新型コロナの影響で高値をつけた銘柄は? 投資家集団が語る<投資をエンタメとして楽しむ方法>

公開: 更新: テレ東プラス

新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言の期限が、5月31日(日)まで延長されることが決定。コロナショックが世界の金融市場を襲い、先が見えない外出自粛が続く中、投資家たちはどうしているのか...。

investor_20200511_01.jpg※写真左から「Zeppy」井村俊哉氏、KEN氏

そこで「テレ東プラス」では、投資や経済に特化した日本初のYouTuberプロダクション「Zeppy」代表取締役社長CEO・井村俊哉氏と「Zeppy投資ちゃんねる」メンバーのKEN氏にリモート取材。コロナ禍に翻弄されるマーケットの状況を分かりやすく解説してもらった。(※前編の記事はコチラ)。

後編では、井村氏、KEN氏が今だからこそ"買い"の銘柄を語るほか、今後の日本経済を投資家ならではの目線で分析する。

先を読むことがいい銘柄と出会うコツ

――未曾有の状況に陥っている日本経済ですが、ズバリ、今は株の買い時なのでしょうか。

井村「この数カ月で株価は下がったので、買いの状態ではありますが、なかなか難しい相場です。誰もが経験したことがないため、明日が分からないという感じですね。ただ、大半が死んでいる中でも全く影響が出なかったり、逆にプラスの影響が出ている人気の銘柄もあります」

KEN「リモートワークする人やリモート飲み会する人が多くなり、耳にしている人も多いと思いますが『Zoom』もそのひとつです。最初は月間使用者が2000万人くらいだったところ、今では3億人まで増えていて、株もかなりの高値を記録しています。株式投資で個別株を選別する人たちにとっては、このような波乱相場はチャンスかもしれません」

株は生活に密着しているもの。連想ゲームで楽しんで!

――現在、伸びている銘柄はあるのでしょうか。

井村「『あさひ』はそのひとつです。『サイクルベースあさひ』という自転車専門店を抱える企業ですが、"3密禁止"が叫ばれる中、通勤や買い物などで自転車を使用する人が増えている。実は自転車がめちゃくちゃ売れているんですよ。開示されている月次売上を見ると、飲食店などは去年に比べて3~4割減というひどい数字が並んでいますが、『あさひ』は前年同月比で2割ほど増えています。つまり、去年よりも売れている状態です」

KEN「食用きのこを製造している『ホクト』も上がっています。これは、新型コロナの影響で自炊する人が増えたことと、"きのこ類が免疫力を高める"と連想されたからかもしれません」

――株は生活に密着しているものなんですね。

井村「そうなんですよ。これらは、投資家だから思いつくわけではなく、"新型コロナ→3密NG→満員電車を回避→自転車通勤が増える"のように連想していった結果です。今、投資は、連想ゲームのようにイマジネーションが必要な世界に突入しています。想像力がカギになりますね」

KEN「こういう動きを楽しんでいる投資家も多くいます。3密NGで生活が変化していく中、まだ気づいていない掘り出し物の業界はきっとあると思います」

井村「『業務スーパー』を経営している『神戸物産』は、買い物客が増え業績は絶好調です。この背景には、『ホクト』と同じように巣篭もりで自炊する人が増え、買い溜め需要が急増しているから。加えて、自粛が叫ばれる中、買い物が理由なら外に出てもいいだろうと、ある種"エンターテインメント"として買い物をする人が増えているとみています。『業務スーパー』は安くて大容量、他では売っていないような商品も並んでいますので格好の場所です。このように、人の行動を観察していれば、収益を上げるチャンスにつながるかもしれません」

KEN「『任天堂』や『Netflix』が高値を記録しているのと同じですよね」

井村「少し前は"ステイホーム"と言われていましたが、今は"エンジョイホーム"へと流れが変わってきています。この騒ぎがいつまで続くか分からない中、ずっと自粛することは難しいので、家で楽しみながら待つ方法をみんなが探しています。それを表しているのが、製菓・製パン材料の通販サイトを運営している『cotta』などの盛り上がり。アクセスが集中し、サイトがつながりにくいこともあったようです。家で楽しもうという人と、安心・安全の観点で手作りお菓子に挑戦する人が増えていることの表れですよね。このように、今後は"新型コロナを予防する"という目線だけでなく、"現状を楽しむ"という新たな視点を入れて銘柄を選ぶのも面白いかもしれません」

――現状の生活を踏まえ、そこからさらに連想していくということですね。

井村「連想ができて、そのストーリーが当たっていたら、いずれ数値として表れてくると思います。そのためには自分だけでなく、生活習慣が異なる家族や友達の意見を参考にするのもいいかもしれないですね。子どもたちの方が流行に敏感なので、こんな目線があったんだ!と驚くことがあるかもしれません。みんなが想像だにしていない大化け銘柄を発掘するチャンスでもあります」

