フリーで月110万円売り上げる時も...コロナ禍で活躍する”流しのドライバー”:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

現場で奮闘する人たちの姿を通して、さまざまな経済ニュースの裏側を伝えるドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」(毎週火曜夜10時)。5月19日(火)の放送では、新型コロナウイルスの猛威をきっかけに変わる物流業界を取材。人手不足を補う工夫や感染拡大を防いで宅配するアイデアを紹介する。

各地をめぐる黒い軽ワゴンの正体は「流しのドライバー」

常に人手不足に悩まされている物流業界。国内で運ばれる荷物の数は、2008年度は約30億個だったが、2018年度には43億個と10億個以上も増加。一方、配達するドライバーの数は、2008年は約79万人、2018年は約86万人と、荷物の増加に比べて足りない状況が続いている。

gaia_20200519_01
そんなピンチに現れたのが、車体の横に「ピックゴー」と大きくプリントされた黒い軽ワゴン車。普段はフリーで待機しており、荷物があれば最短15分で駆けつける、いわば"流しのドライバー"だ。

ドライバーはどこの会社にも属していない個人事業主。いわゆるフリーのドライバーだ。約1万5000人がこの配送マッチングサービスに登録している。各地のドライバーのスマホ画面には全国から配送の依頼が次々と入る。ドライバーはその中から自分がいまやりたい仕事を探してエントリーする。依頼人は、エントリー中のドライバーの中から誰に頼むかを選択する。ドライバーの売り上げは運んだ距離で決まり、依頼主がその仕事ぶりを5段階で評価する。

gaia_20200519_02
ピックゴーに登録するフリードライバー・阿妻圭祐さん(29)は、週5日以上、朝7時〜夜9時まで稼働。元大手物流会社の委託ドライバーで、「売り上げは倍近く変わった。(多い月で)110万円くらい」と話す。中・長距離をできるだけ探してエントリーしたり、多い日は1日4件の依頼をこなしたりしているという。

2児の母親でフリードライバーの的場祐三子さんは、週3回、夕方〜夜8時まで稼働。「時間の自由が利くことが一番ですかね。(収入が)多い月は普通のパートの3倍くらい。楽しいです」と笑顔で語る。

gaia_20200519_03
ピックゴーを手がけるベンチャー「CBクラウド」(東京・秋葉原)の松本隆一社長(32)は、「努力しているドライバーさんが仕事を多く得られる環境を作りたい」と意気込む。前職は国交省の航空管制官だったが、2013年に死去した義父の「物流を変えたい」という思いを継ぎ、同社を立ち上げた。松本さんは、「フリードライバーの待遇を変えていきたい」という思いが綴られた義父の企画書を眺めながら、「義父が成し得たかったものはちゃんと形にしてやり切りたい...」そう熱く語る。

gaia_20200519_04
しかし4月上旬、思わぬピンチが訪れた。新型コロナの影響で世の中の経済活動が制限される中、一部の業種を除く"企業間の配送"が減ってしまったのだ。「ドライバーさんのために何かできないか...」と考える松本さんは、新しいサービスを思いつく。利用者にも大好評で、"コロナ後"にもつながっていくその事業とは・・・。

gaia_20200519_05

コロナ禍で広がる「置き配」 不安の声も...

新型コロナの感染拡大防止で外出の自粛が続く中、タクシーによる飲食宅配の代行サービスなど、新たな試みも行われている。そんな中、配達方法にも変化が。玄関先など、指定した場所に荷物を置いて配達が完了する「置き配」が広がりを見せている。感染防止のため、日本郵便が勧めていることもあり、事前に置き配を選ぶ人が急増。しかし、ネット通販利用者1000人を対象にしたアンケートでは「盗まれないか心配」「送付状が見られてしまう」など、"不安だ"と思う人が7割以上を占めた。

そこで注目を集めているのが、置き配用バッグ「OKIPPA(オキッパ)」だ。折り畳み式の小さなバッグを広げると、2リットルのペットボトルが約18本入る大きさになる。

gaia_20200519_06
ファスナーに南京錠をかけられるので、受取人が不在の際、配送員はこのバッグの中に荷物を入れて配達を終わらせることができる。配送員は再配達に追われることがなく、受取人も再配達を待つ必要がない。

gaia_20200519_07
同バッグを作ったベンチャー「イーパー」(東京・渋谷区)の内山智晴代表(34)は、元大手商社勤務。サラリーマン時代、宅配の荷物を日中受け取ることができなかった経験から起業し、2018年にオキッパを発売した。

発売当時はまだ置き配も浸透しておらず、苦戦が続いた。潮目が変わったのは今年に入ってから。コロナ禍による置き配の認知とともに売り上げが急増し、4月は累計の販売個数が15万個を突破したのだ。
そんな内山さんに、さらに大きなチャンスが舞い込んだ。相手はあのネット通販大手。果たして追い風となるか。

gaia_20200519_08
新型コロナで変わりゆく経済の常識。これまで以上に注目を浴びる配送業の最前線を、今晩10時からの「ガイアの夜明け」で放送。どうぞお見逃しなく!

過去の放送回が見たい方は、テレビ東京ビジネスオンデマンドへ!

有名医師のアドバイス、医療従事者の声、闘う企業...「新型コロナウイルス」に関する情報はコチラ

PICK UP