街で6人に同じ質問をされた女性...その驚きの理由とは? アフターコロナに急増するマルチ商法の勧誘:ソクラテスのため息

公開: 更新: テレ東プラス

"滝沢カレンが理解できれば、視聴者みんなが理解できる!"をテーマに、経済情報や話題のニュース、世間を騒がせている流行のモノについて、誰にでもわかるように優しくかみ砕いてお届けするお勉強バラエティー「ソクラテスのため息~滝沢カレンのわかるまで教えてください~」(毎週水曜夜10時)。6月24日(水)の放送では、最新詐欺やトラブルを回避するための対策を徹底解説した。

新型コロナウイルスの影響で大きく変化した人々の生活を狙い、ここ数カ月の間で、これまでとは違う新手の詐欺やトラブルが起きている。

記憶に新しいのは、ネット通販での「マスク詐欺」だ。一時期マスクが品薄になり、店頭から姿を消したことに目を付けた詐欺グループが、在庫はないのに通販サイトへマスクを出品。そうとも知らずに購入をしようとした人からお金を騙し取る、悪質な詐欺だ。

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このような詐欺やトラブルは、今身近で頻繁に起きている。そこで今回、緊急事態宣言が解除される直前の5月24日に起きたマルチ商法の手口を再現VTRで紹介。実際に身の上に起きた場合、注意すべきポイントを専門家が解説する。

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この日、久しぶりに出かけた28歳の女性・岸田さん。東京・自由が丘へ向かうと、道で2人組の女性に声を掛けられた。1人から「この辺りで美味しいケーキ屋さんを知りませんか」と聞かれると、もう1人は「バースデーケーキを買えるところを探しているんです」と付け加える。

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初対面の女性に突然話しかけられ、戸惑いもしたが、岸田さんは知っているケーキ屋さんを紹介した。すると今度は、「この辺りに住んでいる方ですか?」「ご職業は?」「年齢は?」など、2人から矢継ぎ早に質問される。少し警戒したものの、しばらくすると2人は岸田さんにお礼を言い、ケーキ屋さんへ向かったという。

この時の心境を、岸田さんはSNSに綴っていた。「職業とか出身とかめっちゃ聞かれて、ただの雑談だった」(抜粋)。

再び歩き出すと、今度は手前から来た男女の2人組に「この辺りで美味しいケーキ屋さんを知りませんか」と尋ねられる。しかも「これから友達とホームパーティーだからバースデーケーキを探している」と、質問も5分前の2人組と同様の内容。岸田さんが思わず「さっきも同じことを聞かれたんですけど、同じパーティーですか?」と聞き返すと、女性は「そんな偶然あるんですね」と言い残し、2人はその場を立ち去った。

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岸田さんはSNSに「この時点で私は、YouTuberが社会実験的な企画でもやってるのかな? とか、変な会社のコミュニケーション研修かな?とか思っていた」と残している。

それから5分後、今度は男性2人組に話しかけられる。「そこの君、ちょっと聞きたいんだけど」。まさか...と思った岸田さんに、アルコ&ピース平子祐希扮する男性が、「この辺に美味いケーキ屋さんないかな? バースデーケーキを探しているんだ」と話しかける。

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3組連続に同じ質問をされた岸田さんは、「歩いていたら、30分で6人から『ケーキ屋知りませんか』と尋ねられた」とSNSに書き込んでいる。

怪しみながらも男性にもケーキ屋さんを教えると、男性から「教えてくれてどうもありがとう。ケーキ屋さんを教えてもらったお礼に、お茶でもどう?」と誘われた。いかにも怪しげだが、岸田さんは驚くべきことに「分かりました」と承諾した。

その理由は、「彼らがなんでこんなことをやっているか知りたかったし、それが悪い目的ならば、カモ顔を代表して、全国のカモ顔に知らせる使命があると思った」(岸田さんのSNSより)との思いからだった。

誘われた先で、男性は自身の話をしてきた。「俺は副業で巨万の富を得ている。海外を旅しながら映える写真を沢山撮って"いいね"を集めてフォロワーを増やす。たったそれだけで、月に5万円は稼げるんだ」と言う。旅先でSNSに写真をアップして収入を稼ぐ「旅インフルエンサー」は実際に存在するが、海外旅行が必須のため、お金がかかる。

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岸田さんが「海外旅行に行くお金なんてないし...」と答えると、男性は「俺が入っている会員制旅行会社の会員権を買えば、海外旅行は全部タダ。会員権は通常30万円なんだけど、友達を勧誘すれば無料になる」と説明。そう! この男の目的は副業の紹介ではなく、マルチ商法への勧誘だったのだ。

<マルチ商法とは>
ある会員が別の新規会員を勧誘し、旅行券などを販売する。その販売利益の一部を最初の会員(勧誘者)が手に入れ、入会した会員がまた新たな入会者を勧誘するという、連鎖販売取引を指す。

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マルチ商法は、投資話や海外事業など、実在しないものをタネに勧誘し、高額な入会費を騙し取る場合もある。今回の出来事の真実は分からないが、岸田さんが聞いた「会員権」が実在しない場合は、詐欺に該当する。

今、このようなマルチ商法への勧誘が増えている。詐欺・悪徳ジャーナリストの多田文明氏は、その理由を「通常は春先、新生活にまだ慣れない大学生や新社会人などを狙うケースが多いが、今年の3~4月は自粛真っ只中であったため、この時期になって動き出している」と分析する。

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3~4月のかき入れ時に動きが取れなかったことから、緊急事態宣言が解除され、街中に人々が戻った今、強引な勧誘に乗り出しているという。岸田さんはこの日、自由が丘で同じマルチ商法グループのメンバーに声をかけられたため、グループ独自のきっかけ作りの質問「美味しいケーキ屋さんを知りませんか」という言葉をたった30分の間に6人から聞いたものと推測される。

多田氏いわく「コロナ不況で稼ぎたい人を狙っている」ため、岸田さんのように「お金はないです」と答えるとつけ込まれやすい。人の弱みに甘い言葉で「自分もそうだったから、借金をしてでも始めるべきだ」と誘い込もうとするのだ。そして、連れていくお店の近くに、「お金を借りられる場所」を用意している場合が多いという。

対策としては「見ず知らずの人にはついていかない」(多田氏)が一番だが、街に出る機会が増えると、悪質な声掛けに遭遇する確率も増える。危険な目に遭わないためにも、怪しい勧誘には十分に気を付けよう。

この放送は「ネットもテレ東」で期間限定配信中です!

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