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「東京オリンピック」には大いに期待したい

――今後の日本経済に対する不安は? 投資家だからこそ、今できることはあるのでしょうか。

井村「人材ビジネスは、これまでと真逆の流れになり大変だと思います。ここ数年は人手不足が叫ばれていましたが、一気に仕事不足に変わりかねません。2、3カ月でここまで空気が変わるなんて、誰も想像もしていませんでしたからね。そして、そのような嫌な空気が伝染すると消費の回復が遅れてしまう。経済に与える影響は大きいと思います」

KEN「倒産も増えています。それも、昭和から2代目3代目と続いて経営している古き良き企業が多いです。そんなに大きくないけど年間数億円くらいの売り上げがあるお弁当専門店や飲食店......。個人的にとても悲しいです。日常が取り戻せたとき、みんなが喜んで使うサービスなのに、経営上の問題で倒産という道を選ばざるを得ない企業も。そういうこれまで健全な経営をしていた企業を支えていくのも、投資家としての役割だと思います」

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井村「そうだね。今こそ自分が応援したい企業を見つけて欲しいですよね」

――今後の日本経済は暗いのでしょうか。

井村「足元が厳しいのはそうでしょう。ですが、目線を先にやると『東京オリンピック』という光があります。専門家の間で開催できないのではないかと言われていますが、2021年に、予定通りに開催されれば、新型コロナに打ち勝った人類初のオリンピックとして、想像以上に盛り上がるはず。投資家は、未来を考えることが仕事です。想像力を活かして、新型コロナ終息の先に広がる新しい産業に目を向けるのもいいのではないでしょうか」

KEN「エンタメも、フットワーク軽く発信できるYouTubeを使った配信事業がより広がっていくと思います。そしてそれは、仕事や学校の授業などにももっと影響していくと想像します。リモートワークやオンライン授業も進められています」

井村「エンタメも、ライブをデジタルチケット制にして配信したり価値提供の仕方が変わってきています。悲観するばかりでなく、このような新しい動きを楽しんで経済を回していけるといいですね」

――お2人が所属する「Zeppy」としては、今後どのような動きをしていくのでしょうか。

井村「コロナの騒動で改めて思ったことがあります。こんな状況でも、雇用を守るため、社会の役に立つために必死に踏ん張る会社がある、そういう『ニッポンのいい会社』を応援したい、一人でも多くの人に知ってもらいたい、改めてそう思いました。新型コロナが終息したら、社長さんたちに出演していただき、この状況をどう乗り越えたのかをインタビューしていきたいですね。想像を絶するほどの危機や、それを切り抜けるための大きな決断もあったかと思います。YouTubeを使って企業のIR活動(企業が株主や投資家向けに経営状態や財務状況、実績・今後の見通しなどを周知する活動)をサポートしていきたいです」

KEN「僕は、投資家デビューされた方に向けて、投資の基本を伝えていきたいです。投資=大儲けと考える方が多いのですが、リターンと同じ様にリスクもある。基本的な知識を身につければ、少なからずリスクを抑えることができます。しかし、リスク管理の基本が出来ている方は実は少ないです」

井村「投資をエンタメとして楽しむ、"エンジョイホーム"のひとつになるように、楽しく学べるコンテンツを発信していきたいですね」

投資とは生活に密着しているもの。今の生活を振り返り、そこから想像していくと、今後成長する銘柄が見えてくるかも知れない。投資を学びたい方、初心者は、この機会にぜひ、「Zeppy」にアクセスしてみては?

(取材・文/玉置晴子)

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【井村俊哉 プロフィール】

1984年生まれ。中小企業診断士。プロダクション人力舎でお笑い芸人として活動し「キングオブコント 2011」で準決勝進出を果たす。貧乏生活をしながら株式投資を本格始動させ、「本業の1000倍稼ぐ株芸人」として注目を浴びる。2017年に運用資産1億円、2020年に3億円突破。日経CNBCコメンテーター、著書『年収3万円のお笑い芸人でも1億円つくれた(日経BP社)』を上梓しAmazonベストセラー1位獲得(「一般・投資」「節約」カテゴリー)。

2019年6月、『すべての人に投資の喜びを』をミッションに、国内初の投資に特化したYouTuberプロダクション『Zeppy』を設立。投資の一般化・大衆化を目指し活動する。自社公式チャンネル『Zeppy投資ちゃんねる』は、株式投資では国内トップクラスの規模に成長。2019年10月にテレビ東京COMと資本業務提携を締結し、上場企業のトップをゲストに迎えたIR(投資家向け)動画の制作事業を推進する。2020年5月、プロダクションZeppyの総チャンネル登録者数は50万人を突破し、大手企業とのタイアップ動画の制作本数は40本を超えるなど着実に実績を積む。

株式会社Zeppy:https://zeppy.jp/


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YouTube:Zeppy投資ちゃんねる

Twitter:@imuvill

Facebook:imura.investor

【KEN プロフィール】

今年3月に大学を卒業。学生時代は現役大学生トレーダーとして活躍し、投資コンテストで優勝。国際フォーラムのIRイベントで登壇、新聞で連載など若くして活躍する成長株。「夕刊フジ」「日経ヴェリタス」「日経CNBC」「ラジオNIKKEI」など、多数出演。

YouTube:「Zeppy投資ちゃんねる」

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