいと思っていて、自分で新しい可能性を広げるということをやっていかないといけない。

今まで会社っていうのは、新しい可能性を広げる作業をオフィスという場でやっていたと思うんですね。外資系がよく「retreat リトリート」って年に1回全員で集まったり、あるいは研修で本国に行って違う部門の人と30人面談してくれということがあるんですけど、そういう機会設計が、リモート時代の日本企業に必要になってくる。

今までは理由なく一つの場所にいたことで一体感やカルチャーが生まれたと思うんですけど、これからはリモートになったので、目的がないと一つの場所に集まれない。対面をしないという時代になりかねないと思っています。なので経営側としては以前より意識的に可能性を引き出す、今ここにない価値を知るために会うという設計をする必要な時代なのかなと思っていますね。


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テレビ東京ビジネスオンデマンドでは吉田浩一郎社長を含めた過去の「コロナに思う」の動画を配信しています。

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