「美術っぽいものをしていることを恥じていて、悩んでいる...」3浪して芸大生になった美女はいま...:家、ついて行ってイイですか?(明け方)

公開: 更新: テレ東プラス

6月22日(月)に放送した「家、ついて行ってイイですか?(明け方)」(毎週月曜深夜)では、東京・上野駅で出会った、東京藝術大学大学院に通うなほさん(25歳)の家について行きました。

取材日は2018年5月11日、千葉県出身のなほさんは大学院で油絵を専攻しており、彼氏は3~4年ほどいないそう。「おぎやはぎに恥ずかしい話を聞かせられない...」と、シャイな一面をのぞかせます。

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なほさんのお宅は上野から約5キロ離れた下町の一角にあり、一軒家の1階を間借り中。路地に面した軒先には洗濯物が干されていました。「今日はパンツないです」と言うなほさんに、友人のゆかさん(23歳)は「前は干してあったよ!」と暴露(笑)。

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玄関を入って右側がアトリエ、左側が居住スペースになっており、1Kで家賃は40000円。雨漏りして家賃が下がったとのこと。

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制作途中の絵を見せてくれました。描き始めて5カ月ですが、現在スランプ中で筆が進まないそう。「美術系あるある」と、ゆかさん。

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版画の作品は、牛の乳がカップルに降り注ぐ独特の世界観が描かれています。「牛が命を削って出している乳が滝のように流れている。水と同じくらいの値段で売られているのが不憫...」となほさん。畜産動物として育てられ消費されていく牛の存在に対して「自分も恩恵を受けているので悪いことだとは思わない。可哀そうと思うよりは考えている。日常の中にある違和感みたいなもの」と語り、牛関連の作品を描いていると説明してくれました。

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午前2時近く、コンコンとドアが鳴ってお客様が来ました。「良い作品を作っていて尊敬している」となほさんが紹介してくれたのが、芸大を卒業して作家活動をしている海野林太郎さん。

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アトリエから移動し、居住空間を案内してもらうことに。四畳半にはモノが散乱しており、お世辞にも整理整頓ができているとは言えません。ちなみに、なほさんの月の生活費は10万円。

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スーパーファミコンにぐるぐる巻きで固定されているソフトは「MOTHER2」。お気に入りのゲームですが、「ちょっとでも動くとデータが飛んじゃう」とのこと。

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個性的なほさんが芸術家を目指したきっかけを伺うと、「"早く宿題やりなさい"と言われたらやりたくない、"早くお風呂に入りなさい"と言われたら入りたくないみたいな(子どもだった)。(芸術家になれば)言われたことをしなくてもいいんだってところが楽しくて、自分にとっての自由だったのかも」と芸術家らしい答え。

自由を求め、3浪までして芸大に入学したなほさんは「1浪の時はもうずっと楽しくて、2浪の時は嫌だって思って、3浪の時は無みたいな...」とコメント。やっと手に入れた芸術家としての生活ですが、「美術っぽいものをしていることを恥じていて、その辺で悩んでいる。甘えなんですけど」と、厳しく自己分析します。

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「誰も見たことがないものを描きたい...ロックンロールって言うと恥ずかしい。画家になりたい。お金儲けしたいとかはないんですけど、自分が納得できるモノが出来たらいいな」と、将来の夢を教えてくれました。

あれから2年1カ月...2020年6月1日、スタッフが再びなほさんのもとを訪ねました。

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住んでいるのは以前と同じ町屋駅でしたが、以前よりも綺麗なマンションに引っ越していました。部屋もキレイに整頓されています。築37年、1Kで家賃65000円。以前住んでいた部屋が取り壊しになったため、こちらの家に越してきたそうですが、相変わらず洗濯物は外に干しています。

若手の登竜門的な公募展で大賞を受賞した絵がこちら。タイトルは「お天気雨」。「副賞で年末に個展が出来る」と、照れながら話すなほさん。

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10万円で売れたこちらの絵は、現在老人ホームに飾られています。

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とはいえ、「生活はその日暮らし」とのこと。ここでスタッフが「記念に1枚買わせて欲しい」とお願いすると、なほさんは一瞬戸惑いますが、いくつかの絵を見せてくれました。

その中には、テープでぐるぐる巻きにされていた「MOTHER2」の姿も! 作品として昇華されていました。1点5万円と聞いて「高い...」と躊躇するスタッフですが、「いつか値上がりするかもしれないですよね」と悩んだ挙句36000円で自腹購入! 値上がりに期待するスタッフの「偉大な作家さんになってください!」という言葉に、「なります!」と、しっかり答えてくれたなほさん。少しずつ「自分が納得できる絵を描きたい」という夢に近づいているようです。その夢を諦めず、これからも頑張ってください!

この放送は、「ネットもテレ東」で期間限定配信中です。

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