「記憶にございません」
どこかの証人喚問などで聞いたことのあるこの言葉......都合が悪いからウソをついているのではないかと疑う人もいますが、それはウソではなく、なにかしら強いショックを受けて短期記憶障害となった可能性が!?
「短期記憶障害」とは、精神的に強いショックを受けて、一時的に記憶を失ってしまう症状。ショックを受けてから数分、長い場合は半日ほど記憶が抜け落ちる場合もあるという。もちろん、都合が悪いからとウソをついているだけかもしれないが...。
ウソをつく瞬間に0.2秒間だけ現れる "マイクロジェスチャー"を読み取り被疑者のウソを見破る刑事・楯岡絵麻(栗山千明)の活躍を描く金曜8時のドラマ「サイレント・ヴォイス 行動心理捜査官・楯岡絵麻」(毎週金曜夜8時放送)。"ウソのプロ"である女優の供述は演技なのか、短期記憶障害なのか? 第6話「名優は誰だ」を振り返り、検証してみよう。
不倫が原因! 俳優殺害事件の犯人は妻である女優!?
《今回の事件》
プレイボーイで有名な俳優・内嶋貴弘(森岡豊)が殺された。不倫関係にあった若手女優・木戸真理(池上紗理依)に容疑がかかるが取調べは難航。世間が注目する中、被害者の妻であり大女優の内嶋紗栄子(森口瑤子)が突如自首してくる。夫の不倫を許せず、殺害したというのだが...。
《今回の被疑者》
内嶋紗栄子(42)
人気も実力もトップクラスの女優・城之内紗江。夫はスキャンダルで有名な俳優の内嶋貴弘。どんな役にも染まり、その役になりきる力量の持ち主で、日本アカデミー最優秀主演女優賞を受賞。
「私、夫を殺したのよ」
夫を殺害したと自供した紗栄子だが、何回殴ったのか、凶器はどこに捨てたのか、家に戻るまでに誰かと会った...など事件について聞かれても、「覚えていません」の繰り返し。思い出そうとしてもその記憶だけが抜け落ちて思い出せないと主張する。これは殺人を犯してしまったという精神的ショックによる、「短期記憶障害」なのか?
後日、絵麻は紗栄子に事件当日のことを聞くが、やはりすらすらと淀みなく話し前回と食い違う部分は全くない。
ここで絵麻は、とんでもない質問を繰り出す。
「あなたの今日のパンティの色は?」
「パンティ...!?」
思いもよらぬことを聞かれ、不快感をあらわにする紗栄子。
「それが事件となんの関係があるんですか!」
「事件に関係あることなら答えるのね」
と、絵麻は質問をたたみ掛ける。
「ご主人を凶器で何回殴ったの?」
「覚えていません」
「じゃあ、凶器はどこに捨てた?」
「覚えてないって言ってるでしょ!?」
ついに紗栄子は声を荒げる。
この時、絵麻は真実を見破った!
人の記憶というのは少しずつ変わるはずなのに、紗江子の話は一字一句いっしょ。思い出すまでの"間"までも、【まるで同じ】なのだ。そう、あたかも台本を読んでいるかのように...。
紗江子はセリフを用意して演技をするという女優ならではのやり方で、ウソをついた時に出る【なだめ行動】をかき消していた。そんな大女優の演技を崩したのが、「パンティの色は?」という想定外の質問。紗江子はアドリブは苦手だったようだ。
また、人間は過去を思い出しながら話す時に視線を上げる。視覚に飛び込んでくる余分な情報を排除して、記憶に集中するためだ。紗江子は事件当日の朝食について問われた時は左上を見上げていたが、凶器を捨てた場所についてはその仕草を見せなかった。こうして絵麻は、紗江子が"覚えていない"のではなく、"知らない"のだと見破ったのだ。
紗栄子は凶器で何回殴ったか、凶器をどこに捨てたか、何も知らない。つまり夫を殺していない。なのに、どうして演技をしてまでウソの自供をしたのか?
事件の真相は、期間限定で配信中の「ネットもテレ東」で!
少女監禁!? 被疑者は元美術教師
次回6月12日(金)放送の第7話「イヤよイヤよも隙のうち」、被疑者は元教え子を7年間監禁していたヘンタイ美術教師!? 交通事故に合った裸足で半裸の女性の身元を調べると、驚くことに7年前に中学2年で失踪した少女(三浦由衣)であることが判明。彼女を7年間自宅に監禁した容疑で逮捕された男は、少女の通う学校の美術教師・木谷徹(眞島秀和)だった。木谷は、親から虐待されていた少女を守るためにしたことであり、少女が自分の意志でいたと主張する。取り調べの過程で木谷の生い立ちや少女との関係に着目した絵麻(栗山千明)は、事件の背後にある驚愕の真実に至る...。