歌舞伎町カラオケスナックのいま...三密の店が生き残る条件:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)。6月23日(火)の放送では、新型コロナウイルスの影響で苦境に立たされている飲食業界と、"ドクター"として飲食店の支援にあたる企業を取材。これからの飲食店のあり方を考える。

まさに三密...窮地に立たされる歌舞伎町スナックの今

街に活気が戻ってきたかに見える一方で、この数カ月大打撃を受けた飲食業界では、閉店を余儀なくされる店も多い。閉店した店から運び出された厨房機器を追跡すると、運び込まれたのは巨大な倉庫。串カツ店のフライヤーから焼肉店の鉄板までうず高く積まれた光景は、さながら飲食店の墓場...。しかしそこは、飲食店経営者にとって希望の場でもあった。

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東京・大田区に本社を構える「テンポスバスターズ」は、厨房機器をリサイクルして販売。全国に59店舗を展開し、年商は290億円にのぼる。同社はこのノウハウを活かし、去年飲食店支援事業「ドクターテンポス」をスタート、飲食店経営者たちから様々な相談を受けてきた。社長の森下篤史さんは、今こそ飲食店の役に立ちたいと、このプロジェクトに一層力を注ぐことに。

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「ドクターテンポス」のリーダー・鬼頭一将さんのもとを訪れたのは、新宿・歌舞伎町でカラオケスナック「スタジオ向日葵」を営む立花たくやさん。芸能人や文化人も訪れるなど店は繁盛していたが、緊急事態宣言の発出を受けて4月10日に営業を自粛。月の売り上げは9万円に落ち込み、4月分の家賃やカラオケリース料・55万円が未納になるなど、苦境に立たされていた。

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夜の街・歌舞伎町という立地に加え、20人も入れば客同士の肩が触れ合うほどの狭い店内、夜8時から朝方までの営業時間など、コロナ禍での悪条件が揃う中、鬼頭さんはまず、給付金申請の手続きから丁寧にサポート。将来に向けて新規客を獲得するべく、店の内装やコンセプトを一から見直すことを提案する。しかし立花さんには、これまで続けてきた店に並々ならぬ思いがあった。課題が山積する中、時には感情をぶつけ合いながら二人三脚で店を残す方法を探っていく。

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店の垣根を越えろ! テイクアウトの新たな形

外出の自粛で客足が激減する中、テイクアウトに活路を求める飲食店が増えている。東京・三軒茶屋で創作料理が売りの居酒屋「ジョーズマン2号」を営む髙崎丈さんは、東京都の要請を受け、夜の営業を臨時休業した。売り上げが前年の3割から4割程度まで激減する中、窮余の策として弁当販売を始めるが、店が2階にあるため客を呼び込めず、苦戦が続く。

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髙崎さんが助けを求めたのは「ドクターテンポス」の品川恵美さん。自身も食べることが大好きな品川さんは、飲食店の利益が増え、お客が喜ぶ方法を常に考えている。

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5月12日、品川さんが店の周辺を視察すると、多くの飲食店が店頭で弁当販売を始めていた。厳しい競争が予想される中、差別化を図るための案を練る品川さんは、店にあった重箱や小鉢をそのまま使った懐石料理風の弁当を思いつく。テイクアウトは使い捨てのプラスチック容器が主流だが、品川さんの狙いは「家でも店の雰囲気が味わえる」こと。「開けたときに"うわぁ~"となって欲しい」との願いをこめた。

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この日、品川さんの呼びかけで集まったのは、髙崎さんをはじめ、近所で評判の日本料理店やフレンチレストランを営むオーナーたち。品川さんは、満を持して懐石弁当のアイデアを披露するが、重量やコスト面などプロの目から次々と厳しい意見が出される結果に。ところがこの懐石弁当が、店の垣根を越えた思いもよらないアイデアへと発展していく。

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飲食業界で生き残りを賭けて奮闘する人々を追った「ガイアの夜明け」は、今晩10時から放送。どうぞお見逃しなく!

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