これから新商品・新サービスの”カンブリア紀”が来る!?  ビール片手にミライを語り合う『BEER MEET』第一回レポート

公開: 更新: テレ東プラス

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テレビ東京のビジネス番組をネットで視聴できるサービス「テレビ東京ビジネスオンデマンド(以下BOD)」で金曜の夜に、ビール片手にミライを語り合う若手ビジネスパーソン向けイベント『BEER MEET』が6月にスタートした。

12日に開催された第1回イベントでは、国内最大級のクラウドファンディングサービスを運営する「マクアケ」代表取締役社長の中山亮太郎さん、企業ブランディングやセールスプロモーションを手掛ける「エードット」取締役副社長の牧野圭太さんをゲストに迎え、『コロナから見る未来のコミュニケーション戦略』についてビール片手にざっくばらんにトークを繰り広げた。

新商品・新サービスの"カンブリア紀"が起きてくる

イベントの最初のトークテーマとして取り上げられたのが「コロナが与えたユーザー心理、インサイトの変化」だ。

「エードット」で広告だけでなくプロダクトやサービス制作を企業と一緒に手がけることもあるという牧野さんは、コロナ以降「世の中の会社が新しいことにチャレンジしないといけないという空気が一気に生まれてきた」と明かした。特にこれまでリアル店舗でビジネスを行ってきた企業の中から新しい試みをやらなければとの空気があり、企業からの相談も増えているという。

中山さんは、コロナによって「どう考えても消費者のニーズが変わっているタイミング。凄いトリガーになっている」とユーザー心理に変化があったと話す。企業側にとっても今、新サービスを投入しないと置き去りになる時代だとし、今後、新商品、新サービスの"カンブリア紀"が起きてくると予想する。運営するクラウドファンディングサービス「Makuake」でもアクセス、滞在時間、さらにプロジェクトへの応援金額も伸びており、今までの成長曲線と違ってきていると明かした。

牧野さんが最近のユーザー心理を表す言葉として挙げたのが"応援経済"だ。

「最近よく使うSDGsであるとか、企業がただプロダクトを作るのではなく、社会環境や未来のことにきちんと取り組んでいる企業のものを買おうという精神を"応援経済"と呼んでいて、どんどん広がっている」(牧野さん)

例えばコンビニに行き、似たような商品が2つあれば、より社会問題に取り組んでいる企業の商品を購入する。牧野さんによれば、そうした社会とプロダクトの結びつきが強くなるフェーズに現在はなってきているという。

リモート会議の背景はひとつのメディア

2つ目のトークテーマとして語られたのが「企業の、コロナ禍でのコミュニケーション戦略好事例」だった。

牧野さんが海外の事例として挙げたのが、マクドナルドやフォルクスワーゲンなどがソーシャルディスタンスの習慣を広めようと行ったキャンペーンだ。マクドナルドであればロゴの黄色いアーチを2つに分かれさせたりと、有名企業各社が自社のロゴの距離を離した。

「このキャンペーンをやりませんかと日本の企業にもいくつか話したんですけど、日本の場合、レギュレーションを守っている部署とコミュニケーションを考える部署が違いすぎていて、営業しにいくとダメとなりました」(牧野さん)

中山さんが取り上げたのが、コロナで増えたオンラインでのイベント。

「リアルでイベントをやるってなかなかカロリーが高いじゃないですか。実際にリアルなイベントをやったとしても、会場に来るのは数百人規模。ウェビナー的にオンライン化させたことで、リアルで会えないけれど参加できる人数は10倍に増え、ダイレクトでコミュニケーションが取りやすくなった。Makuakeだけでなく、芸能人の方もファンとダイレクトにコミュニケーションを取っている。ファンとの距離感が近くなったなと思います」(中山さん)

新型コロナウイルスでの影響でリモート会議やオンライン飲み会でどんなバーチャル背景を使っているか話題になることは多い。牧野さんはこのバーチャル背景をコミュニケーションが生まれる一つのメディアと考え、新たに立ち上げたサービスが「Save My BackGround.」だ。

「Save My BackGround.」は動物園、テーマパーク、地域などコロナの影響で人が来られなくなって大変な思いをしている企業、団体などがプラットフォーム上でバーチャル背景画像を販売。ユーザーは背景画像を購入することで応援に繋がるチャリティープラットフォームだ。企業など以外にも様々なアーティストが手がけた背景があり、購入した場合は医療機関への寄付になる。応援という文脈に繋げて買ってもらう"応援経済"の一例でもある。

リモートワークの難点は社員育成

最後のトークテーマは「with/afterコロナの未来予想図」。ここで牧野さんから中山さんに、社員を出社させるかどうしているのかと質問が飛んだ。エードットでは、営業でクライアントと話す社員は出社を望む一方、デザイナーやコピーライターなど作業をする社員はリモートワークが快適だと話し、バラバラなのだという。

これに対し、中山さんは「社員のリモートをしたいという声はいったん無視するようにした」と返答。社員の個々の希望ではなく「うちの競争力の源泉、カルチャーの源泉は何か考えると、社員のチームワーク、仲の良さ。これを薄めず、かつ安心安全にやる」と考えた結果、水曜日は会社全体でリモートとし、開発部門に関しては全員がリモートで仕事をやっているという。

一方、リモートワークの弱点として2人が共通して挙げたのが新人教育だ。

中山さんが「育成は五感で感じるものがある」と周囲の先輩の働く姿などから様々なことを学ぶんでいることに気づいたと話せば、牧野さんも「ある程度関係性があると、リモートでも全然いけるんですが、まだそこにいない新卒のメンバーは最初から完全リモートは難しい」とし、緊急事態宣言が明けてからは、新入社員に限っては出社するようにしていると明かした。

1時間のイベントの中では、コメント欄に集まった質問に2人も気軽に答え、普段のイベントとは違うカジュアルな時間が流れた。

6月26日(金)19時から配信される第2回も無料で開催。岡井大輝さん(株式会社Luup代表取締役社長兼CEO) 、龍崎翔子さん(株式会社L&Gグローバルビジネス代表)をゲストに迎え、「アフターコロナの『移動』未来予想図」をテーマに、「移動」や「旅行」のコロナによっての変化・未来予想図などについてトークが行われる。

※参加はこちらから

なお第1回の模様はテレビ東京ビジネスオンデマンドでも視聴できる。

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