日本を訪れる外国人たちを空港で勝手に出迎えてアポなしインタビュー！ そのまま密着取材を行う「YOUは何しに日本へ？」（毎週月曜夜6時25分～）。今回は「怖い物知らずのYOUたちが繰り広げる無謀な挑戦SP」ということで、空港や街で突撃取材を敢行。放送時間は95分、果たしてどんな面白YOUに出会えるのか？

コロナ禍の中、呑兵衛が集まる夜の東京・北千住と上野で「ディープYOU」を探していたところ、上野で声をかけたのは、イギリスから来たウマールさん（29）。毎年1カ月は日本観光に訪れるという大の日本好きだ（今回で8度目）。両国で白鵬の相撲を観て、これから上野の宿に帰るところだという。

話を聞くうち、ウマールさんから「よかったらご飯でもどお？ おごります」と誘ってくれたので、お言葉に甘えて密着決定！ どうしておごってくれるのかと聞くと、「沢山の人がいる中で、僕に声をかけてくれたのがうれしいんだ」だって、あざーす♪

さっそくYOUについて向かった行きつけ店は、新鮮な魚を出す「磯丸水産」！ ディープというより、みんな知ってる超メジャー店だ。ちなみにこちらは、首都圏・関西を中心に130店舗以上ある、24時間営業の海鮮居酒屋。28種類の安くて美味しい海鮮が食べられるとあって、店内はいつもにぎわっている。さて、ウマールさんからどんなディープな話が聞けるのか！？

お店で注文したのは、サバ、帆立、マグロなど。さっそく届いたアツアツの帆立の殻焼をほおばりながら、「日本に来ると食べ過ぎちゃうんだ」と明かした。帰国するたび、母から「また太ってきた」と言われちゃうんだそう（笑）。

そんなウマールさんは7年前、初めて来た日本ですっかり日本食にどハマリ。以来、日本でグルメ旅行をして、68㎏だった体重は今や83㎏へ、15㎏も激太りしてしまったんだって。

そんな日本食大好きYOUのいちばんの好物は何かと聞くと、「コロッケ！」と即答。しかも、超オススメの食堂が栃木県足利市にあるという。旅のシメには、必ずその食堂にコロッケを食べに行くそうで、それはもう「忘れられない味」と大絶賛だ。しかもまた「よかったら一緒に行かない？」と誘ってもらい超気になるので、明日コロッケも一緒に食べに行くことに！

次の日は、足利市駅でウマールさんと待ち合わせして、渡良瀬川を渡り徒歩5分ほどの食堂へ向かった。お店を知ったのは、ウマールさんが7年前に栃木の病院で1年間働いていた頃で、当時は週5で通ってコロッケを食べ続けたという。

コロッケも最高なら、店主の川田さんの人柄も最高だそうで、英語を話せないのに、ウマールさんにいろいろ話しかけてくれた心の恩人だ。

ついに食堂に到着してみれば、看板に「世界」って、なんだかディープなニオイ！

こなれた様子で入店したウマールさんは、まず店主の川田さんを親友だと紹介した。川田さん「俺、親友かい？」というツッコミが最高！ この川田さんが営む食堂「世界」は昭和21年創業で、今も地元に愛され続ける人情味あふれるお店だ。

ウマールさんのオーダーを心得ている川田さんは、さっそくコロッケ作りを始めた。

ちなみに、こちらのコロッケはひき肉を使わず、タマネギとジャガイモのみの素朴なコロッケ。専用の機械でジャガイモを挽いて衣をつけ、手早く高温の油の中に入れる。美味しく揚げるには、強火で40秒...というのが川田さん流なのだそう。

いよいよウマールさんが8年間注文し続けるコロッケ定食が来た！ ウマールさんはいつも「ご飯少なめ」だということを、ちゃんと覚えていてくれる心遣いもうれしい。

ウマールさんが愛するこのコロッケに、ご飯とみそ汁とおしんこがついた定食は、なんと400円！ 川田さんによれば、良いコロッケは割っても湯気が出ないのだそう。さあ、いざコロッケ！

いの一番にコロッケかと思いきや、まず始めたのは、少なめご飯に醤油をかける作業だった。あれ！？

じつはウマールさんは定食をコース料理に見立てており、まずは醤油かけご飯→みそ汁→メイン料理のコロッケ、の順で食べるのが好きなんだって。川田さんもこの独特の食べ方について、「出したらお客さんのもん。どう食べたっていい」と了承済みだ。

そしてついにコロッケの番がやってきて、口にした瞬間、サクッと素晴らしい音が！ 「美味しいよ、何度食べても最高だ」と、変わらぬ美味さに目を細めた。

こうしてペロリと完食したウマールさんに、川田さんは、「いつもと同じ食べっぷり。また来てください。何十年って変わりっこないから」とうれしそうだ。

ウマールさんがこの食堂のファンになったワケを尋ねると、イギリスから来たばかりの7年前、言葉も話せず知り合いもなく寂しかったときに、この店は美味しい料理と温かい心でウマールさんを受け入れ、元気をくれたと打ち明けた。

ウマールさんの本音を知った川田さんは、「そこまで想ってくれてるとは夢にも思わなかった。ありがとうしか言えねえよ」と感激。これでウマールさんと川田さんのディープな絆、また一層強まったね！

また冬に来ると約束し、店を後にしたところで密着は終了。

その後、改めて食堂を訪ねてみると、現在も変わらず元気に営業していた川田さん。でもじつは、密着の後にジャガイモを挽く道具が壊れてしまい、今はコロッケが作れないんだって...。

けれどコロッケを愛するウマールさんに向けて、「機械直すのにちょっと時間がかかるかもしれないけど、今度来たときには食べられると思うから、美味しいコロッケ作るからね。待ってるから、元気な顔を見せてね」と温かいメッセージをくれた。

よかったねYOU、またコロッケ食べに日本に来てね！