東大合格者数39年連続日本一! 開成高校前校長が語る「”歩き単語帳”で生徒同士がぶつかる...というようなイメージで入学されると、非常に困る」

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BSテレ東では、4月より「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(毎週日曜よる9時放送)がスタート! 名門校はなぜ、長きに渡り、名門校でい続けることができるのか...。歴史や校風、卒業生のネットワークまで、名門校の知られざる姿を通して秘密に迫る知的情報バラエティだ。MCに登坂淳一角谷暁子(テレビ東京アナウンサー)、解説におおたとしまさを迎え、「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。

4月19日(日)放送、第1回目に取り上げた名門校は、39年連続で東大合格者数1位を誇る「開成高校」。その前人未到の記録の裏には、知られざる秘密が隠されていた。「テレ東プラス」では、放送内容をプレイバックする。

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「2020年の東大合格者数ランキング」。私立の中高一貫男子校がランキングの多くを占めている。絶対王者は、39年間連続1位の開成高校。明治維新直後の1871年に「共立学校」の名前で創立し、初代校長は後に第20代内閣総理大臣を務めた高橋是清。小説家の島崎藤村や、俳人の正岡子規などもここで学び、「ペンは剣よりも強し」を掲げた中高一貫の男子校には、現在約2000人が在籍している。名門の秘密はどこにあるのか。今年3月まで「開成高校」の校長を務め、自身も開成OBである柳沢幸雄氏に伺うと、意外な答えが返ってきた。

東京大学工学部を卒業後、大学院で環境汚染について研究。アメリカ・ハーバード大学で准教授として教鞭を執っていたこともあり、教育界のキーマンと言われている柳沢前校長。「私も卒業して50年以上経ちますが、開成の実態は昔から全く変わらないのです。あの学校の中では、"歩きスマホ"ではなく、"歩き単語帳"で生徒同士がぶつかる...というようなイメージで入学されると、非常に困る」と笑顔で語る。

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実は世間のイメージとは違い、体育会系気質である開成高校。先輩の面倒見が良いというのも大きな特徴で、新入生には、先輩が兄貴分のように色々教えてくれるという。すると、後輩は先輩に憧れて真似をしたくなり、先輩が東大に合格すると「自分も!」と意思を固める後輩が続出するという流れがあるそうだ。「生徒たちはみんな"天邪鬼"ですから。先生が"勉強しろ"とか"東大行け"とか言うと、途端に受験数が減ります」と柳沢前校長。

開成名物と言える「学年旅行」というユニークな行事も。毎年、中1〜高2まで各学年ごとに旅行に行くのだが、行き先などは生徒自身で決めるという。その第一歩として、まず作るのは「選挙管理委員会」。「旅行委員」として活動したい立候補者を募り、生徒が投票。選ばれた旅行委員は生徒から行き先の希望を聞き、いくつかの候補地が出たら立会演説会を行う。こちらも投票を行い、最大多数の票を獲得した場所が旅行先となる。こうして校内で民主主義のプロセスを経ることで、「合意形成(意見の一致を図る)」という、大きな経験を積むことが出来るのだ。

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古代中国の書物・易経に書かれた四文字熟語「開物成務(かいぶつせいむ)」を語源に名付けられた開成高校。「開物成務」とは「物を開いて務めを成す」という意味で、柳沢前校長は「"物"というのは、生徒一人一人の素質のことだと私は思う。素質を花開かせ、人として、大人として社会の中で務めを果たすこと。難しいことではなく、自分の才能や得意分野を伸ばし、きちんと収入を得て税金を払う。それが社会に対する貢献の第一歩だと生徒たちには教えます」と語る。

多種多様、個性的な生徒が卒業していく開成高校だが、実は卒業生の子どもで開成に受かるのは、非常に稀だという。柳沢前校長の同級生は350人ほどいるが、子どもを開成に合格させたのはたった2人だそう。「相当勉強しないと受からないですよ(笑)。開成での日々は、決して"東大を受験するための6年間"ではありません。本人の多様な素質を伸ばすための学校だと考えていただくのが、子どもにとって一番幸せな選択」と教えてくれた。

番組では他にも、東大卒のピアニスト、一時はプロのパチスロを目指した塾長など、多種多様な開成OBのインタビューをお届け。名門「開成高校」の知られざる全貌と秘密に迫っていく。

この放送は、「ネットもテレ東」で期間限定配信中です!

4月26日(日)よる9時放送「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」は、九州の雄!鹿児島ラ・サールの秘密に迫る。

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今回の名門校は九州の名門「鹿児島ラ・サール」。全国から鹿児島を目指すその秘密をラサール石井と解明する。ラ・サールと言えば世界80ヵ国に広がるOB会の存在...。出身者は、キューバの革命家であるカストロ議長やチェ・ゲバラ、さらには香港スターのブルース・リーまで実に幅広い。

鹿児島ラ・サールの秀才たちは半分が医学部を目指し、残りの半分が東大を目指すという。高3からは毎日テスト漬け授業...成績が悪くても「勉強しろ」とは言われないのはなぜなのか? 寮ではスマホ禁止の厳しいルールも。そんなラ・サールの昔と今を、ラサール石井がトーク。

生徒が育つ名物行事!エンターテイメント満載の体育祭、冬に行われる1周35キロの桜島遠行から名門たる所以が見えてくる。番組をどうぞお楽しみに!

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