世界記録は3時間30分? 4年に1度の「パイプ世界大会」に初潜入!:YOUは何しに日本へ?

公開: 更新: テレ東プラス

日本を訪れる外国人たちを空港で勝手に出迎えてアポなしインタビュー! そのまま密着取材を行う「YOUは何しに日本へ?」(毎週月曜夜6時25分~)。今回は「マニアックなYOUについて行ったらディープなインパクトが撮れちゃったSP!!」ということで、空港で突撃取材を敢行。放送時間は95分、果たしてどんなおもしろYOUに出会えるのか?

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声をかけたのは、「パイプタバコ」の世界大会に出場するためチェコからやって来たダニエルさん。パイプタバコがどんなものかを見せてもらうと...なるほど! 映画で見かけるやつだ。

そもそもパイプとは、タバコの葉を詰めて吸う喫煙具で、16世紀にはアメリカで使われていた。しかも、アインシュタインやチェ・ゲバラ、マッカーサーなど、「できる男」に愛されてきたカッコいいアイテムなのだ。あの人気キャラ・ポパイもくわえている!

で、その世界大会で何を競うのかというと、みんなで同じパイプを使ってとにかく長く吸うだけ。世界記録は3時間30分という長さというから驚きだ。

気になるので、世界大会へついて行きたいと申し出ると、ウェルカムだったので密着決定! 4日後、大会当日の再会を約束した。

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さて、大会当日。ホテルでダニエルさんと合流して、会場となる4階へ。上がってみると豪華なロビーがあって、こんな豪華な場所で開催されることにびっくり。

このチェコ代表は、みなさんダニエルさんの仲間で、左から2番目のYOUは、2時間というスゴい記録を持った先輩。ダニエルさんの自己ベストは1時間42分といい勝負だが、大会ではこの記録を更新したいそう。

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談笑をしていると、謎のダンディが「あなたにプレゼントがある」とダニエルさんに話しかけてきた。手に持った箱の中には、日本の素材で作られたユニークなパイプが3つ。その中でダニエルさんが選んだ富士山の形の「マウントフジ」をプレゼントしてくれたので、ダニエルさんは大喜びだ。

声をかけてみると、彼はパイプを作っている会社の方で、会場でパイプが似合う人を探してはプレゼントしているんだって!

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ここで、ダニエルさんについて紹介しておこう。

普段は一般企業の営業マンで、20年前に古い映画を観てパイプにハマり始めた。いまやコレクターになり、昨年の国内大会では1時間37分24秒という記録で準優勝、チェコ代表になった。

しかし家ではパイプを吸うことができず、10歳の愛娘はタバコ臭いと言ってオヤスミのキッスもしてくれない塩対応。チェコではレストランやパブも禁煙のため、どうにか夜中に近くの川辺で一服するのが最高の時間なんだって。いまや、堂々と吸えるのはこの大会だけなのだ。

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さっそく入場してみると、円卓がずらりと並べられていて豪華。ぐるりと見回せば、会場はスゴい数のYOUでいっぱいだ。

この大会は、正式名称を「世界パイプスモーキング選手権」といって、1970年からパイプの普及を目的に4年に1度開催されている、パイプタバコのオリンピックみたいなイベント。出場も、25カ国300人というからかなりの規模だ。

大会の主催者・日本パイプクラブ連盟の青羽さんに大会の趣旨を聞くと、「パイプにタバコを詰めて、消さないようにどれだけ長く吸えるかを競う大会です」と、超シンプル。

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ふと、満席になった各円卓を見渡すと、法被を着た女性たちの姿が。どなたなのか聞いてみると、「計測員」ということで、みんなが何分間で吸い終わったか、ルール違反をしていないかを見る係なんだそう。

この会場にはこうした計測員が円卓に、記録などをチェックする審判員がひな壇の上に配置されていて、かなり厳粛な大会なのだ。

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ぼちぼち時間が近づくと、計測員が競技用のパイプを配り始めた。

競技が始まる前に、まずは5分間でパイプにタバコの葉を詰める「タバコ詰め」が行われる。入れる葉は3グラムで、とにかく細かくするのがコツ。ギッシリ詰めすぎると火種が消えやすくなり、反対にゆるすぎると燃えて葉がなくなりやすい。長く吸うためには、葉っぱの詰め方にもテクニックが必要なのだ。

そしていよいよ、司会進行者から「ホテルの方、エアコンを切ってください」(記録に影響するので空調はオフに)という指示があり、ひな壇の審判員からカウントダウンで競技スタートが告げられた! さあ、ダニエルさんはどれだけ長く吸えるかな?

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スタートすると、タバコの白煙がもくもくと立ち込める中、とにかくみんな無言で真剣そのものの「ザ・シュール」な世界(笑)。

壁には大きなスクリーンが設置されていて、経過タイムと残り人数が表示されている。残り人数というのは、火種が消えてパイプを吸えなくなったら席を立って会場を出なければならないので、会場に残った人をカウントしているのだ。

10分間を過ぎたころから、ダニエルさんの周りからも脱落者が出始めた。

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さらに30分間経つと、記録保持者の先輩も火種が消えてしまったようで、まさかの脱落...。
ダニエルさんがんばれ!

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...と思ったものの、むむむ、ダニエルさんの様子もおかしい。イケメンが台なしのこの表情はもしや...。いくら吸っても煙が出なくなってしまったようだ。

火種は消え、残念ながら挑戦はここまで。1時間42分という記録を持つダニエルさん。今回の記録は、いったいどのくらいだったのか。

会場を出てモニターを確認すると、記録は50分27秒で300人中142位だった。自己ベスト更新なら~ず。

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ちなみに優勝したのは日本代表の内藤さんで、記録は2時間27分5秒。法被を身に着けたダニエルさんと仲良く記念撮影となった。

その後もダニエルさんは会場の各代表と仲良く談話し、大会は終了ということで密着も終了。ダニエルさんはこの競技の魅力について「人との出会いだよ、競技中は話さないけどね」と教えてくれた。こんなディープな世界があるなんて、おもしろいね!

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