投資家ジム・ロジャーズ「数年は以前のような繁栄はない」「コロナ禍でも投資の芽は見つけられる」

公開: 更新: テレ東プラス

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2020年、突如世界を襲ったコロナ禍。未曾有の事態に日本国内だけでなく世界中が不安に包まれる中、『ワールドビジネスサテライト』では医師、研究者、ミュージシャン、経営者など各界で活躍する著名人たちが贈るリレーメッセージコーナー「コロナに思う」を4月3日からスタートした。

このたび、この人気コーナーが書籍化。『コロナに思う 34人のリレーメッセージ』(日経ビジネス人文庫)として出版される。発売を記念し、今記事では文庫には載りきれなかった投資家のジム・ロジャーズ氏の回(6月23日放送)を紹介する。世界を変えたといわれる新型コロナだが、ロジャーズ氏は、危機の中にもチャンスの芽は見つけられると語った。


マーケットと経済は全く別物です。新型コロナ以降、どの政府もとてつもない金額の紙幣を刷り、使っています。巨額マネーの一部は市場に流れ込んでいます。日銀も含めて毎日紙幣を刷り、大量に株式、ETF、債券などを購入していてマーケットは実体経済よりよく見えています。世界にとって良いことではありませんが、マーケットにとっては別です。

政府はそれしかやっていない。でも、これは正しいことではない。来年以降、債務は世界中でとても大きく膨らんでいるでしょう。若い人にも高齢者にとっても問題ですが、特に(将来を担う)子どもにとっては深刻です。これから数年は以前のような繁栄はないでしょう。債務が大きく膨らむからです。

ただ世界は常に変化しています。航空業や観光業というのは大幅な下落状態ですが、3年後、5年後、人々が日本に来る際には船ではなく飛行機を選ぶでしょう。しばらくの間、世界は以前ほど繁栄しないかもしれませんが、いつか人々は飛行機にまた乗るし、旅行も外食もし始めると思います。

それにこれから新しい産業が浮上します。私はテクノロジーに詳しくありませんが、もしあなたが詳しければ大きなチャンスになるでしょう。私の子どもたちは今、自宅でのオンライン教育で勉強していますし、多くの人が食べ物をネットで注文しています。このうちいくつかはここ数年で急ピッチで成長していくでしょう。

ファッション、食べ物、自動車など自分の得意分野を大事にしてください。あなたの得意分野であれば、私より詳しいのだから、それを大事にすべきです。あなたの前にチャンスが転がり込んだとき、私よりも早く見つけるでしょう。何かを見つけたらリサーチして、そこに投資をしたら絶対に成功しますよ。


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テレビ東京ビジネスオンデマンドではジム・ロジャース氏を含めた過去の「コロナに思う」の動画を配信しています。

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